小間物屋号のこれまでのブレーキシステムは、キャリパーは純正DC2R用、ブレーキローターは純正と同じ大きさでスリット入り(DIXCEL SD)、パッドがENDLESS CC-Rを街乗り、サーキット共に使ってきました。ブレーキの効き自体は、富士ショートとTC2000を走る範囲では店主の脚力では思いっきり踏んで丁度良い位、更に前後のバランスも良かったので、ブレーキの容量はそのままで、効きの安定化と冷却性改善の為にブレーキ遮熱板を外したり、ブレーキエアダクトをひいてみたりと対策してきて効果も出ているんですが、それでもフロントのCC-Rが残量半分くらいになると熱劣化(?)によって脆くなって崩れてしまったり、クラックが入ったり、部分的に剥離したり、で交換せざるを得なくなっていました。
で、この為に2〜2.5万円前後のパッドをサーキット5時間走行毎位に消費している様な状態で、「ブレーキのランニングコスト」が膨らんできてしまった為、ブレーキシステムの温度をもっと下げてパッド寿命を延ばし、更にアタックラップで5分ぶん位から徐々に怪しくなってくるペダルフィールも改善したくて、その為には容量アップするしかないか、という事で、遊子郎さんのアコード EuroRブレーキシステム流用や他のWEB上の流用・共用情報等を参考にし、NSX(NA2=後期型)のキャリパーとアコードEuroR(CL1)のローター流用、で容量アップをはかる事にしました。
---> ここに至るまでの検討経過
NSX(NA2)キャリパーですが、ノーマルNA2用の金色のキャリパーとTypeR用の黒色のキャリパーがあります。TypeR用はピストンの材質等が異なるらしいんですが、純正部品価格は同じな様です。今回はノーマルNA2用キャリパーを使用します。
EuroR(CL1)ローターですが、DC2R(98スペック)に「確実に」無加工のボルトオンで組み付けられる事が実地で判明しているのはプロジェクト・ミューのCL1用ローター(今回はSCR Pure Plus6 を使用)です。純正のCL1ローターも大丈夫そうですが、web上には問題なく取り付いた、との記事がありましたが、実地での確認はできていません。
2008年12月30日追記-ディスクローターのマッチング確認
Dixcel SDのCL1/EuroR用が問題なく取り付きました。これから推すと、純正を含めてCL1/EuroR用となっているディスクなら取り付けられるのではないかと思います。
DC2R(98スペック)純正ブレーキシステムと、今回取り付けたものとの対比は、
・項目 | ・DC2R/98スペック純正 | ・ハイブリッド300mm(笑) | ・参考-無限アクティブゲート |
ローター径 | 282mm | 300mm | 300mm |
ローター厚 | 23mm | 28mm | 25mm |
ローター重量 | 約6kg/枚 | プロジェクト・ミューで7.7kg/枚 | DC2(98)より350〜600グラム/枚くらい軽いらしい(驚) |
キャリパー形式 | 57.2mm 片押しシングルピストン | 40mm-33.5mm 片押し2ピストン | 54.0mm 片押しシングルピストン |
キャリパー重量 | 約5.2kg | 約5.3kg | DC2(98)より軽そう |
パッド面積 | 58cm2 | 58cm2 | 42cm2 |
ボルトオン、とは言っても、基本的な部分に加工が要らないものの、幾つか注意、準備しなければならない事もあります。
・ブレーキホースの取り回し
ブレーキホースのキャリパー側接続位置がかなり下がって更に車両前側に移動するので、そのままDC2Rのブレーキホースを使うとナックル側のブラケットが元の取り付けネジ穴に届きません。対策として今回は、25mmほどのスペーサー(右の画像で矢印で指されている部品、4個必要)とその分長いM6ボルトを使ってブラケット取り付け位置を「前進」させました。また、これによってナックル側ブラケット-ダンパー下側ブラケット間が少し張り気味になりますが、小間物屋号でフルステアさせた範囲では、ホースが引っ張られて力を受ける、等の不都合は無いみたいです(車高、サスペンションのストロークによっては影響が出るかもしれません)。これでとりあえずの取り回しはOKとなりますが、パッド交換時にキャリパーの取り付けボルト1本を外し跳ね上げてパッドにアクセスするには、今回スペーサーを入れたボルト2本を取り外す必要があります(恒久的には適合するブレーキホースを探すか、長いものをオーダーで作ってもらうのがベストかと思います)。
・キャリパーブラケットとローター厚みのセンター合わせ
DC2RにNA2キャリパー+CL1ローターを組むと、ブレーキブラケットのローターを抱える部分とローターの中心が1mmほどずれます(=キャリパーブラケットが内、ローターが外にずれた状態になります)。冷間でジャッキアップしてフリーになっている状態では干渉していないのですが、ブラケットとローターのクリアランスが片側3mmくらいしかない中で寄っている事、高温/高速下で大きな力を受けるとどの様な状態になるかわからない事から、両者のセンターはできるだけきちんと合わせておいた方が良いと思います。位置合わせには、厚さ0.5mmのブレーキキャリパーの位置合わせ専用のワッシャ(シム)をブラケットとナックルの間に挟みます。このシムは熱膨張を抑える等の工夫がしてあるものの様で、レーシングブレーキシステムを扱っているショップやメーカーなら持っていると思います。
・遮熱板加工
小間物屋号はブレーキ遮熱板を外しているので考えなくても良かったのですが、遮熱板がある場合は、キャリパーやローターが干渉する部分の加工が必要です(金切り鋏による切り取りや曲げての逃がし、など)。
その他、ショートパーツやフルードも必要になります。
取り付けは、ブレーキ回りをばらして組み直す場合と同じで、各部を組んでいきます。
