仏教ミキノクチ


折り紙には、仏教用の式紙もあり、寺院で、御幣みきのくちを見掛けることがあります。
また、「伝承切り紙 1」の「お棚紙」、「宝紙」と同じような「切り紙」を、寺院で製作、使用、頒布している所もあります。


宝城山 海蔵寺(かいぞうじ)
(こがわのお地蔵さん)
静岡県焼津市小川(こがわ)

海蔵寺は、時宗という、一遍上人がお開きになった念仏宗です。ご本尊は、明応9年(1500)、城之腰村(現・焼津市)沖の海から出現した「延命地蔵尊」で、霊験あらたかなお地蔵さんとして崇敬されています。家内安全、無病息災など、又、水にゆかりのお地蔵さんとして、川除け、五穀豊穣、海上安全、豊漁を祈願する人も多く、ご本尊の前に、帆掛け船を象った真ちゅう製のみきのくちが、網元から奉納されていました。
画像をクリックして下さい。「小川地蔵尊」の説明がありあす。



海蔵寺神棚
  神棚と       

  1みきのくち

     宝剣      
 灑水器
(しゃすいき)
  灑水器

  2みきのくち
    
    
火焔  

1,2とも、折り紙のみきのくちで、折り方は同じです。
みきのくちは、今でも、各地の祭典加持祈祷を行う寺院などで、時折見かけます。
の、縁を赤く染めたみきのくちは、灑水器(しゃすいき)の蓋の鈕(トッテ)に、水引で結び付けるものです。灑水器とは、仏檀などの魂入れや、法要の時に本堂内などを清めるための、香水(こうずい)を入れる鋳銅製の容器のことで、高台の付いた台皿、高台の付いたお鋺と、鈕の付いた蓋からなっています。