VOL. 45
● 友、遠方より来る Part.2
HP内コンテンツ『全国旅日記』によると、彼と会ったのはボクが【目指せ!北の大地2003】として行った2003年が最初で最後でした。彼というのはかつてボクが在籍していたオーナーズクラブで北海道支部にいた「おまるさん」です。お互いに現在ではオーナーズクラブを退会し、ボクのHP上での付き合いしかなかったここ数年です。
ボクはバイク馬鹿なので大怪我をしてもずっとバイクに乗り続けていますが、おまるさんはお子さんの小学校入学にあわせて暫くの間、バイクを降りていたそうですが、昨年にCBR600RRでライダーとしてリターンしたとの事。しかし復帰後間もない2011年に公道走行中に横から飛び出してきた鹿に追突されバイクは転倒、おまるさんも負傷したそうです。北海道ならではの驚きの事故状況です。
そんなおまるさんから事故で負傷した事を契機に安全にバイクライフを過ごすためにレザースーツを購入したく、ついては今一番人気があってセミオーダースーツの製作に対応してくれる【HYODプロダクツ】に依頼したいとの相談がボク宛てに寄せられました。ボクといえばHYOD社内でも少しは名の知れたHYOD野郎です。おまるさんは北海道から交通費を使ってでもボクを頼って遥か1500Km先の静岡県浜松市にある【HYODプロダクツ】の総本山となる【HYODプラス(浜松本店)】へ来たいとの事でした。
そして2012.1.14(土)に朝早く釧路空港から羽田空港へ飛び、東京から新幹線で浜松駅に向かい16:00におまるさんは到着したのでした。ボクは相方と共に浜松駅まで迎えに行き、約9年ぶりに会ったのでお互いに少し(?)年を重ねて顔立ちも体型も少し(かなり??)変わりましたが、すぐに気付きました。9年ぶりの再会にガッチリ握手。そしてお土産に北海道銘菓の『白い恋人』を頂きました。コレ、大好物です。再会の挨拶もソコソコに早速、宿泊先のビジネスホテルへ向かい、チェックインを済ませてからHYODプラスへ向かいました。
おまるさんがHYODプラスまでレザースーツの製作の相談に来る事は事前にスタッフには知らせてあったので店長さん自らが出迎えて対応してくれました。まず、何故におまるさんがHYOD製のレザースーツを選んだかというと、HYODでは既成サイズとして33サイズを取り揃えていて、自分に合ったサイズのスーツが大抵の場合は見つかるというものです。この33サイズの中から手直しが無ければ追加料金はかかりません。また全日本のトップライダーや2011年の鈴鹿8耐で優勝した清成選手が身につけているレザースーツメーカーといえば、その品質と性能はお分かりでしょう。おまるさんも他社製を含めて既成サイズを購入して着る事が出来なかったリスクを考えると交通費を支払ってでもHYODまで赴いてフィッティング作業を行いたかったそうです。
まずは店長さんも驚きの創業以来、おそらく最遠方地からのお客様という事で北海道話などで盛り上がります。夏に本州から北海道に行くライダーは多いのですが、北海道から本州に来るライダーは少ないとか、北海道はバイクに乗れる時期が極端に短い事とか、そもそも北海道にはライダーの絶対数が少ないとか、今時の北海道バイク事情について色々と話題には事欠きません。
そして33パターンの中から身長・体重から適正と思われる2着の試着用スーツを選んでもらってフィッティング作業を行います。フィッティングルームにはフィッティング確認用の模擬バイクもあるので実際にライディングフォームをとってタイトな部分がないかタブつく部分が無いか確認作業を行います。その結果、Mワイドがベストサイズとなりました。しかし袖の部分が少し長いとの事で、数cmカットする追加作業を行う事にしました。
そしてここでおまるさんが「ボク、本音はサーキットを走行する訳では無いので、2ピースのレザーウェアや革ジャン+革パンでも良いんですけど先日の追突事故の事もあるし、安全を考えると1ピースタイプの方が良いんですよねぇ?」とちょっと迷いともとれる発言を!
