お茶の仕上げ加工・.保管について

順不同っぽいですが、たまれば並び替えるようにします。たぶん・・・。
お茶以外の異物を除去する、異物除去装置導入H17.04.01

.1.お茶の仕上げ加工とはどんなことをやるのでしょうか

2.当店のお茶の保管について

3お茶をお茶屋さんで加工するのはなぜ?

4.火入れ乾燥とはなにをするの?

5お茶の粉を分けるのにはどうしているの

6.仕上の出来るまでは何日ぐらいかかるのでしょうか

7.ほうじ茶の出来るまで



1.お茶の仕上げ加工とはどんなことをやるのでしょうか
@ABC
DEF
一口で言えば、お茶を美味しくすることです。上の写真をご覧ください、@はお茶の原料(荒茶)です。荒茶は農家から買ってきたままのお茶です。きれいに見えますが、ABCDのような物が中に含まれています。
Aは頭柳、茶葉の大きいところです。葉が硬く、味も薄く苦味があります。
Bは粉、茶葉の細かい軽いところです。約10〜15%含まれています。カテキンや、カフェインなどは煎茶と変わりませんが、旨みの成分テアニンなどは余りありません。おすし屋さんで出るお茶は、すしの旨みを引き出し、食中毒を予防するために、このあっさり味の粉茶を使います。
Cはケバですお茶の茎の皮です。カテキン、カフェインが含まれていますので当店では、「茶炭消臭」の原料にしています。
Dが茎です。荒茶のままだと全体量の15%程度含まれています。茎の味は独特の味がありますが、茎を取らないと煎茶の味を損ねます。
A〜Dのような味の薄いところを外した物がEです。しかしそのままでは、まだ渋み苦味がきついため、火入れ乾燥をおこないます。一般に農家で作ったままの荒茶(原料茶)は水分量が7%前後含まれています。お茶の鮮度を保存するのにはこの水分量が最適と言われています。しかし、真空状態で冷蔵庫に入れておかないと加工した物よりも品質の落ちるのが早いです。同時に旨みが充分に引き出せませんので、当店では在庫を見ながら売れた分だけ荒茶を仕上げ加工して、鮮度と品質と旨みを確保しています。その火入れ加工しているのがFです。
ある程度の値段のお茶で渋いとか、すぐに赤く変色してしまったとか、青臭いというお茶は仕上げ加工されていないお茶かもしれません。
7.お茶の仕上方、当店の場合
お茶の仕上方は、各お茶屋さんによってちがいます。当店の仕上方はいわゆる後火で、抜きわけといって頭(大きい葉)や、茎や粉を取ってから
火入れ加工をします。先火仕上げのお店もあります。荒茶に火入れ加工をしてから余分な出物(頭・茎・粉)を取るのが先火仕上げです。また、中火
といって、途中で火入れをして、さらにで物を取ってから再火入れをするお店もあります。おのおの一長一短があります。一般に、火入れ加工は何回も
入れるよりも、1度にいい感じに入れたほうが色や、水色が落ちません。どうしても入れた回数だけ色が落ちてしまいます。先火仕上げは数量をたくさ
ん仕上るには向いています。電気棒取機が取れやすくなるなど仕分けはしやすいです。しかし、どうしても火入れ乾燥してからの仕上げですと、抜き分
や色彩餞別機で棒を取るところなどで湿気を吸って戻ってしまうため、当社では品質を考えて、後から火入れ乾燥をする「後火仕上げ」を採用
しています。
当店の仕上方法・概略・
1・まず冷蔵庫からお茶を出してきます。季節によりますが夏で最低3日、冬場で2日、冷蔵庫より出庫して工場内部の温度と同じになるまでもって行
きます。当店のお茶は、すべて真空窒素ガス封入の木箱に入れて保管しております。まず、真空窒素ガス封入にするのはお茶の葉が参加するのを防
ぐためです。木箱に入れるのは温度変化を出来るだけ緩やかにするためと、光が入らず、そのために色落ちが少ないことです。当店のように真空窒
素ガス封入木箱保管を行なっているお店は少ないです。現在ではダンボール保管が主流で、中には大海といって紙の袋(農家から市場に流れるの
は、この紙の袋の状態。つまり買ったまま冷蔵庫に入れてしまうということ。)のままという、お店もあります。当店ではすべてお茶のため、出来るだけ
品質劣化を防ぐためにすべての荒茶を真空窒素ガス封入を行ないます。
            
