サーキット・ラン-DC2R 故郷へ帰る
主に、初心者な視点(^^;からのサーキット走行に関する予備知識やDC2Rの整備等に関するちょっとしたヒントです。勉強したら追加していきます<(_ _)>。
●サーキットな予備知識、ヒント
・整備用手袋 ↑Topへ戻る |
メカニック用のグローブなんかもありますが、意外と使い易いのが「バッティング・グローブ」。店主は街乗り用のドライビンググローブとして使用し、古くなったものを整備用に使っています。革が薄手で指先の感覚などもしっかりあり、かなり細かな作業も行えます。もっと素手に近い感じになるのは、医療用等のラテックス・グローブです。耐油性も結構あり、意外と丈夫なのですが、手に粉とゴム臭がつくのがイマイチな感じです(^^;。 |
・「予備切り」 ↑Topへ戻る |
曲がり始めたいと思うところのちょっと手前で、拳ひとつ分くらい予めステアリングを切ると、グリップの立ち上がりが良くなり、アンダーステアも出にくくなります。レーシングマシンではない「一般車」の場合、タイヤからボディまでの間にかなりの数の「ゴム」が入っているのですが、これに予め荷重をかけて潰しておく事でダイレクト、というか正確な動きをさせようというのが狙いです。 店主はまだまだ修行中ですが、小間物屋号の場合、明らかにアンダーステアが軽減されます。アンダーステアは、出てしまうとなかなか収まらないのでまずは出さない事が大事なのですが、この「予備切り」をする事で、反応遅れに伴う「切り過ぎアンダー」をかなり軽減できると思います。 |
・FFはブレーキで曲がる(?) ↑Topへ戻る |
何だ?、と思われるかもしれませんが、FF車でのコーナリングではブレーキがかなり重要な役割を担います。ブレーキの助けを借りないと曲がれない、と言っても良いかも・・・他の駆動方式の車でサーキットを走った事が無いので比較できないのですが、ブレーキを使ってフロントタイヤの面圧を上げて路面に押し付けてやらないと、FF車はまともに曲がらない、と言って良いと思います。 で、踏み加減ですが、例えばストレートから「第一コーナー」へ入る時、店主の場合は「腰がシートに押し付けられるのをはっきりと感じられる位」で減速し、そこからちょっと緩めてステア、という感じかなぁ、と思います。それ位の勢いでフロントタイヤを路面に押し付けてやらないと、旋回力(ヨー・モーメント)を発生させる事はできない感じです。 コーナリング中や切り返しなど、既にヨーが発生している場合はタイヤの横方向にグリップ力が使われているので、スライドを起こさせる為のきっかけとして弱めのブレーキが使えるのですが(店主は修行中(^^;)、スライド=速い旋回、と考えれば、やっぱりFFはブレーキで曲がる、と言えると思います。 |
・ブレーキを残す、という事 ↑Topへ戻る |
曲がる時にブレーキを残す、言い換えるなら本当に効果のある形でブレーキを残す、って、店主は最近までできていませんでした(今、やっと意識して練習し始めた感じ(^^;)。何ができていなかったか、と言うと、残し方が弱かった=ペダル踏力を抜き過ぎていたんです。速度とコーナーのレイアウトによって変わりますが、中〜高速め(DC2なら3速くらい)のコーナーでアンダーステアを出さずにテールスライドを使って向きを変えたい様な場合、ストレートでのブレーキングが10だとすると、ステアリングの切り始めの時に9か8くらいの感じです。タイトコーナーだと長いブレーキ残しをすると思ったより早く減速してしまうので、9、8くらいで残す時間は短くなります。本当は、車の向きが変わるにつれて段階的に踏力を弱めながらステアリング操作とコーディネートさせるそうなんですが、店主はまだそこまで行けません(^^;。 という事で、切り込みでどうしてもアンダーステアが消えない様な時、思い切って今までよりブレーキを強めに残したままコーナーに入ってみては? で、もしスピンしてしまったら、次回はもう少し弱めに(笑)。 |
・トレッド +2mm、-2mm ↑Topへ戻る |
今までリアに入れていた2mmのスペーサーをフロントに移したら、フロントのグリップが増し、リアのグリップが明らかに落ちました。わずか2mm、されど2mm・・・その操縦性の変化は、正直、かなりの驚きなレベル、でした。 |
・自分より「速い車」 ↑Topへ戻る |
