VOL. 73
● 明日へ続く道 紀伊半島横断ツーリング

2011年7月8日(金)


 
 7/8(金)は自工会による輪番操業により勤務先はお休み。ツーリング途中に知りましたが、東海地方などは梅雨明けも宣言されたという事であまりアテにならない天気予報でも近畿・東海地方では30℃を超す猛暑になるとの予報です。前日から降りだした雨が朝方まで残るとの事でしたが、日中は天気が良さそうなので6月初旬から延び延びになっていた近畿地方の『とある場所』を訪れる事にしました。

 朝6:00に自宅を出発しようと思っていましたが、前日は相方に誕生日を祝ってもらっていたので帰宅が遅くなり、荷物の準備もしていなかったのでドタバタしながら濡れた路面の中、7:00前に自宅を出発します。今回は時間短縮のために高速道路を利用する事にし、東名浜松西ICから西へ向かいます。
 東名高速道路→伊勢湾岸自動車道→東名阪自動車道を走行し御在所SAで最初の休憩です。平日なので全線で交通量は少なく気持ちよくクルージングできました。休憩を済ませて東名阪道に再びコースイン。今回は亀山ICで降りてバイクでは6年ぶりの走行となる国道25号線の名阪国道へ。ちなみに6年前は2月の真冬に熊本に行くのに吹雪の中を爆走しました。
 ツーリングマップルを見ると平行する旧道側の国道25号線沿いに【道の駅 関宿】がありましたが、立ち寄っていると時間をロスするので復路で時間があったら立ち寄る事にし、名阪国道沿いの【道の駅 いが】で休憩する事にしました。もちろん、道の駅スタンプラリーもゲットします。記念すべき三重県のスタンプ獲得第1号となりました。

 再び名阪国道を走行し奈良県を目指します。関西や東海の方はご存知かと思いますが、この道は高速道路になりそこなった国道なのでハイペースでの走行が可能ですが至る所でピーポ君が取り締まりを行っているので注意が必要です。奈良県に入ると関西圏ナンバーのトラックやトレーラーの乱暴な運転が目につくようになりました。中には牽引トラックなのに下り坂でジャックナイフ気味になってまで前走車に突っ込んでいく愚か者の姿も見えます。どうりで奈良県内にある道路標識は『スピード出すな』とか『車間距離あけろ』という命令口調の物が多いハズです。利用者も監視者もガラが悪いです。
 6年前に名阪国道を利用した時には何ヶ所かで信号のある交差点があった覚えですが見当たりませんでした。バイパス化されて交差点を避けて高架化されたのか、6年前がたまたま工事中か何かで側道側に誘導されていたのか・・・。今となっては不明です。

 天理からは西名阪自動車道→阪和自動車道を走行し、堺ICで降ります。事前に調べておいたエクスプレスで給油すべくGSを目指しますが、IC出口で左折するところを間違って右折してしまい、2Kmほど大阪湾方面へ行ったところでミスコースに気付き引き返します。県道61号線から桃山台という住宅街に入り、「本当にこんなトコにあるのか?「と不安になりながら目的のエクスプレスを見つけ給油。タンク内には残り2Lしか入っていませんでした。
 給油後は県道61号線を走行し今回の最大の目的地である場所へやってきました。その場所とは『ハーベストの丘』です。ここは6月6日にキャプテンの愛称で皆に慕われたライダースクラブ誌編集長である竹田津敏信さん(以下、キャプテン)が、取材中に不慮の事故にあい亡くなった場所です。既に同地を訪れたSNS仲間から「事故現場には花束がたくさんあるから分かりますよ」と聞いていましたが、1ヶ月も経過した事で片付けられたのか、目印となるそれらしいものが見つけられなかったので、同園内にあるファーマーズマーケットの従業員に聞いて場所を教えてもらいました。

