年中行事・民俗行事
みきのくち
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2 取初(とりそめ)の祝
               1月7日

風俗画報63号

明治26年刊

山田 敬中 画

取初の祝

みきのくち


 古人の句に、「年礼や、上下(かみしも)着たる(つけたる)角力取(すまふとり)」とあり。実(げ)にや新たなる年の始めは、締り無き男も、元日は、一年の〆括りとて、角力取も柄に似ぬ裃着て、礼儀正しく酒の座に並ぶも優し。七日は、関取稽古場のとり初めとて、贔屓の客は勿論、朋輩など数多(あまた)呼び寄せて酒宴をなすに、今日のみは、大縞の胴衣(どてら)に替ゆるに、麻裃を以てすれば、仁王が婚礼の席に出でし如く思われて、その窮屈さ思ひやらる。酌する娘も今日は美しきを撰み、下女が杯盤を運ぶ足元もいそがし。先づ稽古場には、盛砂して、御幣をたて、そが(その)前に神酒を供へて、相撲守護の神仏を祀る。これを、取初(とりそめ)の祝といふ。
現在は、元日に新年会を開き、2日か3日に、稽古始めをするようです。





3 人日 七草粥  1月7日

正月7日。七草粥調理の場。 蝶花形

春の七草を入れて炊いた粥を食して、一年の無病息災を祈ります。

女訓百人一首錦鑑 天保15年(1844)刊  (★)
○七日に七ぐさの粥を祝ふことは、神武天皇の御宇(ぎょう・御代)より始るとなり。これも疫病をはらふの祝ひなり。此外いろいろ異説あれども信じがたし。
夫木集公朝の歌に、「君がため七つの朝の ななくさに 猶つみそへん 万代(よろづ)のはる」.
○十五日早朝に、小豆粥に餅を入て祝ふ事、是もその年疫病をはらふまじなひなり。これを、天狗祭といふなり。





 蔵開き 1月11日
               
みきのくち

温古年中行事  明治17年   鮮斎永濯 画

 1月11日に、商家や農家が、その年初めて蔵を開き、お神酒を供えて、商売繁盛や豊作を祈るお祝いです。
       

西宮新版 富貴商売往来 天明2年(1782)刊

蝶花形

往来物倶楽部(小泉 吉永氏 所蔵)
 
 1月11日。蔵開きの祝事あり。神酒を供す。農夫は、田開きとて仕事初めの田打ちを行う。商家には、この日帳面綴りをなす。