よく、「速い車は勝手に追い越していってくれるから・・・」と言われますが、1年間サーキットを走ってみて、それはどうかなー、と思っています。 例えば同じ位のストレート速度の車どうしの場合、1周1分内外のサーキットでタイム差が数秒だと、ストレートでかわす事はまず無理です。コーナーでもしかり、アウトから抜いていくというのは余程のコーナーリング速度差がなければできません。では、ブレーキングは? インが空いているからと入りかけたところに被せられてヒットした、なんて事は嫌ですから、殆どの場合無理はしてきません。 一つの目安として、自車の後ろにいつの間にか他車がついていて、2周する間に引き離せなかったら、ほぼ間違いなくその車の方が速い(=ラップタイムが短い)です。後ろについて何周か回っている間には、いい加減気が付いてどいてくれないかなー、と思われているかもしれません(笑)。 スポーツ走行や走行会はレースではないのですから「バトルぢゃ!」とか、「おお、見事に抑えてる〜♪」なんて思わずに、安全な所でウィンカーを出す等して意思表示し、道を譲って下さい。 |
・曲がらない車、と思う前に ↑Topへ戻る |
最近(サーキット走行を始めてから1年半)まで、「自車はアンダーステアが強くてかなわん、曲がらん」と思っていました。でも違っていて、「ドライビングがアンダーステア」でした。 確かに、TC2000の最終コーナーや富士ショートのB3コーナーなど、コーナリングの時間が長くある程度の舵角で定常円旋回に近い曲がり方をしている様な場合はその車の基本の操縦特性が出てきて、例えば小間物屋号の場合はニュートラルステアから弱アンダーステア、の様です。 でも、ブレーキングを終えて旋回し、向きを変えてから出口に向かってスロットルを踏む、という一連の流れの中で「(強い)アンダーが出て曲がらないなぁ」と思ったら、簡単に消す方法がありまして、それは「スピードを落とす事」なんです。 ブレーキングを終えて旋回に入ってもアンダーステアが出てなかなか曲がらない時、進入のブレーキ開始点を早くして、落し過ぎかな、と思える位まで車速を落としてから切り込んでみると、すっと旋回してくれます。 何とか今の速度のままアンダーステアを消せないか、スピードを落とすなんて考えられない、という気持ちは理解できるんですが、コーナリングスピードではなく「コーナリング時間」を考えると、ぐっと落としてすっと曲がって早めに加速態勢に移った方が短くなる=タイムは上がると思います。 |
・曲がらない車、と思う前に-その2 ↑Topへ戻る |
コーナー進入でブレーキングし、ステア操作に伴ってリアが流れていい感じで向きが変わり始めるとリアの流れが止まってしまうのでステアリングを切り直して曲がらなきゃならない・・・と思っていたんですが、実はリアが流れて暫くするとフロントが流れ始める為、いわゆる「4輪ドリフト」状態になっているのだ、と気が付きました。 走っている所を外から録ってもらって、スローで再生してみたらよくわかりました。 これは、進入速度を抑えれば解消されます。 |
・ウェットコンディションウェットコンディションを走った経験は1回しかないのですが(^^;、まず言えるのは「思ったより楽しく走れた」という事です。その中で体験できた事、アドバイスされた事を幾つか。
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・Sタイヤの寿命 ↑Topへ戻る |
サーキットにおける磨耗面での実使用の目安ですが、基本的にはトレッドの溝が消えてくる辺りが限界だと思います。無理して使うとトレッド剥離〜バーストにつながります。また、これ位になるとトレッドのゴム量が少なくなって温度が上がり易くなり、グリップもかなり落ちていると思います。 もちろん、移動で公道を走る場合はスリップサインが出たものは使用不可です(^^;。 あと、特にFFのリアタイヤは減りにくいのですが、例えトレッドが残っていても、2年近くを経過するとコンパウンドが硬化してグリップは落ち、発熱もしにくく、例え発熱してもグリップは低下します。時間的な面でのSタイヤの寿命の目安は1年ほどの様です。 |
・ギアセレクト ↑Topへ戻る |
