VOL. 29 
 Dead or Alive  〜今、話そう〜


第9話  【転院】

 手術後の治療計画書には約6週間程の療養見込みと書かれていたので、「受傷具合の割には意外と早く退院できるんだな・・・」と思っていました。しかし当然そんなに甘いものではなく、6週間経過してようやく1/3加重による松葉杖を使用しての歩行訓練が始まり、更に2週間が経過した3月中旬から1/2加重での歩行訓練となりました。6週間でほぼ完治して職場復帰できると思って会社を休業していましたが、当分復帰できそうもありません。有給休暇は退院後の通院のために数日分は残して、給料が支給されない休業扱いとしたので、休業中の収入は無いにも関わらず社会保険等の税金はしっかりと徴収されます。会社から社会保険料を支払いに来てほしい旨の連絡があったので、外出が許可されてからは経過報告を兼ねて会社に出向いたりもしました。この時、「いい加減、復帰しないとクビにするぞ」という本音とも冗談ともとれない言葉を上司から浴びせられ、「これは本当に長引くと解雇もあるな」と思って退院の機会を検討する事にしました。
 3月に入った頃は患部の消毒とリハビリ目的での入院状態だったので担当医にいつになったら退院できそうか相談したところ、1/2加重での歩行訓練が出来るようになれば消毒などは自宅でも処置できるので退院しても良いとの事でした。よって入院は3月末までとして、紹介状を書いてもらって以降は地元、浜松の病院でリハビリを継続する事にしました。そして3/30に2ヶ月半を過ごした豊橋医療センターを退院しました。
 4月の第1週は会社を休んで翌週から出社する事にしました。この間に今後、通院でリハビリを行ってくれる医療機関を探さなければなりません。以前、左肘の脱臼骨折をした時に通院した接骨院では入院中に行っていたような器具を使ったリハビリはできないので他を探します。一番は勤務地にも近くリハビリ施設も充実している聖隷三方原病院で受け入れてくれると良いのですが、こちらは入院患者を社会復帰させるのが目的のリハビリテーション科で通院患者は受け入れていません。会社帰りに通院できてリハビリ設備や環境が整っている(リハビリテーション科がある)開業医をインターネットや電話帳で探しました。すると以前、ボクの椎間板ヘルニアを治療してくれた聖隷三方原病院の医師が独立して開業した整形外科クリニックが同病院近くにあり、リハビリテーション科もある事が知人の話で判明しました。ホームページも開設しておりリハビリテーション科の様子も分かったので電話をして、リハビリの受け入れをしてくれるか問い合わせたところ、一度、来てほしいとの事だったので行く事にしました。
 有名な医師が開業した病院である為に患者が信じられないほど多く来院しています。朝イチで電話をして事情を説明し、午後一番に病院に行きましたが当日予約扱いになった事で診察は19:00近くになりました。時間が来るまで席をはずしている事も出来ましたが、家族の送迎がないと移動ができない事と、行くアテもないので待合室でずっと待っていました。
 ようやく順番が回ってきてドクターによる診察、レントゲン撮影を経てリハビリ担当医と面談をして受け入れてもらえる事になりました。ここから1年以上も続く通院によるリハビリ生活がスタートしました。


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