 現場に到着すると今でもどなたかが訪れているのか少しだけ花や飲み物が供えられていました。被害事故を防ぐべく、見通しの良い路肩にバイクを停めて持参した花とお茶を供えて、生前のキャプテンとの思い出に浸りながらお別れをしてきました。
 あまりにも突然の出来事で東京や九州で行われた葬儀にも駆け付ける事が出来ず、無意識のうちにこの1ヶ月はバイクに乗る事を避けている気がしていました。キャプテンと親交の無かった方からすれば、「何様?」と思われるかもしれませんし、完全に自己満足でしかないのですが何か自分の中で区切りをつけたかったので事故現場を訪れてお別れをしたかったという事です。
 しかし、事故現場を観察すると「なぜ、ここで?」という疑問を抱かずにはいられません。ボクは当事者でもありませんし警察関係者でも無いのでこの件について細かくは論じませんが、車にもバイクにも乗る立場として言わせてもらえば軽四車が対向車線側に飛び出す事が考えにくい道路です。本当にドライバー側の運転ミスでしか起こり得ない事故と感じました。
 あらためて不慮の事故で亡くなられた竹田津敏信さんに対しご冥福をお祈りいたします。

 今回のツーリング最大の目的は果たしたのであとは浜松へ帰るだけです。せっかく大阪まで来たので帰りは少し観光をしながら帰る事にしツーリングマップルを見たりして帰りのルートと行先を検討しました。そういえば7月号のBikeJIN誌にホンダドリーム関西の日帰りツーリング企画として、奈良県・十津川村の【谷瀬の吊り橋】が紹介されていたなぁと思って、地図を頼りにソコに寄って行く事にしました。

三重県初制覇は道の駅・いが 事故現場風景 さようならキャプテン


 ハーベストの丘からは県道61号線→国道170号線→国道360号線で五条市を目指します。ハーベストの丘を出る時点で正午を過ぎていたのでどこかで昼食を食べようと思いましたが、猛暑の中での国道170号線の交通量の多さに身体が参ってしまい、少し空いた場所で食べようと思って国道360号線に入ったのが運のツキ。300番台の国道は飲食店やコンビニはおろか自販機も無いという全国どこへ行っても酷道だという事を思い知らされました。しかし前後に車がいない場所ではソコソコ楽しめる区間もありましたけど。

 五条市に出てからは国道168号線で十津川村を目指します。しかし、この国道168号線でも飲食店がなく、途中で奈良県名産の『柿の葉寿司』なる看板のかかった飲食店がありましたが、どんな寿司か分からず、海鮮ネタの代わりに柿の葉っぱが巻かれている押し寿司みたいな物だろうとその瞬間、勝手に想像してしまったので通過してしまいました。後で調べて知りましたが、柿の葉っぱで巻かれている事は当たっていましたが想像とは違った鯖寿司みたいな食べ物でした。国道310号線から国道168号線に入った直後に何軒かあったコンビニへも反対車線側にあった為に入り損なってしまったので結局、14:00頃まで昼食はお預けとなってしまったのでした。
 しかもツーリングマップル関西(ボクの所有している物は2004年度版)のページを見間違えていて、五条市からはP26→P18→P11と地図が移っていくのですが、P18を見落としていたので国道168号線に入ってから数キロの場所に【谷瀬の吊り橋】があるかと思っていたらまだ遥か先にありました。

 灼熱の中を水分補給もせずにずっと走行してきた事で集中力が切れ始め、お腹も空いてきたのでこのまま走行を続けるのは危険と判断して、【道の駅・吉野路大塔】で休憩する事にします。道の駅内のレストランで『黒米カレー』を注文しかなり遅い昼食を摂ります。注文して僅か1分程で出てきたので、「まさか?」と思ったらカレーはどう見てもレトルトで黒米もレトルトか?と疑いたくなるような不自然な固まった部分がありました。でも背に腹は代えられないので食べましたけど、悔しいかな、空腹だったので美味しかったりする・・・。レトルトカレーでも業務用の本格派であれば許せますけどね。