組付け後にエア抜きをして走り出してみると、何となくペダルフィールがソリッドになった様な感じが・・・でも、当たり出しやトランスファーフィルム生成ができていない為かもしれませんが、同じ効きを得るには踏力がちょっと余計に必要な様です。
パッドの当たりは、外側はローター外縁から1mmほど、内側は10mm近く当らない部分が残っています(=ローター面の方が幅が広い)。
あとは、主目的であるサーキットでの性能安定具合とパッドの磨耗度合いがどれ位まで変化するか・・・ペダルフィールとブレーキパッド寿命がどこまで改善されるか、期待大、です(^^)。
サーキットにて
FSWショートサーキットを走りました。レイアウトはストレートが一番長くなる「A2」で、これはかなり強烈な下り勾配のストレートからDC2Rでは4速→2速へ急減速する1コーナー、とブレーキには結構厳しい条件です。1ヒート15分、インターバル45分で次の15分、で3本走りましたが、ペダルフィール、ペダルストローク共、15分の走行の中では殆ど変化せず、純正キャリパー+282mmディスクローターに対して大きく改善されました。クールダウンラップは、途中に2〜3ラップを1〜2回入れています。
また、心配していた制動力自体も問題なく、温まったSタイヤ(ADVAN A050 225/45-16 Mコンパウンド)をロックに持ち込む事もできます。むしろソリッドさが保たれる為か、今までの感覚で踏むと効き過ぎる様にも感じる事もありました。
ペダルを半ばリリースした状態でのコントロール性は純正キャリパーに対して大きく変わった様には感じませんでしたが、これは店主のレベルに起因するのかもしれません(^^;。尚、ローター重量増のデメリットは体感できませんでした。
結論として、タイム短縮には直接つながらないかもしれませんが、ブレーキ容量を増して安全性と安定度を上げるという面からはお勧めです。あと、ローターとパッドの寿命については経過観察します。
16インチホイールとのマッチング
手元にある16インチホイール、RAYS CE28(左)と純正ホイールを組んでみました。共に干渉等なく取り付ける事ができますが、径方向(リム内側との隙間)、出入り(スポーク内側との隙間)方向とも、純正ホイールの方がクリアランスが小さくなります。
純正ホイールの径方向は、リム内側との隙間が10mmを切っている感じです。スポークとの隙間は20mm以上ありそうです。CE28は、リム内側との隙間は15〜20mmくらい、またスポークが外に逃げている為、スポークとの隙間はかなり余裕があります。
2008年5月11日-NA2 TypeR キャリパー
諸事情から、NA2 TypeR用キャリパーに変更しました。
色が黒になり、かなり地味目に(^^;
ローターが何となく大きく、放熱フィンがあり、パッド押さえの爪が3本になっていて、良く見ると「NSX」の鋳込み文字がある・・・外観は、玄人好み(?)の差異になりました(笑)。
2009年6月6日-NA2キャリパー オーバーホール
ダストシールは使い出して短時間で熱によるダメージを受け始めたのは承知していたんですが、これが進んだのか右側に引きずり(=ピストンが戻らない)の兆候が出てきた事、サーキット走行を含んだ1年間でどんな状態になっているのか確認したい事、から、分解して各ゴム部品交換のオーバーホールを行いました。
ディーラーに確認したところ、各ゴム部品は単体では出ず、キャリパー周りの一式のキットでないと出ないとの事で、それを2組購入。ピストンシール、ダストブーツ(ピストン、スライドピン)、ブレーキボルトシール、グリス3種、で、3,500円/セット=1台分で7,000円・・・結構高価です(^^;
ダストブーツを外してみると、思った以上に多く、熱で穴があいています、と言うか、殆ど切れかかっています。
ただ、シール部は、ピストン側に引っ掛かっている部分(ピストンについて動いてブーツを伸縮させる)とキャリパー側に引っ掛かっている部分(ダストブーツを保持しつつ、ピストン外側についたゴミがピストンシールに達するのを防ぐ)の2箇所があり、この様な状態でもキャリパー側がダストの「掻き落とし」に効いていたのか、ピストンシールやピストン、キャリパーにダメージはありませんでした。
参考・・・ブレーキ容量アップの検討経過
1) 無限 アクティブゲート・ブレーキシステム
キャリパー : S2000(AP1)流用らしい片持ちシングルピストン + ローター径 : 300mm(専用品)
最も確実で安心(サーキットで使用して問題なしとの記述、報告があり、店主弟氏も実際にサーキットで使用して問題なし、との事)なんですが、ローターの磨耗が早い様です。で、このローターがセットで4万円・・・通常の社外品や純正ローターの実売価格の2〜2.5倍くらいで、ブレーキパッドの寿命が延びる(であろう)分を相殺してしまいそうです(^^;。流用できる純正品、ないしは社外品のローターも無い様で、断念。
因みに、キャリパー(ピストン径)とパッド面積はDC2R(98スペック)より小さくなりますが、ローターの大径化(+18mm)と(多分)材質の吟味等で総合性能を向上させている様です。
2) S2000(AP1)のブレーキシステム
キャリパー : 片持ちシングルピストン + ローター径 : 300mm
キャリパーはボルトオンできますが、寸法取りの結果からは、ローターのオフセットが合わない(ローターが6mmくらい外側に出てくる=キャリパーをブラケットごと外側にオフセットさせる必要がある)事と、ベルハット部(ハブへの取り付け部分)の内径がDC2/98スペックより少しだけ小さく、無加工では取り付けられない様で、断念。
