[その二]

井上靖詩碑・長野地区

上の家の交差点に引き返し、左に折れ少し歩て行くと湯ヶ島小学校の校門が見えて

きます。そこの短い坂を上りすぐ右手へ目を向けると、この「井上 靖詩碑」が建って

います。この詩は天城の豊かな自然を読んだ詩として井上靖氏から送られたもので、

昭和56年同校PTAによって碑が設立されたそうです。

当時の小学校は今の天城温泉会館の所にありましたが、校庭で運動をしている子供

達に、洪作達の姿が重なって奥深い想いが巡ってきます。




地球上で一番清らかな広場。

北に向かって整列すると、

遠くに富士が見える。

廻れ右すると天城が見える。

富士は父、天城は母。

父と母が見ている校庭で

ボールを投げる。

誰よりも高く、美しく、

眞直ぐに、天にまで届けと、

ボールを投げる。



(井上靖詩碑−湯ヶ島小学校)




湯ヶ島小学校をさらに国士峠方面へ行くと洪作達が泳いで遊んだ長野川があります。

今は狩野川台風や河川改修のため、当時どの辺が遊び場だったのか分かりません

が、蔵の家からここまで遊びに来た様子がうかがえます。また叔母のさき子と恋人の

中川先生が、洪作と子供達を引き連れよく歩いたところです。




[長野川]




長野川の橋の先は国士峠へと続いています。物語で馬飛ばし(草競馬)を見に行く

時に通った道です。途中日本の棚田百選に選ばれた棚田や、石垣を積んだ古い家

などが並び情緒的な風景を見る事が出来ます。また富士や伸びやかな天城連山も

望めるでしょう。そして国士峠を越え筏場へ下ると、念入りに手入れ栽培されてた

「わさび田」の景色がすばらしい所で、車での帰り道などに是非通って欲しいです。




[国士峠への道]




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