冷蔵庫 内部です。  木箱内部です。        窒素パックを開けたところです。
2・総合機という機械でトウシと言う網を使い、お茶を大きさ別に仕分けし、大きい部分ははずします。そして粉、ケバなどの軽い部分をはずします。そ
して電棒(静電気の原理を利用した、電圧をかけて棒を取る機械)や色撰(色彩選別機。棒の色が白っぽいのを利用して、機械の目で一つ一つのお
茶葉を見分け、茎をエアーで吹き飛ばし、仕分けします。

  荒茶です。          トウシの網です。        まわし機の網です。

網を使って、大きさ別に分けたのが下です。

 頭 大きいところ 外します。  細かいところ 煎茶部分      中ぐらい部分  煎茶部分

トウミという機械で、軽いところをはずします。
    
トウミ。 風で軽い部分を取る機械     細かい粉の部分      細かい身の部分です    大きい軽い部分 毛羽      身の部分です

網を通したところの棒を取ります。
    
電棒(静電気棒取り機)    前部に棒が出ています  毛羽交じりの棒が出ます   色撰(色彩選別機)    出てきた棒です。硬い棒です。
   
  色撰 上部 投入口           内部         前部 煎茶部分が出ます    煎茶部分アップ
お茶が重ならないように流します。光を当てて棒を一つ一つ判別します。
3・お茶以外の異物を除去する
これはほかのお茶屋さんではまだ行っておりませんが、当店では異物除去装置を入れています。
これにすべてのお茶をかけることによってお茶に茶葉以外のものが入ることがありません。
お茶の中にくれているお茶以外の異物を吸えて除去することができます。
さらに設定を変えることによって、味を落とす原因となる赤い茎、品質の劣化したお茶などをはずしています。
この機械はまだ導入しているところが少なく、当店では先陣を切って導入しました。
詳細は企業秘密とさせていただきます。
  
当店では煎茶はもちろん茎茶もすべてこの機械にかけ、安全と品質を第一にしています。
4・余分な棒や粉を取って、火入れ加工します。

長い所と、細かい芽先部分では、品簿はいり具合が違うので別々に火入れします。
火入れ後色落ちしないように冷却し、長いところ、目先部分などの仕分けたところを混ぜ合わせて均等にして出来上がりです。


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2.当店のお茶の保管について
当社では、お客様のご要望によって袋詰めの販売をおこなっております。小売店主体の問屋業務のために、一度に出荷する量は、100gで100本単位で出る物がほとんどです。しかし100gにお茶をすべて詰めてしまうと、品質の劣化が起きてしまいます。そのため、当社では、保管するすべてのお茶を、出来るだけ50kgづつ真空パックで箱詰めし、保管しています。お茶は100gつめよりも1kg、1kgよりも10kg、10kgよりも50kgと大きい単位で真空パック詰めにしたほうが、品質の劣化が少ないためです。それは当社実験で確認されています。
よくお客様で、買った後冷蔵庫に保管していると良く聞く事がありますが、当社の冷蔵庫のような大きい冷蔵庫でないと、温度変化の波が大きく、かえって品質が落ちてしまうので気をつけましょう。また、冷蔵庫から出してすぐに袋を開封するとお茶のいい匂いがしますが、それはお茶が湿気を吸っている状態です。常温に戻してから開封してください。
  当社冷蔵庫内部
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3.お茶をお茶屋さんで加工するのはなぜ?
お茶にはいろいろな味の薄いところが含まれていますそれを取り去り、味を濃い物にするためです。又、火入れ乾燥を行い、お茶の余分な水分を飛ばすことにより、お茶の甘味を引き出したり、お客様のお手元に届いてからの品質劣化を防ぎます

