笑気吸入鎮静法は、人体に無害であり軽い麻酔作用を持つ笑気ガス(N2O 亜酸化窒素)を鼻から吸入しながら、意識のある状態で歯科治療を行う方法です。
【適応症】
次のような方にはたいへん有効で苦痛無く歯科治療を行うことができます。
・歯科治療に対する恐怖心の強い方(歯科治療恐怖症)
・口を触られるたり、歯型をとる時に吐き気をもよおす方(嘔吐反射)
・麻酔注射で貧血を起こしやすい方
・高血圧・心臓病等の全身疾患のある方
・長時間の治療に耐えられない方
【笑気吸入の実際】
@鼻マスクをかけて鼻から吸入します。鼻がつまっている場合は使えません。
A笑気30%・酸素70%の混合ガスを吸入します。
B5分ほどで手足が暖かくなるような感じがし、頭がボーっとして気持ちが落ち着いてきます。
Cこのままの状態で治療を行います。
D治療終了後、100%酸素をおよそ5分吸入すると完全にさめます。
【笑気吸入Q&A】
Q1:笑気を吸うと眠ってしまうのですか?
A1:眠ってはしまうことはありません。意識はしっかりかりしている状態で治療を行います。起きているのと、眠っている状態のちょうど中間と言ったらよいのでしょうか。
Q2:健康保険は適用されるのですか?
A2:保険が適用されます。吸入する時間によって変わりますが、3割負担の方で30分間吸入すると約1000円程度の負担金になります。
Q3:笑気ガスは安全ですか?
A3:安全です。アメリカでは救急車に常備され、患者さんの苦痛を和らげるのに役立っています。ただ妊娠中の方は避けたほうがよいといわれています。
Q4:笑気を使うと痛みは無いのですか?
A4:全身麻酔ではありませんので痛みはあります。従って痛みを伴う治療の時には局所麻酔を併用します。
根管治療は一般の歯科医院で日常最も多く行われている基本的な治療のひとつです。「歯の神経」を取ったり、化膿した歯根を治療することをいいます。
基本的な治療ではありますが、この部分がきっちりと治療されていないと、患者さんはもちろん我々歯科医師も痛い目を見ることになります。患者さんは文字通り、治療したはずの歯が痛んだり腫れたりすることがありますし、歯科医師はせっかく苦労して入れた歯をはずす羽目になります。
簡単そうに思われがちな根管治療ですが、人によって歯の長さは違いますし、根管の数も異なることもあります。また根管は曲がっているものもあり、狭窄して治療器具が入りにくい場合も多々あります。
当医院ではこの根管治療を確実に且つ痛み無く行うために、モリタのコードレスモーター「トライオートZX」と、非常に弾力性に富み曲がった根管にも対応できるニッケルチタンファイルを導入しました。ニッケルチタンファイルをトライオートZXにつけて、根管内に挿入すると、電気的に歯の長さを測りながら根の先端まで治療を進めることができます。従って傷んだ歯質を取り残したり、先端を突き破ったりすることを防ぎ確実な治療が可能となります。
【根尖病変のX線像】 |
【根管充填後のX線像】 | 【トライオートZX】 |
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*根管治療が確実に行われないと根の先端の病気を起こしたり、再発させたりすることがあります | *根の先端まで過不足無く根管を封鎖することが必要です | *充電タイプのトライオートZX ニッケルチタンファイルとの併用で確実な根管治療の強力な武器となる |