容量的には、上記の無限アクティブゲート・ブレーキシステムと同等である事、DC2Rより重量のあるEP3/シビックTypeRも同サイズのキャリパー、ローターを使っている事から大丈夫そうで、またローターも25mm厚で重量増も少なく、魅力的だったんですが(EP3のキャリパーは、AP1より各部の肉が厚く、剛性が高められている様です。その他にもAP1用との違いがあるかもしれません)。
3) アコードEuroR、だけど、CL7の純正ローター
ショップにあったので試しに組んでみましたが、CL1用に対してハブへの取り付け部のセンターの穴径が小さい(CL1=70mm、CL7=64mm)事と、ベルハット部の内側の取り付け面側に、なぜか一段、内径が小さくなる段差があって、取り付け面の数mm手前で止まってしまい「浮いた」状態になる為、無加工では取り付けらません。このCL7ローター、ぱっと合わせてみた感じではすとんと収まり、「お、いけるかも」と思えてしまうんですが、上記2箇所の径が小さい事から取り付け面に接触せず、数mm浮いた状態になっています。そのつもりで見ないと見落とすかもしれず、要注意です。
4) アコードEuroR(CL1)のキャリパー
ブレーキパッドを新たに用意しなければならない事、Yahoo!オークションにたまたま出物がなかった事などから、NA2キャリパーに・・・(^^;。
キャリパーの容量自体は、DC2(98)、NA2より大きい様です。
5) その他
社外品の対向ピストンキャリパー、大径ブレーキシステム等は初期投資とランニングコストの両予算面から選択肢に入れられずorz。
ブレーキキャリパーを交換やオーバーホール等する際に、ブレーキホースを外すとコネクタ(バンジョーコネクタ)からだらだらとブレーキフルードが流れ落ちっ放しになってしまいます。で、作業中はこの部分へ「栓」をしたいのですが、適当なものがありませんでした。
という事で、こんなものを簡単に作って使用♪
DC2R用ホースの場合、材料は、
- M6 X L30のボルト 1本
- M6用平ワッシャ 2枚
- M6用ナット 1個
- 外径10mm X 内径6mmのシリコンホース X 長さ20mmくらい 1本
M6ボルトに予めシリコンホースを通しておいて、バンジョーコネクタに差し込んだら反対側から平ワッシャ、ナットを入れて手で締め込んでやると、シリコンホースが縮められて外側に膨らみ、内キャップ(栓)になってくれます(^^)。
尚、ブレーキ配管まわりはゴミや埃に要注意、なので、各部品は都度パーツクリーナーで洗浄して使用しました。
以前から良さそうだと思っていた、Yahoo!オークションに出品されているカナードを取り付けました。
表はカーボン目、裏側はマット状のガラスクロス(黒色ゲル仕上げ?)です。店主は表のカーボン柄側にクリア塗装を行いました。
このカナードはDC2の純正バンパー専用という事で、バンパーにフィットする様、取り付け部分(カナード側取り付け穴明け済み)を含めて成型されています。この為、後からステーやブラケットを準備する事無く、またバンパー側への予めの穴あけなしで直接、タッピングビスで取り付く、となっています。
個人的にはバンパー材質がPP(?)で非常に軟らかい為、タッピングビスでは不安があり、バンパーに合わせた後に穴あけ〜M4ボルト-ナットで固定しました(片側7本で取り付け)。また、純正バンパーは基本的に後付けからの空力的付加物によるダウンフォースを受け止める事を前提として設計されていない為、カナードを取り付けた場合はバンパーの取り付け部を補強した方が良い様です。これをやらずに、高速で走行中にバンパーが落ちた例もあるそうです(^^;。
とりあえず、DC2R(EG/EK系のシビック等も同じ?)ではタッピングビス+締め込みで自己展開する樹脂ブッシュ、で止まっているバンパー端(画像で丸く囲んだ部分の内側の止め点)を、上下に大径ワッシャをかませてM6ボルト+ナットでの固定、に変更しました。
画像ではかなり張り出した感じになっていますが、一応、全長、全幅を変える事無く取り付いています。また、前縁と横の端面には軟質樹脂製のドアエッジモールを取り付けました。
カナードはウィング他のエアロパーツやボンネットピン(フラット・タイプを除く)、牽引ループ等と同様に法規的にはグレーゾーンに入っているとの事で、周囲では今のところ、車検で不合格になった、という人はいませんが、通るかどうかは現物で陸事に確認する方が良いと思います。
カナードの保安基準適合について---以下は個人的に調べてみた結果で、公的機関、識者に公式に問合せ・回答を得た物ではありません
なので、もし参考にして何かを行った結果どこかからお咎めを受けたりしても責任は持てませんので、ご自身の責任で判断をお願いします<(_ _)>
カナード等の車両前部に取り付ける板状のエアロパーツは、取り付けた事によって全長・全幅・全高が変わっていない事に加え、外縁部が以下の条件を満たせば保安基準に適合する様です。
1) 硬度がHs60以下である事・・・目安として、消しゴム位の硬さ(=軟らかさ)である事
2) またはR2.5以上で丸められている事・・・目安として、厚さ5mm以上で外縁部が丸く処理されていれば、R2.5以上と見なされる(らしい)
小間物屋号のカナード外縁のドアエッジモールは取り付け状態での厚さが前端から後端までの間10点程を実測して5.5〜6.3mmで、外縁は丸くなっているので、上記2)を満たしている事になると思います。
富士スピードウェイ・ショートコースを走ってみました。
ストレートが短くなるレイアウトで、第1コーナー進入時にはメーター読みで140km/h、コーナーのアペックスで110km/h位で、フロントタイヤサイズを225/45-16にしている為、恐らく実速もそれに近いと思います。ここでカナードなしの状態に比べて、フロントが少し安定すると言うか、ノーズの入りが良くなってフロントタイヤのグリップ感が増した様に思いました。あと、以前はリアが僅かにスライドする位では、乗車状態ではそれを殆ど感じなかった(外から撮ったビデオではわかる位)ものが、感じられる様になりました。これがカナードだけの効果なのかはわかりませんが、他の(より低速な)コーナーでは以前との違いを感じられなかった事から、効いているのかな、と思いました。
