7.お茶の仕上方、当店の場合 |
お茶の仕上方は、各お茶屋さんによってちがいます。当店の仕上方はいわゆる後火で、抜きわけといって頭(大きい葉)や、茎や粉を取ってから
火入れ加工をします。先火仕上げのお店もあります。荒茶に火入れ加工をしてから余分な出物(頭・茎・粉)を取るのが先火仕上げです。また、中火
といって、途中で火入れをして、さらにで物を取ってから再火入れをするお店もあります。おのおの一長一短があります。一般に、火入れ加工は何回も
入れるよりも、1度にいい感じに入れたほうが色や、水色が落ちません。どうしても入れた回数だけ色が落ちてしまいます。先火仕上げは数量をたくさ
ん仕上るには向いています。電気棒取機が取れやすくなるなど仕分けはしやすいです。しかし、どうしても火入れ乾燥してからの仕上げですと、抜き分
けや色彩餞別機で棒を取るところなどで湿気を吸って戻ってしまうため、当社では品質を考えて、後から火入れ乾燥をする「後火仕上げ」を採用
しています。 |
当店の仕上方法・概略・
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1・まず冷蔵庫からお茶を出してきます。季節によりますが夏で最低3日、冬場で2日、冷蔵庫より出庫して工場内部の温度と同じになるまでもって行
きます。当店のお茶は、すべて真空窒素ガス封入の木箱に入れて保管しております。まず、真空窒素ガス封入にするのはお茶の葉が参加するのを防
ぐためです。木箱に入れるのは温度変化を出来るだけ緩やかにするためと、光が入らず、そのために色落ちが少ないことです。当店のように真空窒
素ガス封入木箱保管を行なっているお店は少ないです。現在ではダンボール保管が主流で、中には大海といって紙の袋(農家から市場に流れるの
は、この紙の袋の状態。つまり買ったまま冷蔵庫に入れてしまうということ。)のままという、お店もあります。当店ではすべてお茶のため、出来るだけ
品質劣化を防ぐためにすべての荒茶を真空窒素ガス封入を行ないます。

冷蔵庫 内部です。 木箱内部です。 窒素パックを開けたところです。 |
2・総合機という機械でトウシと言う網を使い、お茶を大きさ別に仕分けし、大きい部分ははずします。そして粉、ケバなどの軽い部分をはずします。そ
して電棒(静電気の原理を利用した、電圧をかけて棒を取る機械)や色撰(色彩選別機。棒の色が白っぽいのを利用して、機械の目で一つ一つのお
茶葉を見分け、茎をエアーで吹き飛ばし、仕分けします。
  
荒茶です。 トウシの網です。 まわし機の網です。
網を使って、大きさ別に分けたのが下です。
  
頭 大きいところ 外します。 細かいところ 煎茶部分 中ぐらい部分 煎茶部分
トウミという機械で、軽いところをはずします。

トウミ。 風で軽い部分を取る機械 細かい粉の部分 細かい身の部分です 大きい軽い部分 毛羽 身の部分です
網を通したところの棒を取ります。

電棒(静電気棒取り機) 前部に棒が出ています 毛羽交じりの棒が出ます 色撰(色彩選別機) 出てきた棒です。硬い棒です。

色撰 上部 投入口 内部 前部 煎茶部分が出ます 煎茶部分アップ
お茶が重ならないように流します。光を当てて棒を一つ一つ判別します。
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3・お茶以外の異物を除去する
これはほかのお茶屋さんではまだ行っておりませんが、当店では異物除去装置を入れています。
これにすべてのお茶をかけることによってお茶に茶葉以外のものが入ることがありません。
お茶の中にくれているお茶以外の異物を吸えて除去することができます。
さらに設定を変えることによって、味を落とす原因となる赤い茎、品質の劣化したお茶などをはずしています。
この機械はまだ導入しているところが少なく、当店では先陣を切って導入しました。
詳細は企業秘密とさせていただきます。

当店では煎茶はもちろん茎茶もすべてこの機械にかけ、安全と品質を第一にしています。 |
4・余分な棒や粉を取って、火入れ加工します。
長い所と、細かい芽先部分では、品簿はいり具合が違うので別々に火入れします。
火入れ後色落ちしないように冷却し、長いところ、目先部分などの仕分けたところを混ぜ合わせて均等にして出来上がりです。 |