VOL. 29
● Dead or Alive 〜今、話そう〜
第1話 【暴発】
それは忘れもしない、2007年1月14日 16:20頃 愛知県と静岡県の県境近くの国道1号線で起こった惨劇。
前年の秋から対人関係が原因で人間不信による軽いノイローゼ状態になって何も手につかず、自分でも感情をコントロールできない毎日が続きました。それでも気の遠くなる様な時間が経過すれば、そんな事があった事も忘れてしまうのだろうというアテもない期待を胸に新年の恒例行事となった名古屋市にあるスクーデリア・オクムラさんに年始の挨拶に数カ月ぶりに乗る事になったVTR-SP1で出掛けたのでした。そしてライダーの先輩として、人生の先輩として兄のように慕っている奥村社長に悩みを聞いてもらいました。奥村さんは何も言わず、ただ黙って頷きながらボクの話を聞いてくれたのでした。誰かに話す事ができたおかげで少し、気分が晴れました。
帰りは高速道路を利用せず、久しぶりのVTR-SP1のライディングを楽しみながら名古屋市内の国道41号沿線にあるエクスプレスで給油して帰りたかったので名古屋高速環状線高架下の国道41号を栄方面へ向かいました。目的のエクスプレスで給油を済ませ、そのまま国道41号→国道23号→国道1号で静岡方面へ。この日は年明け間もない冬の日曜日です。夕方ともなると気温も急激に下がってきて17時過ぎには日没を迎えます。16時過ぎに豊橋市役所前を通過。既に名古屋を出発してから3時間も運転し続けていたので、国道1号浜名バイパスにある道の駅・潮見坂で休憩していこうと考えながら渋滞の国道1号を走行していました。信号待ちの間にスリ抜けしてなるべく車列の前に出ていきましたが、二川付近の国道1号は片側2車線ですが道幅が狭く、大型トラックやダンプカーが両車線にわたって走行するとなかなか前に出られません。スロットルを握る右手も痺れてブレーキ操作もラフになってきていたので、先頭に出るのは諦めて大人しく左車線で車列の後ろについていました。そして静岡県まであと2〜3Kmまで迫った信号のあるコンビニ脇の交差点付近でそれは起きました。