TC2000では、ダンロップアーチ下〜第2ヘアピンまで、と最終コーナーの、2つの高速コーナーでフロントの接地感が向上し、また4-3-2速と落しながら入る1コーナー、第1ヘアピン、第2ヘアピンの初期の回頭性が向上した様に思えました。最高速度(最終コーナーまで100mの表示板辺りでの速度)は公式計測で150km/h前後で、カナード無しの過去の同じ気候の頃と変わりませんでした。
走りの師匠によるメニュー「今後のタイムアップの為に」のその1に挙がっている、「車を速くする」へ向けて、SPOON SPORTS ECU+ビッグスロットルを組んでみました。
ECUは、これまで何回か借用したMine's VX ROMが好感触だったのですが、VTECハイカム側への切り替え回転数を純正設定から変えられない(=ショップに問い合わせてもらったのですが、「変えたくない」らしい・・・伝えた希望は、純正マイナス500回転前後)為、残念ながら検討対象から外しました。SPOON SPORTSのものは、切り替え回転数が500回転くらい下げられているとの事です。
ECUの取り付けは、一発お釈迦となる静電気に注意しながら10分ほどで終了。
ビッグスロットルは、入り口径70mm(純正67mm)からバタフライ径65mm(純正62mm)まで大きくなっています。取り付け自体は、インテークパイプを先に外し、温水配管の処理(外した後に仮のメクラ栓をしてクーラントがだらだらと流れない様にする)をしておけばそれ程難しい作業ではないと思います。スロットルボディの上についている負圧センサ(?)は付属していないので、元々着いていた物を移植します。このセンサ用のOリングと、あとスロットルボディ-インテークマニホールド間のガスケットは付属していて、準備しておく必要はありません。
。
で、ビッグスロットルのバタフライから後のボアが65mmに対してインテークマニホールド側取り付け部のボアが実測64.5mmで、寸法上は僅かながら段差ができて口径が絞られてしまいます。 この為、インテークマニホールド側の穴拡大加工が推奨されていますが、この加工とその為にインテークマニホールドを取り外す作業がかなり大掛かりになる為、今回は加工なしで組みました。
その代わり(?)、組付け時にはバタフライを開けてインテークマニホールド側との段差を指先で触って確認し、お互いの穴がずれて一部に大きな段差ができたりしないで全周が同じ感じになる様に位置決めしました。間に挟むパッキンも同じ様に、流路にはみ出てこない様に位置決めします。
純正のインテークマニホールド側の穴は機械加工が入って面取りもされており、段差といっても鋳肌にエッジが立つ様な粗いものにはなりません。
尚、SPOONへ問い合わせたところ、この段差がある場合ピークパワーが2〜3ps落ちるそうです。
画像は、インテークパイプ側から撮ったものです。右が8万キロを経たノーマルスロットルですが、オイルの付着が凄い。拭いてみた時のウェスの汚れ具合から、インテークマニホールド内も同じ様な状態だと思われます。
感想@街乗りで3,000rpmくらいまで、ですが、
- 何となくトルクが出ている様な感じがします(発進が楽になったみたい)
- 何故かアイドリングが100rpmくらい高くなった様な気がします
トップエンドの感触は、サーキットで確認してきます。
2008年12月20日-サーキットにて
富士スピードウェイを走ってきました。
VTEC切り替えポイントが5,100rpm辺りに下がった事で、どん、とハイカム側に切り替わる感じは殆ど無くなり、何となくスムーズにトップエンドまで回る感じになりました。ただ、新しい切り替えポイントから本来の切り替えポイント辺りまでの間でも明らかにトルクは上がってクルマが前に進むのは感じ取れるので、ギア比が合わずにローカム側で耐える様な時間が少し短くなりました。 また、純正ECUでは8,000rpmを超えた辺りから少し伸びが鈍ってくるのですが、9,000rpm位まですっと回る様になりました。但しエンジン本体、動弁系がノーマルのなのであまり回す事は控えました。
あとレーシングコースを初めて走ったのですが、HKS/サーキットアタックカウンターのスピードメーター(ECUの車速信号を拾っている)で、一番速かったトップスピードは211km/h、でした・・・最終コーナーの立上り次第(すごくダメか結構ダメか(笑))で5km/hくらい変わってしまいますが(^^;。
この時の4速→5速へのシフトアップのポイントは、コントロールラインの100mくらい手前だと思います。
また、ショートサーキットも走ったのですが(1コーナーのレイアウトはA-1)、トップスピードは133km/hで、純正ECU+純正スロットルボディに対して5km/hくらい高いと思います(純正ECUでは130km/hを超えなかった様に記憶しています)。
2009年10月11日 - インテークマニホールド側 吸気口拡大
エンジンをオーバーホールの為に下ろした際に、インテークマニホールド側吸気口径を拡大しました。
事前にSPOONに聞いたところでは、同径、同心である必要は無く、インテークマニホールド側がスロットル側より大きければ何でもOK、との事でした。
また、この段差がある事により、ピークパワーが2〜3ps下がるとの事です。
ビッグスロットルの内径が65mmなので、エアコレクター側に67mmの円を描き、まずは大雑把にリューターで削ります。