例えば、3速では上限ぎりぎり、4速ではパワーバンドから落ちてしまう様なコーナーの場合、基本的には低いギア(この場合は3速)を選んだ方が良いと思います。 何かあって咄嗟にパワーを掛けたい様な場合(リアがスライドしてカウンター〜パワーオンで修正したい、等)、高いギアではタイヤにトルクがかからず、クルマの反応が鈍くなります。 また、低いギアでトルクを掛けておく方がトラクション、姿勢共に安定します。 DC2+TC2000の最終コーナーがこれに当りますが、進入と脱出で速度が変わる(落ちる)ので、入る時は4速、途中で3速へシフトダウンしてパワーバンドに入れて立ち上がると安定し、また4速のままよりストレートでの速度が高くなる様です。 |
・速いクルマはアンダーステア? ↑Topへ戻る |
クルマは基本的にアンダーステアに仕立てて、それを曲げる事で、結果、速く走れる様になるみたいです。 それは簡単には、アンダーステア=リアが流れない=曲げる事さえできればより早い段階からパワーがかけられる、という事と、アンダーステア=リアが流れない=流れた時にパワーオンで流れを止められる=安全に旋回速度を上げられる、という事の様です。 |
・リアブレーキパッド交換-ブレーキホースブラケットを外す ↑Topへ戻る | ||
リアブレーキパッドを交換する際に、ブレーキホースのブラケット止めネジ(ロア・サスペンションアームの裏側にあります。HEX12mm)を外すとキャリパーASSYを取り外すのが楽になります。ってか、マニュアルには記載されていないんですが、このネジを外さないとキャリパーASSYがパッドを交換できる位置まで動いてこない(^^;。
・リアブレーキパッド交換-キャリパープロテクターの加工 ↑Topへ戻る
| 同じくリアブレーキパッドを交換する際に「キャリパープロテクター」という黒いカバーを外すんですが、これに2個あるネジの内、向こう側にある1個は、直接見えない事と工具を入れにくい事から、作業効率を落とすかなり大きな要因になっています。店主、何回か作業していい加減嫌になったんで(笑)、そのネジが入るキャリパープロテクター側の穴の下側を切ってしまいました。こうしておくと、このネジを外さなくてもちょっと緩めるだけでプロテクターを脱着できます(^^)。
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・セッティング(今まで体感できた事) ↑Topへ戻る | ||||||
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・タイヤラック ↑Topへ戻る | ||||
店主はサーキット走行時にはSタイヤを持っていって現地で履きかえるのですが、このタイヤの積載がなかなか思う様に決まらない・・・リアシートを外した後にタイダウンベルトで止めるのですが、なかなかぴしっと止まってくれず、最初は良くても走り出して暫く経つとぐらぐらと動きだしたりして、精神衛生上、良くありません(笑)。 で、タイヤを載せるラックを作りました。
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・フロントブレーキ遮熱板外し ↑Topへ戻る | ||
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・ウィンドウウォッシャー液 ↑Topへ戻る |
ウィンドウウォッシャー液のタンクは、かなりの割合でエンジンルーム内にあり、場合によってはフェンダー内前端などのフロントオーバーハング部分にあったりします。これの量を必要最低限に絞る事で、数kgのフロント重量低減になります。 |
・フロント ホイールハウスのエッジ折り ↑Topへ戻る | |
DC2のフロントホイールハウスの中央部には、画像上段の様な「エッジ」が通っています。インナーフェンダーの幅方向で中ほどに、ぐるっと通っている盛り上がった部分がこのエッジを覆っていますが、車高を落とした場合、深くストロークするとかなりの確率でこの盛り上がりにタイヤが当り、場合によっては中のエッジでタイヤが切れてしまいます。これを防ぐ為に、このエッジを叩いて倒しておきます。 叩くのは大き目のハンマーで大丈夫ですが、予めモンキーレンチやプライヤー等で、倒したい方に少し曲げておくと作業が楽になります。店主が作業した範囲では、溶接部が剥がれてしまう様な事も無くきれいに倒す事ができました。あと、サスペンションのセット状態との兼ね合いもあると思いますが、画像下段の様にアッパーアームのジョイント部を切り離しておくと、ハンマーを入れるスペースができて作業効率が上がります。 叩いた後はペイント等で防錆処理をしっかり行っておきます。店主はこの後、ジンクコートスプレーで2回塗りしました。 |