4.火入れ乾燥とはなにをするの?
火入れ乾燥とは、文字どうり荒茶から仕上げたものを、乾燥機に入れて乾燥させることです。そのわけは美味しいお茶にすることと、お客様の手元でノ保存状態を浴するためです。
味の面  荒茶の状態ではまだカフェインやタンニンなどが強く、又甘味が出てきていません。それを乾燥させ、昔ながらの製法で火で焙るようにすると、お茶のとげとげしさが消え、甘味が出てきます。高いお茶ほど柔らかい新芽を使うため、低い温度で火入れをし、安いお茶ほど新芽が硬く渋み苦味が強いので、高い温度で入れます。
品質の面 荒茶状態(農家から買ったままのお茶)は水分量が7%前後です。これは当店で、お茶を真空パックにして冷蔵庫で1年分を保管し、鮮度、香り、味を保たせるのには最適な状態ですが、常温に戻して口をあければ、すぐに湿気を吸収し、1日〜2日で品質が落ち始め、1週間もたつと色が変わったのがすぐにわかるぐらいになってしまいます。そのため水分量を4%ぐらいまでに乾燥させ、常温での品落ちを防ぐためにも行います。そのため、お客様の手元に届くお茶は、缶などの容器に入れ、テーブルの上などでも品質が落ちないようになっています。
上から遠赤外線で焙っている状態



5お茶の粉を分けるのにはどうしているの
お茶のから粉を分けるは、「トウミ」という機械を使います。「トウミ」はお茶を少しずつ上から落とし、下から空気を送り重さで分けます。お茶の養分の少ない葉や、皮の部分、埃状の細かい部分は煎茶として売る部分よりも軽いため、風を送ってその飛ばされ方で仕分けします。やはり味の薄い部分は、軽いため風に飛ばされます。そのため粉茶はどうしても味が薄く、コクも旨味も苦味も少ないです。テレビで健康のために粉茶と言ったことがありますが、それを紹介した方は専門でない生化学者のかたでした。同じ量をとった場合の効果は、やはり煎茶(重い葉っぱの部分)の方があります。
向かって右が煎茶の部分。左側が粉茶部分。量は約10分の一。粉の方が色もやや黄色い。

6.仕上の出来るまでは何日ぐらいかかるのでしょうか
通常、お茶を仕上るのには玉翠クラスなど主力商品は2日がかりで500kg〜1000kgほど仕上ます。5月の新茶時期だけは、朝、3時ごろから仕入れを始め、お茶の鑑定をし、5時ごろには契約農家のお茶の仕入れ値段が決まります。それからすぐに仕上げを始め、3時ごろまでに仕上がります。つまり約9時間〜10時間で出来上がります。しかしそれ以外の時期には、2日がかりになります。1日目で総合機のトウシという網で大きいところをはずし、色彩選別機で茎を外します。その茎を外す作業で使う色彩選別機は、お茶を一葉づつ落下させ、一つ一つ機械の目で判別するため、ゆっくりと少量づつ機械にかけないと茎が外れません。つまり時間をかければかけるほど綺麗に美味しく仕上がります。2日目は火入れ乾燥にかかります。火入れ乾燥も、機械を温め、入れ始め安定するのに時間がかかり増す。また機械には少量ずつ投入しないと乾燥がしっかり入らず、火の香がプーンと香るようにはなりません。そのため機械には少量ずつ、火入れを始めたら一気に入れなくてはなりませんそのためどうしても2日がかりになります。また、荒茶のままいつまでも置くと、荒茶は水分が多いため、どうしても味がこもってきたり、色も落ちたり、酸化していきます。そのため新茶時以外では土日や祝日などをみながら1週間2週間先までを考え、仕上工程を考えていきます。(新茶時には土日も祝日もありません)お茶は丁寧に、しかし手早く仕上げ加工しなくては品質が落ちてしまいます。