DC2 TypeR用B18Cの場合、吸気口に向かって左側部にアイドリング用のエアバイパスバルブが付いていますが、この辺りが、吸気口から少し入った辺りで、吸気経路の内側に張り出している為、エアの通路とアルミの肉厚を確認し、正面から見た時に67mmの吸気口に掛からない様、張り出した部分を削り取りました。
多分、リューターで削ったそのままの地肌でも内径が大きくなっていれば大丈夫で性能も出そうに思えたのですが、折角なので、ある程度滑らかになるまでペーパーで均してみました。
リューターでの加工痕は消えきっていませんが、ここまでで妥協しました(笑)
「車を速くする」その2、として、戸田レーシング 4-2-1エキゾーストマニフォールドを組みました。
候補は無限と戸田レーシングで検討したのですが、4-1は高回転域が良いと聞いているものの、無限4-1は純正に対して地上高がかなり下がるらしいとの事で除外(戸田レーシングのB18Cを含む4気筒用には現在、4-1の設定はありません)。では4-2-1、でと考えて、何となく造型がかっこ良かった(^^ゞ戸田レーシングに。同社のサイトに、同社製4-1に対してピークパワーは1.5%ほど低下するが4,500rpm近辺のトルクは15%増える、と書かれているのも潔いです(笑)。
取り付ける前のお約束(?)として、クルマの冷間時にエキマニとカバー(上半分)の固定ボルト、エキマニ-触媒のバインダーボルト、O2センサのねじ込み部にCRC 5-56をスプレーして一晩置き、浸透させました。これの効果は侮れません。昨日緩まなかったネジを緩める事ができた、という経験を何回もしています。
受け取った現物は、サイトの写真で見ていたイメージのまま、きれいな造りです。要所々々に、多分実績に基く補強が入っているのもいい感じです。
できれはこのまま使いたいのですが、遮熱バンデージを巻きます。
遮熱バンデージについては要否と効果に賛否両論ありますが、エキマニ周辺には樹脂やゴム部品があり、更にオイルパンの直近を通っている事から、少しでも放熱を減らせれば、と考えました。
細かなガラス繊維が激しく出るとの事で、合羽を着てフードをかぶり、水仕事用手袋をはめ、更にマスクをし、バンデージには水を含ませながら作業しますが、それでも隙間から少し入ってきてチクチクします。 ボンネットを開けた時に各パイプが独立して見えた方が格好良さそうなので、できるだけ「束ね巻き」をしない様に、と、何回か途中まで巻いてやり直し、を経て、2時間ほどで巻き終わり。後ろ側の支持ステー前まで巻いて、10メートルくらい使ったと思います。
尚、巻きの強さですが、切れない程度に強く、との事です。
バンデージを巻き終わったエキマニを取り付けます。ヘッド側、触媒側とも新しいガスケットを使うのが基本ですが、生憎とヘッド側は用意していませんでした。規定トルク(32N-m)で締めた時に弾性を感じたので、まだ効いているのだろう、と判断(^^;。触媒側はショップにS2000用の新品があったので拝借しました(同一部品の様で、ぴったり合いました)。各ネジにはかじり防止のスレッドコンパウンドを塗布して次に分解する時に備えました。
小間物屋号はタバタの2層ラジエータを組んでいる為か、純正エキマニを外す時点でエアコンのコンデンサーファン=左側のファンの取り外しと、更にラジエターファンの位置をずらす事が必要でした。
で、戸田のエキマニを取付け、各部を締めてからコンデンサーファンを取付け・・・られません(^^; 3本のステーの内1本ががっちり干渉します(画像は干渉対策後)。見た感じでは、純正ラジエターでバンデージがなければぎりぎりならば当らずに済みそうな取り合いです。
事前に戸田レーシングに、2層のラジエターを使っていて、と前置きして問い合わせた際には、これまでのところ当るという報告はされていない、との事だったのですが。
でもこんな事もあるだろう、とは思っていたので「想定内」ではあります。
対応としてステーの補強部分を削ってしまうのも手ですが、それだと強度が心配・・・万が一にもファンが揺れたり傾いたりしてラジエターコアに当る事は避けたい・・・と思案しているのを見ていた、「FSWの走りの師匠」と勝手に仰いでいる「エムサンおじさん」から、「『爪折り』すれば?」とのアドバイス♪
両側に立っている補強のフランジアップ部を内側に折ると、楕円円筒状になりました。これなら全くの薄板にしてしまうより強度もありそうです。
折る時は、フランジアップ部をプライヤー等で予め内側に倒してある程度の形状を作ってからから、下に硬質ゴムのブロックを当ててプラスチックハンマーで叩きました。
が、これだけでは干渉を解消しきれず、ステーを車両前方に向かって曲げました。そうすると、シュラウド側に立っていた分がモーター側に倒れる事によって、それに押されてファンモーターが車両左側に寄りファンがシュラウドに当ってしまう為、モーターの取り付け穴を車両右側に2mmほど長穴にして寄せ組みし、クリアランスを確保しました。
併せて、ファンとシュラウドの平行度(ステーを加工するとファンモーターの取付け部はかなり傾きます)、曲げた後のステーにファンが干渉しないか、またファンの前後位置なども確認、必要に応じて修正、調整します。形状が決まった後、加工した部分は亜鉛スプレーと塗料で防錆処理しました。
尚、この位置調整は都度ファンを外して、モーター本体やステーに力を加えて行い、またファンを取り付けて確認、を繰り返しました。ファンをシャフトに止めているネジはM5と細く、また支えているベアリングも小さい為、強度にあまり余裕は無さそうで、ファンに力を加えると変形/損傷する可能性があります(交換となると、ファンモーターは13,000円します・・・)。
また、小間物屋号固有の状況かもしれませんが、エンジンをかけてアイドリングさせるとラジエターが結構振動し、このファン+モーターもシュラウドの中でかなり揺れます。なので、ファンとシュラウド各部のクリアランスはきちんと見ておいた方が良さそうです。
