みきのくち 7





11 みきのくち売り






口上

「御酒の口を召しましきか。
帰りの足にて 安く候ぞ」


近世職人尽絵巻

文化2年(1805年)作より


四時交加
寛政10年(1798)刊 
山東 京伝 作
北尾 政演
 
(同一人物です)


からかみへ 御神酒の口を さして売り

桃李


柳筥(やないばこ)  天明3年(1783)刊より


 江戸では、お正月の「注連飾り」、小正月の「削り掛け」、七夕の「短冊、飾り物」なども、天明期(1781ー88)ころ前までは、材料を買って自分で作っていたようですが段々と作らなくなり、出来た製品を買い求めるようになっていったようです。みきのくちも、同じころに商品化されたのではないでしょうか。
ちなみに、明和9年(1772)江戸行人坂の大火がありました。大火は、建築業だけでなく他の諸商売にまで影響を与え、経済を活性化します。改元した安永元年(1772)、田沼 意次(おきつぐ)公が老中になり、商業を重視した「田沼時代」が始まりました。





見本のみきのくちの形には、数種類あるようです。

4扇 5蝶形扇
2,3は、鶴を折り出してあるようにも見えます。

の蝶形は、あまり見かけない珍しいものです。

参考品
169と同じ(東京都) 170と同じ(仝) 参考品(折紙)