・2年と4箇月、サーキットを走って・・・メンテナンス、トラブル、修理(^^; ↑Topへ戻る |
-富士ショート、TC2000、TC1000、あわせて36回走りました -フロントタイヤは多分6セット目くらい、リアタイヤをは3セット目です -フロントブレーキパッドは多分8セット目、リアブレーキパッドは3セット目です -フロントブレーキローターは多分5セット目、リアブレーキローターは2セット目です -エンジンオイルは15回くらい、トランスミッションオイルは、メカニカルLSDを入れる前に2年で3回くらい、入れてからは4回交換しました -ブレーキフルードは3回、全交換しました -スポーツクーラントは1回、全交換しました -右ドライブシャフトを2回、左ドライブシャフトを1回交換しました -右フロントハブベアリングを1回、右リアハブベアリングを1回交換しました -下側のエンジンマウント3点を1回、足回りのブッシュ全てを1回、タイミングベルトを1回、それぞれ交換しましたが、これは時間が経って寿命が来ていたから、或いは予防メンテナンスという面もあります -純正エキマニのブラケットが2回折れて溶接補修しました -フロントホイールを1本、壊しました(^^; 幸い、エンジンが壊れたり板金修理が必要だったり、というケースは無かったのですが、結構色々とやっていますね(笑)。 |
・ブレーキパッドにクラック ↑Topへ戻る | |
小間物屋号のブレーキパッドは ENDLESS CC-R ですが、これにクラックが入ってしまいました。 製造元であるENDLESSに問い合わせたところ、 ・恐らくブレーキ自体が容量不足になっているのではないか(この時点では純正キャリパーに純正サイズローター) ・ブレーキパッド自体もかなり高温になっているように見受けられる ・DC2/98のフロントブレーキパッドは横に長いため、温度上昇と収縮を繰り返すうちに、純正でもひび割れが発生する事例があった。この事も原因の一つかと思われる との事でした。で、今回のひび割れはこれまでの事例と比較してもかなり深い様に見受けられるので現物を見たい、との事で、パッドを送る事になりました。 CC-Rは都合5セットくらい使っていますが、今までもパッドが脆くなったり、バックプレートの穴に入っている摩擦材がころんと取れて落ちたりして、残量半分位までしか使えていません。 サーキットで使う場合、想像以上に負荷がかかっている事、この様なクラックやパッドが脆くなっている様な現象は外から見ただけではわかりにくい事から、都度、外して点検した方が良さそうです。 |
・オイル関連部位のワイヤーロック ↑Topへ戻る | |
サーキットを走るにあたり、「オイル系」にはワイヤーロックをかけておくのが望ましいです。小間物屋号は、 -エンジンオイルのドレンボルト -エンジンオイルフィルター -トランスミッションオイルのドレンボルト -オイルフィラーキャップ -ディップスティック にワイヤーロックをかけています。 エンジンオイルは、走る枠毎にオイル量のチェックと注ぎ足しを行うので、フィラーキャップとディップスティックにはネジやピンを使って、切らずに繰り返し使える様にしています。 もちろん、オイル系のこれだけの部分ではレーシングマシン等の、至る所をしっかりロック、には及びませんが、オイルをどぼどぼと撒いて他のドライバーに迷惑をかけたり危険な目に遭わせる事だけは防げるかな、と思います。 ワイヤーロックをしない場合は、せめて走り始める各回の前に、面倒でもこれらの部位の締め付けを都度確認すべきだと思います。 「自分のクルマは大丈夫だろう・・・」と走り始めたと思しきクルマ(正確には、ドライバー、ですね)が撒いたオイルがレコードライン上に1周続いている、なんて事は、なかなか無さそうで実際には結構頻繁にあり、これは非常な迷惑になります。 尚、コース上にオイルを流した車両とそのドライバーはチェックされて、何回か繰り返すと走行禁止になったり走行ライセンスを停止されたりする様です。 |
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