2004/07読書日記

2004年07月04日
フェイダーリンクの鯨 野尻抱介 ハヤカワSF文庫 303P 672円 -70-

土星を思わせる惑星フェイダーリンクの太陽化計画(さよならジュピターですね)で立ち退きを要求されているリング上に住むコロニーの人々と知り合ったミリガン運送の3人組は、一肌脱ごうとするが・・。
惑星のノイズをメイが聞いているところで、「このリング自体がが疑似生物なのでは?」とちょっとブルッとくるようなアイディアが頭をかすめたが、実際は穏当な結論であった。
 しかし、査察官の最後の演説でこの話は非常にレベルが上がっている。すごいぞ。野尻抱介。
 小松左京や光瀬龍を読んでドキドキしていたように、いまの子供たちがこういった本を読んでドキドキして欲しい。
 「棄てプリ」といい富士見ファンタジア文庫侮りがたし。 

2004年07月04日
玄冶店の女 宇江佐真理 幻冬舎 P318 北部図書館蔵書 -71-

 玄冶店にすむ囲われの女、お玉と、同じ境遇のお花、お喜代たち、置屋の娘小梅などを通して江戸の女達を描く連作短編集。お玉さんは気っ風がよく、面倒見が良い姉さん肌の人であり、お花やお喜代、小梅たちに慕われている。小間物問屋の店主に身請けされた花魁だったが、店が傾いたため店主と別れることになる。小梅の手習いの師匠青木とお花の飼い猫の縁で知り合うが・・。
 女達がみなとても素敵です。ただ、男性からみて素敵な女性が、女性から見てもそうだとはかぎらず、そういう意味で宇江佐さんが読者に媚びてこのような女を描いているのか、宇江佐さんにとっても描きたいような女性であるのか・・どうもその辺が最近気になっています。
2004年07月04日
闘竜戴天3 九つの月の予言 ロバート・ジョーダン ハヤカワ文庫FT P286 \640 -72-

 やっとのことで、アル=ソアとエレインはできてしまうし、マットの予言の人トゥオンも現れる。ほぼ主要登場人物が出そろった観があり(っていうか、いい加減登場人物を増やすのはやめてもらいたい)一気にクライマックスへ話は進みそうな雰囲気を感じる。 
2004年07月04日
五年の梅 乙川優三郎 新潮社 P249 北部図書館蔵書 -73-

 良いですね。哀しいほど優しさが出ています。
2004年07月06日
紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕り物余話 宇江佐真理 文芸春秋 P274 北部図書館蔵書 -74-

 深川芸者の文吉、良いですね。宇江佐さんのもっとも得意とするタイプの女性ですね。魅力的です。
 このシリーズは「幻の声」が1作目で、順番を違えて読んでしまいましたので、ちょっと残念です。
 図書館の本ですから、無いこともあるのでしょうがないですが・・。

 早く図書館に行って次の本を借りたいものです。


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