7.ほうじ茶の出来るまで
ほうじ茶は茶葉を炒る事により出来ます。そうするとお茶の葉は熱によって膨れ上がり、赤いカサカサとした茶葉になります(写真1参照)。お茶の葉は炒る事により、カフェイン・タンニンが蒸発するため、あっさりとした香ばしいお茶になります。水色は赤くなりますが、上級のほうじ茶ほど甘みが出ます。ほうじ茶も他の茶葉と同じで、1茶、2茶、3茶、4茶の順にグレードが下がり、炒っても茶葉が膨らまなくなり、葉の色も下へ行くほど黒っぽくなっていきます。しかも粉や芽の部分が入ってはいけないので、美味しいお茶ではかえって良いほうじ茶にはなりません。
          写真1                       写真2             写真3                 写真4
   

            写真5            写真6                    写真7            写真8
   

まず(写真1)ですが、原料の茶葉と、出来上がったほうじ茶です。原料は他の仕上茶と同じ工程を経て、くきなどを取り去り、火入れ加工しておきます。つまりほうじ茶とは手間が倍かかるお茶です。(写真2)は機械の入り口です。(写真3・4)は上から高温で炒っているところです。白い煙は水蒸気とカフェイン・タンニンが気化したところです。もしここで原料が火入れ加工してないままの物を使用すると、水分をここで余分に蒸発させなくてはなりません。そのため、水分が蒸発するときに熱を奪い茶温が下がってしまいます。すると表面のみ焦げた様になり、色の黒いほうじになってしまいます。またそのようなほうじ茶は甘みが出てこない、香ばしい感じではなくなってしまいます。(写真5・6・7)で出来上がりです。当店では急速に冷却し、色落ち焦げすぎのないようにしています。出来上がったばかりのほうじ茶は100度以上の高温で、軽いために熱を逃がしません。そのためそのままでは火事になることもありますので、すぐに冷まさなくてはなりません。(写真8)出来上がり品です。急須で出してみました。

・良いほうじの見分け方。
1.基本的に大きく膨らんだ茶葉の物が美味しい。
2.茶葉の色が明るい方が甘い。また、その方が水色も明るい。


・ご家庭で出来るほうじ茶
よく頂いたお茶で美味しくないお茶うをほうじ茶にするにはどうすればよいかきかれますので、ポイントをいくつかご紹介します。
1.まずお茶が細かすぎない方が良いです。もし細かいお茶でしたら、網などで細かいところを外してください。細かいところが多いと焦げて燻ってしまいますので、細かいところは粉茶のよううにお使いいただいたほうがよろしいです。
2.お茶が湿気ている場合は、(缶等に入れたまま長期間置いてしまったり、冷蔵庫に入れて湿気させてしまったり・・・。目安は色が黒ずんで明るさがなくなって来たところ。)電子レンジなどで軽く水分を飛ばしましょう。
3.片手なべなどの油を使わないおなべを軽く火にかけ、あったまったところで茶葉を底に軽く広がる程度に入れてください。茶葉は膨らみますので、たくさん入れると炒り方がばらついてしまい美味しく出来ません。なべをゆすりながら、中火ぐらいでゆっくりと煙が出る様に炒ります。茶葉が赤くなり膨らんできたら完成です。.お好みで黄色から赤い色になるまでご自由に作れます。但し、茶葉は熱いのでやけどをしないように。また、火からおろしてから紙などに広げ冷ましてください。そのままですと余熱でどんどんほうじが進んで、中の方から焦げてしまいます。火事になる危険もありますのでお気をつけください。
4.軽く香ばしい煎茶ぐらいで止めたい方は、トースターにホイルをひき、茶葉を広げてお好みで焼く方が簡単です。
3.


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