ここで店長さんとボクは顔を見合わせて ( ̄―+ ̄)ニヤリ 実は大々的には宣伝されていませんが、HYODでは1ピースタイプのレザースーツをベースにデザインを活かして2ピース化する作業も行ってくれるのです。もちろん追加料金がかかりますが、街乗りメインでの使用であれば2ピーススーツの方が使い勝手が良いのはお分かりでしょう。
と、言う事でたまたま希望していたデザインの1ピーススーツは2ピース化する事が可能だったので、こちらの追加作業も加える事になったのでした。何故、こんなオーダーが可能かというと、HYODのレザースーツは国産牛革を使用して、日本のスタッフ(ちなみにボクの40年来の幼馴染みが製作を担当)が国内で(浜松店2Fにある工房)製作するからです。これだけの追加作業を行っておまるさんの予算にほぼ沿う金額となっていましたが、HYODプラスに来た興奮からなのか、1500Km彼方の浜松へ来た勢いなのか、希望デザインの上級モデルであるD3Oモデルへと変更し、しかも来たついでだからとインナーウェアやツーリンググッズ等を大量に買い込んでいました。その買物をする表情はとっても楽しそうでしたよ。
既成サイズをベースに希望する部位の変更や仕様変更を行う事で限りなくフルオーダーに近い形で自分だけの1着を作る事が出来るのが【HYOD】の魅力です。料金の公表はここでは差し控えますが、おまるさんがボクを頼って来たのですから定価販売なんてケチな事はさせませんでしたよ♪
さて、HYODプラスでしこたま使い込んだ後はお食事です。時間があれば『バイクのふるさと浜松』ならではのミュージアムやショップにも案内してあげようと思いましたが、1泊2日の弾丸日程で翌日は朝から浜松を発つと言う事だったので食事だけでもご一緒しましょうとボクが予約をしてお店に行きました。
行ったお店は【うなぎの藤田】さんです。他にも鰻処、浜松らしく名店は数多くあるのですが、HYODプラスを出発したのが遅い時間でラストオーダーに間に合うお店が少なかったので、ボクのお気に入りの中で一番遅くまで営業している【うなぎの藤田】さんに行く事にしました。
注文したのは鰻重の他にサラダや茶わん蒸し、デザート等が付いてちょこっとコース料理気分を気軽に味わえる『たんぽぽ定食』です。鰻重はもちろん2枚入りの高い方を注文デス。おまるさんは北海道でこんなに美味しい鰻は食べた事が無いと大変、喜んでくれました。こんなに喜んでもらえると御馳走した甲斐があるというものです。そして、相方もボクの横で「美味しい♪」と喜んでいました。さてはこれが目当てで付いてきやがったな?
おまるさんを宿泊先のホテルまで送り届け、わずか5時間の再会時間でしたが、とても充実した濃い時間でした。食事している時も2003年に会った時の様に楽しく会食できました。そういえば2003年に北海道でお会いした時も4時間くらいしか一緒にいなかったんですよね。約9年ぶりに会ったバイク仲間ですが、お互いにオーナーズクラブを退会した後でもこの様な形で友情を維持できるのは、やっぱりバイク乗りならではだなぁと思いました。逆にオーナーズクラブを退会した事で(ボクは批判勢力から退会勧告を受けたのでやめましたケド)、残念ながら疎遠になった人も沢山います。
おまるさんの世界に1着のオーダースーツは3月末から製作に取り掛かり4月中旬に完成予定だそうです。そして、きっといつの日か、おまるさんと2ショット写真が撮れる日が来ると信じています。
バイクが取り持つ縁。だからバイク乗りはやめられません。
 |
 |
 |
 |
北海道バイク事情で談笑 |
フィッティング作業でベストな1着を |
鰻で会食 |
今後もこの縁が続きます様に |
大将’s Talk TOP