気になる地上高ですが、見た感じでは純正同等かちょっと低い様です。4-2-1でこれでは、4本が四角く集まる無限の4-1は、小間物屋号の車高では相当厳しくなりそうです。純正でも何回かカバーをヒットしているので、気をつけないと。
エンジンをかけて排気漏れをチェックしてからアイドリングさせると、水蒸気がもくもくと出てきます。その後乾いてから見てみると、やっぱり細かなガラスらしき短繊維が一杯・・・当分、空調の外気導入はしない方が良さそうです。
街乗りなインプレ@3,000rpmくらいまで。
- 何となく、トルクが出ている様な感じがします(=軽く踏んでも前に出る感じが力強くなり、乗り易くなった)
- 音質は少し、歯切れの良い感じに変化した様ですが、音量は変化していないみたいです
ECU交換でVTECのハイカム側への切り替えポイントを下げた事もあり、4,000〜5,000rpm位の中間回転域の性能向上に期待、です。
尚、重量を測り忘れましたが、片手で持てる事から98スペック純正(実測で12.6kg)より大分軽くなっていると思われ、フロント・オーバーハング部の軽量化にもなります。
2009年1月4日-サーキット(FSWレーシングコース)にて
ダンロップ・コーナーから最終コーナーへの上りながらの低速セクション(2-3速)では、前回(純正エキマニ)より力強い感じがしました。
また、3速、4速で旋回する場面では、前に進む感じが強くなりました。トップエンド付近も純正4-1より少し力強い感じがして、数回、レッドゾーンを超えて9,000rpm位まで引っ張ってみましたが、もっと上まで回りそうです。
全体にトルクの底上げがされて、各ギアのつながりが良くなり、少しですが乗り易くなった印象です。が、トップスピードは純正エキマニの前回に2km/h及ばず、の209km/h・・・ばらつきの範囲ですね(^^;。
あと、音量は変化していないと書きましたが、室内へ入ってくる音はやっぱり大きくなった様です。
それと、これは直接エキマニの事ではありませんが、遮熱バンデージから細かなガラス短繊維(?)がかなり飛んでいる様です。エンジンルーム内は場所によりうっすらと溜まっている感じ、あと、ボンネットに穴がある為か、フロントウィンドウにもくっついています。巻いたバンデージの表面も何となく毛羽立っています。やっぱり当分、空調の外気導入はしない方が良さそうです。
2009年2月6日 追記
SARD スポーツキャタライザーの項にも書きましたが、ストレートの最高速はその時の風の影響を大きく受けるので、これを比較してパワーの目安とするには風向、風速等の条件を考えないとならない様です(^^;
吸排気系の部品を交換してきて最後に残り、何となく「ボトルネック」になっているんじゃないかな、と思えていた触媒をSARD スポーツキャタライザーに交換しました。
尚、発注した当時は、2009年1月末まで10,000円引きのキャンペーン中でした(^^;
光にかざして透過の様子を比べると、純正触媒(左)より明らかに開口部が大きくて通りが良さそうです。また、SARDのものの方が担体(=触媒部分)の径が大きく短いので、この点からも通気抵抗は少なそうです。重さは、手で持った感じでは殆ど変わらないと思えました。
エキマニの時と同じく、CRC5-56をサビ切ったネジに大量に噴霧してから暫く放置した後に作業開始。
取り付けは自体は5本のネジを緩めて純正触媒と交換、ですが、触媒コンテナの後ろ側の3本のネジの内1本が排気経路の上にあって工具のアクセスの為のスペースが非常に狭い事と、マフラーを一旦後ろにずらすのに力が要る為、これらを含めて、例えばフロント側だけリジッドラックをかけて下に潜り込んでの作業ではちょっと厄介そうなのと、マフラーをずらすのに力をかけるので危険かと思われ、ショップ等でリフトで上げての作業をお勧めします。
ガスケット、ボルト/ナットは、エキマニ側は取り付いていたものを流用し、マフラー側はスポーツキャタライザーに付属のものを使います。CRC 5-56の効果か各ネジが特に緩みにくいという事はなかったのですが、組む時にはスレッドコンパウンドを塗布しておきました。
上げた状態のままエンジンをかけてアイドリング状態での排気漏れがないかを確認し、作業自体は30分くらいで終了♪
街乗り3,000rpmくらいまでの印象ですが、排気音と言うか「排気系」からの音がちょっと低くこもって大きくなった感じです。また、一般に低・中回転域のトルクが細くなると聞いていたんですが、感じない、と言うかむしろトルクが増した様な感触です。これは、スロットルボディやエキマニ、マフラー等が純正ではない為、マッチングの結果がたまたまそうなったのかもしれません。
小間物屋号の場合、地上高の一番低い所は今まで触媒のフランジかマフラー(無限)の中間サイレンサーだったんですが、今度はこの触媒の遮熱板になるので、今まで以上に気を付けなければならなそうです。
尚、触媒はその原理と構造上、浄化作用に関しては寿命がある様で、一説にはガソリン車で5万キロ内外と言われています。8万キロ余りを走っている小間物屋号、ここでちょっとエコ度を改善できたかもしれません(笑)。
2009年2月6日-サーキット(FSWレーシングコース)にて
気温15度内外で走ったのですが、結果から言うと、高回転(=高速)域で効果を明確には把握できませんでした・・・歯切れ良くないですが(笑)。
FSWレーシングコースを3回走った最高速 & 仕様、状況は、
Ver. | 日付 | 仕様のあらまし | ストレート最高速 | ベストラップ | 記事 |
1. | 基本仕様 | 無限インテークボックス + 無限マフラー | - | - | - |
2. | '08/12/20 | 1. + SPOON ECU + SPOON ビッグスロットル | 211km/h | 2'12''18 | ストレートは追い風で、速いクルマ(Porsche GT3のカップカーなど)の1コーナーでのオーバーランが結構出ていました |