 地図のページを見間違えていた事で予定よりも1時間以上も遅い移動となっています。しかし奈良県って山間部が多いんですね。静岡に住んでいると奈良県って東大寺をはじめとした神社仏閣のあるエリアしか思い浮かばないので拓かれた地域と思いがちですが、紀伊半島中央部は狭い道ばかりで信号も滅多にない快走ならぬ怪走路ばかりでした。道路工事区間を抜けて十津川村に入ると【谷瀬の吊り橋】までの案内看板が出てきました。案内看板に従って走行すると目の前に吊り橋が見えてきました。
 100円を払って有料駐車場に駐輪し徒歩で吊り橋に向かいます。遠目で見た限りではそんなに大した吊り橋では無いと思いましたが、実際に間近で橋を目にすると結構な迫力がありました。迫力と言うよりも不安と言った方が良いかも・・・。
 一応、落下防止措置は取られていますが、踏み板はボロボロの木板を心もとないクギで打ちつけてあるだけで、その踏み板は結構、撓みます。しかもどう見ても踏み板を固定している枕木の間隔がバラバラで踏み板の両端には落下防止のネットがあるものの、時折見える隙間からは踏み板の下にそれらしいネットが見えません。(うまく見せない様にしてあるのだと思いますが・・・)高所恐怖症でヘタレなボクにしては頑張って往復しました。かなりヘッピリ腰だった事はナイショだ!
 時々、何人かとも橋の上ですれ違いましたが、数人が同時に通行する分には強度は大丈夫な様です。

 【谷瀬の吊り橋】での観光の後は松坂方面へ抜けたいので帰りのルートを考えます。紀伊半島を横断する幹線道路は限られており、最短ルートとなると太平洋側に出て国道42号線を行くか、五条市方面に戻って国道169号線を行くのが良さそうです。三重県内の数ヶ所の道の駅でスタンプラリーをゲットしたかった事と、吊り橋を出発する時に雨が降り出してきて国道42号線方面に出ると雨雲の中へ突入確実だったので、雨雲がまだ迫っていない五条市方面に戻って国道169号線を利用して吉野の山中を走行して松坂方面に向かう事にしました。

黒米カレーで遅い昼食 遠方に吊り橋が見えてきました 踏み板が心もとないデス


 国道168号線を北上し国道370号線への最短となるであろう、県道20号を走行しショートカット。途中は快走路でしたが、やはり一部の区間は狭く荒れた酷道でした。谷瀬の吊り橋から戻る途中で多くのツーリングライダーとすれ違いました。結構、ピースサインをしてくれるライダーがいてちょっと嬉しかったですね。金曜日の平日と言う事で皆さん、同じ業界にお勤めの方々かな?
 吉野川沿いの国道370号線に出てからは吉野川沿いに国道169号線→国道370号線→県道16号線→国道166号線を走行します。吉野川沿いの国道169号線は、なんとなく見覚えのある景色です。よくよく考えたら十数年前に前に勤務していた会社の同僚と那智勝浦・龍神スカイラインツーリングに行った帰りに走行した道でした。
 吉野の山間部を走行する事になるのでここでもやはり狭いツイスティーな区間が続きます。信号機が無く対向車に注意していれば結構なペースで走行可能です。しかし、ちょっと調子に乗り過ぎたのか、連続走行で集中力が切れてきていたのか、国道166号線にあったトンネル内のカーブで調子にのってバンキングしていたらフロントから滑ってしまい対向車線に飛び出してしまいました。左脚を咄嗟に出してシューズの底を路面と擦りながら転倒を防ぐべくバイクを支え、ブレーキでバイクを起こして何とか事無きを得ました。直後、今まで全くすれ違う事のなかった対向車がやってきました。キャプテンにお別れを言いに行った帰りに事故なんかを起こしたら竹田津さんに会わせる顔がありません。きっとキャプテンが「調子に乗らずに休憩をとりながら安全運転してね!」と諭してくれたに違いありません。

 五条市から国道166号線に抜けたかったのは、この沿線にある三重県内の道の駅でスタンプラリーをしたかったからです。遅い時間になると閉館してしまう恐れもあったので少し無理なペースになっていたのかもしれませんが、17:00頃に【道の駅・飯高駅】に到着。やはりここは十数年前の那智勝浦・龍神スカイラインツーリングの帰りに立ち寄った覚えがあります。その時は先輩について行っただけなのでどこのルートを走行していたのかなんて全く気にしていませんでしたが、どうやら今回と同じルートを走行していた模様です。当然、本日2ヶ所目の道の駅スタンプラリーをゲットです。そして、遅ればせながら本日1回目の儀式をば! ゴマ入りソフトクリームですが、もう少し綺麗に盛りつけられないのかな? ボクがやった方が上手くできると思ったのは言うまでもありません。
 休憩と儀式とスタンプもゲットし、心身ともにクールダウンできたので次の目的地へ向かいます。次はここからほど近い国道166号線沿いの【道の駅・茶倉駅】です。数分前に休憩したばかりですし、閉館時間間際だったのでここではスタンプだけゲットします。

