2005/10読書日記

2005年10月20日
似せ者
著者/訳者名 : 松井今朝子/著 
出版社名 : 講談社 (ISBN:4-06-211464-X) 
発行年月 : 2002年08月 
サイズ : 296P 20cm 
価格 : 1,890円(税込) 
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 感じとしては、乙川が「愛」で、宇江佐が「恋」だとしたら、松井は「芸」を描こうとしているのだろう。
彼女の特化した経歴からいけば、当然の方針だと思う。この本ではそれで十分結果が出ている。
しかし、とてもこれだけの人とは思えない。ここからの一段の飛躍に期待したい。
 (芸はゲイではない。自分で思いついて笑っちゃいました)。

 さて、10月も後半を迎え、今年度のマイベストを真剣に考えだしている。
 今年は「機本伸司」「坂木司」「松井今朝子」あたりに出会って、
 機本は最新刊が良ければ文句無くベストであったが、ちょっと残念。
 梨木さんのエッセイは深く感銘を受けた(年末までに2冊とも購入予定です)。
 光原さんの本も心を動かされ、絵本に目を向けだした加納さんとの対比も面白い。
 しかし、「非道・・」に劣らぬ作品なのに直木賞の候補にならなかった「家、家」を
 暫定ベストにしたいと思う。 

2005年10月20日
スモールトーク
著者/訳者名 : 絲山秋子/著 
出版社名 : 二玄社 (ISBN:4-544-04099-X) 
発行年月 : 2005年06月 
サイズ : 145P 19cm 
価格 : 1,260円(税込) 
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 糸山さんが毎月いろいろな車に乗って、その車にちなんだ話を書くいう雑誌の企画をまとめたものらしい。珍しいのは毎月別の話ではなく、続き物になっている点。
 無理があるんだよね。もともと、自動車の話というのが無理がある(いくら高くても、所詮工業製品。そんな立派なもんじゃありません)上に、毎月書くというのが無理。
 めちゃくちゃ薄っぺらな男と女。さらに、好きでない人にはいやになっちゃうような車の描写。
 こんな本を書くと、車も文章を書くこともいやになってしまうだろうに。作家というのもつらいものだ。
 よく自己嫌悪に陥らないものだと思う。

 スモールトークというのは、楽曲の名前らしい(聞いたことない)。
 僕の知っているスモールトークはプログラム言語。昔は読んでもわからないPC雑誌を毎月何冊も買って目を通していた(読んだとはいえない)。今ではみんな知っていると思うが、プログラム言語「C」というものがあり、「C」を扱った雑誌「Cマガジン」とう本がソフトバンクから出ていた(もしかしたら、今でも出ているかもしれない。情報処理資格にCは必須といって良いから)。呉服町の谷嶋屋書店でおとなしそうな青年が「Cマガジンください」といったら、パートらしいおばさんが赤い顔をして「こちらにはありません」と言って追い帰して、別の店員と「Cマガジンですって!!Cマガジンよ〜」と話していた。僕は自分が読んでいるASCIIのすぐそばにある「Cマガジン」をもって行ってやろうかと思ったが、980円もするのでやめた記憶がある。
 そのほかにも、APL(A Program Language)やEIDA(有名な女性の名前)、Logoなど面白い名前の言語があった。日本語のプログラム言語もあったな。なんて名前だっただろう?


2005年10月24日
お神酒徳利
深川駕篭
著者/訳者名 : 山本一力/著 
出版社名 : 祥伝社 (ISBN:4-396-63250-9) 
発行年月 : 2005年07月 
サイズ : 362P 20cm 
価格 : 1,785円(税込) 
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 山本さんはホントに当たりはずれがあります。
 これはスカ。

2005年10月26日
福音の少年 錬金術師の息子
著者/訳者名 : 加地尚武/著 
出版社名 : ぺんぎん書房 (ISBN:4-901978-16-0) 
発行年月 : 2004年01月 
サイズ : 533P 19cm 
価格 : 1,575円(税込)
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 全くコミックの世界ですが、そう思って読めば楽しい。
 このボリュームでこの値段ならば好きな方にはお買い得かも。

 僕は好きな人に入るので良いですが、読者を選びます。
 基本的におたく系の人におすすめ。

 登場人物が「ロードブリティッシュ」(PCゲーム、ウルティマのゲームマスター)、「ビル・ゲイツ」(マイクロソフトの社長、世界一の金持ち)、「スティーブ・ウォズニアック」(アップルの創始者、当初のアップルのプログラマ、天才と呼ぶ人が多い)、「スティーブ・ジョッブス」(アップルの社長、食品業界から「スカリー」という食わせ物をスカウトしてきて、結局自分が追い出され、会社を潰されかけたが、復帰後短期間で優良企業に戻した。彼の経営ヴィジョンはすごい)、「クイック・シルバー」(DOS時代のデータベースソフト)などご存知の名前が多くつかわれていて、もともとこの本が商業目的でなく書かれていたことの尻尾が残っているような気がする。


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