3. | '09/01/04 | 2. + 戸田レーシング 4-2-1エキマニ | 209km/h | 2'08''41 | 「お正月にしては暖かいね」という気温で無風状態 |
4. | '09/02/06 | 3. + SARD スポーツキャタライザー | 203km/h | 2'08''44 | 耳元で鳴る位、アルミの折り畳み椅子や置いてある服が飛ばされる位、の向い風 |
走行距離も8.3万キロを超え、2、3、4速のシフト時のギア鳴りが激しくなってきてトランスミッションもOHの頃合かな、ついでに96スペックの5速を組んでちょっとクロスレシオに、などと思ってショップに相談したところ、ATSの3-4-5速クロスを組んでOH後1万キロ走行の出物がある、というタイムリーなお誘いがあり、こちらに即決(^^;。
まずはこれと98スペック純正のギアを組合わせて富士ショートサーキットからTC2000、富士のレーシングコースまで全てをカバーするという壮大なプランを立案したのですが、残念ながら「5速MT」では成り立たず(笑)。結局、ATSの3-4-5速にDC2/96スペックのファイナルギア(98スペックより少し速い)を組合わせて、5速トップエンドで富士レーシングコースのストレート終端に到達するか、ちょっと手前で吹け切るかも、という形にしてみました。
組んで公道を走ってみると、ファイナルギアレシオを速くした為か少し発進時にトルクが細くなったかの様に感じますが、少し慣れれば問題のないレベルだと思います。3-4-5速を全体に低めて近付けるので、実際には多用する2-3-4-5速の4段がクロスレシオとなり、これが街中では結構忙しいです。
尚、5速・60km/hは2,500rpmほど、同100km/hは4,000rpmほどになり、遠出をするのは躊躇われるギアレシオ、になってしまいました(^^;。
また、3、4、5速でトルクをかけるとはっきりとわかるギアの唸り音が室内に入ってきます。
で、富士レーシングコースのストレートですが・・・ギア、足りません(^^;。
8,400rpmで理論車速は210km/hほどになるのですが、ストレートに3つあるアーチの3つ目の手前あたりで8,400rpmに達してしまい、場合によりますが、小間物屋号では3〜5秒くらい、スロットルを戻しての調整が必要でした。
他のセクションでは、2速が相対的に高くなった事もあって、実質2-3-4-5速のクロスレシオ(5速がノーマルの4速より少し高いくらい)となり、各ギアの継がりが良く、加速感が途切れない感じになりました。
余談・・・クラッチカバーの外縁についている3本の爪(スプリング)の内1本が折れて跳ね回った様で、沢山の抉った様な傷がクラッチカバー、クラッチハウジング、セルモーターについていました。幸い致命的なダメージは受けていなかったのですが、そのまま走って何かあったらかなり費用のかかる事になっていたっぽいです(^^;。
2010年4月29日-OS技研 DC2 96スペック互換 4.267ファイナルギア
ATS 3-4-5速クロス+DC2/96スペック純正4.4ファイナル、でFSWレーシングコースのストレートで吹け切ってしまい、6〜8秒くらいアクセルを戻して調整していたんですが、これをできるだけ解消したい(=できればフルスロットルのままブレーキングポイントまでいきたい)、と、ファイナルギアを変更しました。
実走ではストレートのみ9,000rpm許容(お勧めしません(^^;)でほぼブレーキングポイントまで踏み切りか、数秒間の調整、という状態になりました。車速センサーからの信号による最高速は220km/h前後です。
他、全体にハイギアードになった為、1コーナーから最終コーナーを回ってストレートで5速に入るまででは、シフトアップのポイントが数秒ずつ遅くなりました。
シフト時の車速も上がっているし、比較した過去走行時のコンディション(特に気温)も違うので一概に「遅くなった」とは言えませんが、これ程までに変わるとは意外でした。
エキスパートな方々からは今回の変更でタイムアップするだろう、と言って頂いているので、短所をどうしようと考えるより、長所を活かす様なドライビングを見つけるつもりで走り込んでいこうと思います。
とある方から、「もっとシートの後ろ側を下げた方が良い」とのアドバイスを頂き、シート角度の変更を行いました。
ローポジション・シートレール等は色んなものが出回っていて、それらの中には目的に合うものもありそうですが、それでは面白くないので(笑)、現在使用しているBRIDEのシートレールを加工してみました。
BRIDEのシートレールは、ベース側、スライド側共にレール本体とその左右間をつなぐプレート2枚で、それぞれ「四角形」を作っています。シートの後ろ側を下げると、ベース側の後ろのプレートがシートに当ってしまうので、これをカットします。また、シートベルトホールがシート固定部の余分となった部分に当って来ますんで、これもカット。但し、「バックアップ」としてこれまで使っていた穴は残し、万が一(^^;の時に元に戻せる様にしました。
運転席画像の左が加工前、右が加工後です。ヒップポイントで、約15mmダウンとなりました。
シートバックが寝る方向になる為、ステアリングやシフトレバーの操作に影響が出ないかちょっと心配でしたが、街乗りしてみた範囲では問題ない様です。
尚、店主がヘルメットを被って乗ると、ヘルメットの右側頭頂部がロールケージのパッドに丁度触る位になり、ちょっと鬱陶しいな、と思っていたのですが、今回の変更の副次効果で少しではあるものの隙間ができる様になりました(^^)。
DC2Rでは結構効くと言われる、リアバンパーに巻き込んだエアを抜く為の穴をあけました。
構想は、
