リカールとデジタルパーマとは、どこがどう違うのでしょうか。
一つには、リカールが「パーマ剤を使わずトリートメント(化粧品)でウェーブを作る」ことが挙げられます。
リカールの最大の宣伝ポイントでもあり、画期的でいかにも髪に良いように思われますが、
これについては誤解を招きかねない部分があります。
本来、髪にウェーブを作るしくみとして還元剤(第1剤)は必要不可欠です。
リカールでも還元作用のある薬剤を使用しているのですが、
これが規制緩和等により化粧品に分類されているため、
「パーマ剤を使用しない」「リカールはパーマではない」という宣伝方法が可能になっているのです。
ですが、リカールではこの還元剤に工夫を加え、
髪に優しい成分でウェーブを作るしくみになっていることも事実です。具体的には、リカールにはアルカリ剤が配合されていません。
還元剤に通常含まれるアルカリ剤は、髪を軟化・膨潤させ還元剤の還元力を高める働きをします。ですが、一方でパーマ後も髪内部に残留し髪を傷める原因ともなっている物質です。
リカールでは、このアルカリ剤を配合せず、毛髪を構成するアミノ酸の一種であるリジン(リシン)を主成分とすることで、弱アルカリ・低潤膨を実現しているのです。
しかもリジンは髪内部にアミノ酸としてとどまり、毛髪タンパク質の補修・補強を行うことができるため、髪を補修しながら「トリートメントでカーリングできる」というわけです。
もう一つ、リカールがデジタルパーマと違うのは「低い施術温度のため髪を傷めない」という点です。デジタルパーマ同様、リカールも温度調節可能なヒートロッドを使って髪にウェーブを定着させます。
ですが、デジタルパーマの施術温度が一般的に70度から120度であるのに対して、リカールは40度から50度という低温で施術します。毛髪のタンパク質に過度な変性を起こさせないため、髪がダメージを受けるリスクも低いというわけです。(機械としては50度を超える温度設定も可能なので、低温で施術してもらうことが前提の話ですが。)