 もうこの時点で18:00になろうとしています。予定では松坂から下道で四日市に抜けて夕食を食べてから伊勢湾岸道を利用して帰宅するつもりでしたが、帰宅ラッシュの中、ここから下道で四日市を目指すとかなり遅い時間に四日市に到着する事になってしまいそうです。四日市での夕食は諦めて伊勢自動車道の松坂ICから伊勢自動車道に入り浜松に向けて帰る事にしました。松坂IC手前のセルフのスタンドで給油し、松坂ICへ。
 伊勢自動車道はそれ程混雑しておらず19:00過ぎに東名阪自動車道の四日市IC手前までやってきました。高速道路に入ってしまったのでそのまま突っ走りたかったのですが、食べ物の魅力には抗えず四日市ICで降りる事にしました。この時間ならお目当てのお店の閉店時間前には到着できそうです。国道477号線を走行し近鉄伊勢松本駅前へ向かいます。

 そこからほど近い【まつもとの来来憲】さんが夕食の目的地です。そしてお目当ては四日市名物の『四日市とんてき』です。ロース肉は250gのボリュームでご飯とみそ汁(豚汁)はおかわり自由です。写真で見るとそのボリュームが分かりにくいですが結構な量があります。またニンニクが効いたロース肉はご飯が進むのでおかわりしたくなりますが、満腹でニンニク臭いヘルメット内でこの先の走行は苦痛かと思って、珍しくおかわりはしませんでした。実は脱水症状で水分ばかりが欲しくてあまり食が進まなかったというのが本当のトコロ。でもそんな夏バテに豚肉はお勧めですよ。

 食後は四日市ICに戻らず市内を走行し国道23号線へ。鈴鹿サーキット通いに慣れているので国道23号線は時間と距離の感覚が把握し易いです。また四日市ICから2区間分の通行料金をケチるために、みえ川越ICから伊勢湾岸自動車道に入ります。名港トリトンを過ぎて刈谷PAで休憩。21:00近いですが日中に比べれば幾分、涼しくなったもののまだ熱風が肌にまとわりつきます。おそらく首回りが日焼けしてしまったので余計に暑く感じていたのだと思います。PA内で涼みながらなんとなく勢いで本日2回目の儀式を敢行。西尾抹茶とバニラのミックスソフトです。ここでも形が崩れています。最近の店員さんは精進が足りないなぁ。もっと盛り付けにも気を使って欲しいものです。儀式の伝道師である、あの方が見たらダメ出し確実だろうなぁ・・・。

 館内に流れるハイウェイラジオ情報によると豊田JCTで事故が発生して東名高速への合流区間は渋滞しているとの事だったので少し長めの休憩としましたが、バイクであれば前に出られるかな?と思って本線に繰り出します。豊田JCTは事故処理が終了したみたいで消火剤かオイル処理剤が散布された跡があり、その上を皆が走行する事で煙幕が巻きあがっていましたが、難なく通過できました。あとは淡々と浜松西ICまで向かい22:30に浜松の自宅へ到着しました。

 今回は先日、不慮の事故で亡くなられたライダースクラブ誌編集長・キャプテンこと竹田津敏信さんとのお別れをしたくて、事故現場を訪れるという普通のツーリングとはちょっと違う、自分の中ではきっと忘れる事の出来ないツーリングとなりました。キャプテンが誌面を通じてバイクライフの愉しさを伝えようとしていた事をボクも一人のライダーとしてHPやSNS内で発信していきたいと思います。
 そして、この先の路にはどんな風景が拡がっているのか・・・?という興味に惹かれて全国の色々な路を走行して行きたいですね。もちろん、安全運転でね。 (*‘‐^)-☆

最近、600km超の日帰りツーリング位ではなんとも思わなくなってきた・・・。(汗)

道の駅・飯高駅 儀式1・ゴマソフト 四日市グルメ・とんてき 儀式2・西尾抹茶ミックスソフト


本日の走行距離:720Km 


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