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ダッタン人の踊り


 6月6日(月) 晴れ

気持ちの良い朝 朝食後ホテル周りの散策に。公園では 太極拳をやったり ジョギングしたり
社交ダンスをやっている中年の夫婦など 健康に気を使っているのは 世界中どこも同じみたい。
朝市へ持っていくのか 野菜 ナン 蒸しパン とうもろこしなど荷車に乗せて売りに出かける人と
行きかう。

9:15 ホテル出発 いざトルファンへ
ウルムチ トルファン間は 植物のまったく見当たらない砂と石の砂漠の道を整備したハイウエー
を200キロ 2時間半 どこまでもまっすぐな道をきのうと同じ バスはひた走る。
左には天山の雪の峰が続き 南彊鉄道の列車が走る。
前方に白い柱 風力発電機が見えてきた。数百個のプロペラが回っている。
このあたりは風が強く21世紀のエネルギー源として 力を入れているのだと言う。


数百個にも及ぶ風力発電機が建つ

天山の雪の峰が続き 南彊鉄道の列車が走る


真っ白い塩湖が見えてきた。塩とアルカリの強い土質のため木は生えない。
塩辛くないのだろうか? 羊が小さい草を食んでいた。
やがて緑の木々がみえ大きなオアシスが見えてきた。ブドウ畑がある 日干し煉瓦づくりの褐色の
四角い建物が団地みたいに並んでいる。
壁面に無数の黒い小さな穴がある。ブドウを干す小屋だと言う。


トルファンに着いたら街の中の道の両脇にびっしりとブドウが植えられた美しい街だった。
大通りはポプラが植えられていて美しい。
街路は両側の側溝の中に ぶどうが植えられていて時々水が通される。
雨水の排水のための溝でなく ぶどうに水をやるための溝であるらしい。
この地方独特の ぶどう棚の群れを横目に眺めながら 向かううちに
古代にまで時間をさかのぼるような 不思議な感じに襲われた。
しみじみ西域にきたなという実惑をもった


ぶどう棚が続く美しい街 

青い細長い形のこのぶどうが最高に甘く上質のもの



ホテルはこの街一番の何でも揃っているが 一般の街の建物は日干し煉瓦積みで屋根は適当に
日除けがしてあるだけ。年間降水量16ミリ 蒸発量2500ミリと言う。 私たちの常識は通らない。
そういえば小さな子供たちがおしめをつけていない。お尻のところは切れていてお尻が出ているのを
何人も見た。きっと乾燥しているからオムツかぶれもなく自然に育つのだろう。

トルファンの人口は25万人 街中の「清真」と書かれたレストランに入り昼食。
「清真」とは汚い?豚肉の入っていないイスラム教徒が安心して入れる真に清らかという意味だそうだ。
かの有名な楼蘭ワインを注文する。

あまりに暑いので(40度くらい)一旦ホテルに入りシャワーを浴びてお昼寝をして行動は3時からとする。
(最高気温は55度を記録したことがあるという。中国では最も暑く最も寒いところ)

食事のテーブルのそばまで来て踊ってくれる
「清真」レストランの踊り子 

2泊したトルファン賓館ホテル



3時から交河故城に行く。 二つの河に囲まれたトルファンの歴史上最も古い城跡で前漢時代
西域の王国の王都にもなって栄えたという。日干し煉瓦で造られた建物は朽ちて街路と僅かな
建物が残っている程度。日干し煉瓦は何の人為も残さず
滅び忘れられて2000年の自然の城跡が何かを感じさせていた。

温度計が50度を指していると誰かが叫んでいた。暑い! 乾燥しているからかあまり汗は出ない。



滅び忘れられて2000年の自然の城跡 

丹念に積み上げられた日干し煉瓦



空が青くてきれい 

駱駝がお疲れのようだった



次にカレーズ見学
トルファンに1500本以上もあるというカレーズを紹介する博物館
カレーズとはペルシャ語で「地下水」を意味するという。灌漑用地下水路のことで
 トルファンは3000年以上前から天山山脈の伏流水を誘引する為に多数のトンネルが掘られ
トルファンの生命線、オアシスの源となってきた。
天山山脈の雪解け水はこんこんと湧きでていて冷たくて美しい。皆で飲んでみた。
井戸は最も深いもので67m長さは普通3km、最も長いものは10kmそれらが1500本だから
縦横5000kmという。
構造は簡単だが水量は安定していて蒸発を防ぐことが出来る。
古代の先人のなんと壮大な知恵と感性と根性を持っていたことかと驚きと感動を覚える。

この水の恩恵で、川もないのに水はこんこんと溢れ ブドウはたわわに実り 人々はウイグルダンスに
興じ 25万人のトルファンの人々は日常生活を送り 約3万ヘクタールの耕地が緑に覆われている。
まるで童話の世界のようにも思えるが、しかし一歩街から踏み出せば 殺伐としたゴビ砂漠
何千年前の古城や 王国の遺跡が点在し その規模に誰もが圧倒される。

市内のバザールを歩き18世紀にトルファンの郡主が清朝への忠誠の証として建てた素焼きのレンガの
イスラム様式の塔蘇公塔を見学する。
バザールには赤や黄の香辛料、幾何学模様の絨毯、西域の民族楽器、ナイフ、ウィグルの帽子などが
異国情緒を漂わせながら所狭しと並べられている。
道行く人、売られているものを見ているだけでも心が弾んでくる。
遠くまで来たものだとつくづく感じる。街全体がウイグル独特の生活感に溢れている。

中華での夕食後はホテルの中庭のぶどう棚の下でトルファンの民族舞踊やウイグル族の踊りが
観客をも引っ張り出して夜更けまで続いた。
10時を過ぎてもまだ明るくて星は全然見えない。

バザールでメロンを買って食べる

ぶどう棚の下で夜遅くまで踊りは続く.
この明るさでもう夜の10時

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