2004/07読書日記

2004年07月11日
ななつのこ 加納朋子 創元推理文庫 P310 \520 再読

 加納さんの新刊、スペースの「はじめに」にななつのこ・魔法飛行を読んでから・・とのことで、再読しました。
 読み返してみると、北村薫さんの女子大生のシリーズとの類似性が強く感じられ、加納さんの苦しいスタートがよくわかりました。日常の謎ジャンルの最高峰かと思われるあのシリーズにあこがれて「ななつのこ」は書かれたのでしょうね。
 はじめは無我夢中で書いて、思いもよらず鮎川賞という栄誉に輝き、編集者などに励まされながら続編もものにすることができた・・。しかし、自分が文筆で食べていけると思った時に、作家として、このシリーズを書き続けることの怖さを感じたのではないでしょうか。
 北村さんは学生時代から膨大な量の推理小説を読み、推理小説ファンの頂点から作家になったような人であり、その豊富な知識と文学的センスは尋常ではありません。このジャンルの最高峰と言い切ることができます。
 加納さんがこのシリーズを避けて、さらに女性であることや、自分のキャリアを生かした作品を書くように心がけてきたのは当然のことです。
 10年たって、このシリーズを再開する、そこに彼女にとって大きな意味があるのではないでしょうか?
2004年07月11日
魔法飛行 加納朋子 東京創元社 P278 古本 再読

 魔法飛行が見つからなかったため、オークションで購入しましました。
 わがままな作者には困りものです。

 しかし、忘れているもんですね。これなら買い直しても全然無駄とは言えませんね。
 自分の海馬の能力の低さに、駒子ではないですが、がっかりさせられます。
2004年07月20日
スペース 加納朋子 東京創元社 P241 \1,700 -75-

 と、言うわけでやっとたどり着いた「スペース」でした。
 恋愛小説と言った方がいいのでしょうか?
 「スペース」「バック・スペース」の表裏になっています。
 「銀河鉄道の夜」のエピソードは、北村薫さんが紹介していたミステリィになっている「あとがき」のお話と同じなのでしょうか?(「あとがき」を読むために、文庫本を買ったのですが、出版社を間違えたのか普通のあとがきが書かれていてがっかりした思い出があります。)
 
2004年07月20日
屋烏 乙川優三郎 講談社 P232 北部図書館蔵書 -76-

 良いです。安定して良い。流石です。
2004年07月20日
余寒の雪 宇江佐真理 実業之日本社 P268 北部図書館蔵書 -77-

 若干歴史小説風のものが含まれており、作者の苦労がしのばれます。
 以前、宇江佐さんの本は「はずさない」のがすごいと書きましたが、この本はそういう意味でははずそうとしていると感じます。宇江佐さんはこういう本を書きたいのでしょうか?


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