・ジュランの630mm×200mm×2枚入りのアルミ製ネットの1枚から左右分を切り出す事にして、この中に収まる最大の面積を取る
・バンパーの角部に少し回り込ませる(側面の気流を剥離する効果があり、それが効く、とのアドバイスにより)
・バンパー左右端部の開口部を大きくする(ここが一番大きな「抱え込み」なので、とのアドバイスにより)
として、型紙を作成。これをバンパーに当てて罫書きを入れます。
割れ防止と見映えの為に、各角部が丸くなる様にをホールソーでカットし、あとはその穴をつなげる様に大まかにジグソーで切り抜いてからベルトサンダーでほぼ形にし、最終的には手仕上げで穴の周囲を整えました。
で、バンパーを外します。
開口部を通してシャシー・フレームが見えそうな範囲には、つや消し黒を塗りました。これをやっておくと、後でリアビューが引き締まって見える様に思います。
穴より各辺で10mmくらい大きめになる様にネットを切り抜き、バンパーの裏側から取り付けます。取り付け作業はショップに依頼しました。
あとはネットに力を加えない様に気を付けて組み戻せば完成です(^^)
効果と言うか変化として、とりあえず街乗りでは、何となく排気音が大きく聞こえてくる様になった感じがしますが、気のせいかも(笑)
サーキット走行の車載動画を見ていると結構搭載率が高い様に思える、D-Rightsの「ドライビングモニター」を取り付けました。
先日モデルチェンジされて、縦横のGが1Gまでは水色、それを超えると赤(従来はオレンジ1色)、また、G計測の為の水平点補正機能(従来はなし)など、機能強化されています。
購入したのは本体キットとオプションの光学式ペダルストロークセンサー1個(ブレーキペダル用)。アクセルペダルの位置は、ECUのスロットルポジションの信号線から取ります。
取り付け位置は、CD-ROMナビ(のモニター)を取り外した後に2DINなスペースがあるので、ちょっと下めの位置になりますがここにしました。
本当はもう少し上の方が良いのですが、「取り付いているものの機能は全て極力損なわない」の前提で、時計が見えなくなったりCDチューナーや空調スイッチが操作しにくくなったりエアコンの吹き出し口が遮られたりしない事を優先しています(もちろん、車載ビデオにきちんと映る事が大前提で、これは確認済み)。
固定は、アルミ板でオーディオ筐体のダミーの様なブラケットを製作した上にカーボンパネルを貼り、CDチューナーと共締めにしました。電源は、元のシガーライタープラグ付き電源線をカットし、ヒューズを介してACCで通電する線から分岐し、更に電源スイッチが無いので取り付けました。
取り付け後、各部を確認し、バッテリーをつないでスイッチON、アクセル開度とブレーキペダルストロークの補正(キャリブレーション)を行います。で、キャリブレーションモードから通常モードに復帰すると・・・ブレーキ踏度が最初50%→中間で100%、踏み切って70%と大変な事に(^^;。どうも内装材とバルクヘッドの位置、形状の関係から、床面との距離が踏み込みに比例して短くなっていない様で、これを解消する為、市販のPP材シートに黒色のカラーシートを貼った「反射板」を作ってフロアに取り付けました。
実際に撮影して見てみると、ブレーキのリリースが思ったより早い、ヒール&トゥでブレーキングが一定していない、アクセルとブレーキの踏み替えが思っていたより遅い、など、ドライビングの基本的な部分において自分はどうなのか、がはっきり見え、文字通り「モニター」としては直感的に理解し易くて良いと思いました。データロガー等は扱いが難しそうだし価格面からも敷居が高い、でもドライビングは客観的に分析・把握してみたい、という場合にお勧めだと思います。
サーキット走行で怪我をしたり痛い思いをするリスクと不安を少しでも減らせればなぁ、と以前から思っていて、その為にHANSが欲しかったんですが、その価格(ドライカーボンモデルで15万円くらい、エンジニアリングプラスチックの廉価版でも10万円くらい、更にヘルメットへのアンカー取り付けに2万円くらい必要で、クイックリリースや首のスイングのオプションも別料金)からなかなか手が出せずにいたところ、Innovative Safety Technologies社のDefNder G70ならずっと安価に導入できる事を知り、こちらを取り寄せてみました。
CTSという、在カリフォルニアのショップ(日本語でOK)から通販で、5日ほどで到着しました。
その後、アンカーの取り付け作業を自分でやってみたんですが、先に購入した人達の苦労と対策を参考にさせてもらい、無事に終了(^^)
アンカー取り付け作業
次いで、実際の乗車状態でハーネス(テザー)を調整して使用準備は完了です。
ただ、このハーネスの調整作業にちょっと時間がかかりました。できればサーキットに持って行く前の、時間に余裕がある時に予め行っておいた方が良いと思います。
実際の使い心地ですが、フルハーネスのショルダー部の締め込みが良く効いて、気をつけないと締め過ぎになってしまいそうです。
この為か、FSWのレーシングコースを30分「背負ったまま」で走ると、肩が凝った様な感じになりました。
首の振りしろが少し制限される事も含め、慣れの問題かもしれませんけれども。
この「肩こり」以外、ドライビングに支障や影響が出る所はありませんでした。小間物屋号と店主のドライビングポジションでは、左のドアミラーも充分見えます・・・振り返ることまではできませんが(笑)
効果は・・・他の安全装備と同じく、できれば確認せずに済ませたいです(^^;
2000年4月に走り始めて10年目、8.8万キロを経て初めてエンジンを下ろしてのオーバーホールを開始しました。
今回は、ひと月くらいの予定で、
・エンジンのオーバーホール
・トランスミッションのオーバーホール
・ダンパーのオーバーホールと仕様変更
を予定しています。
予算が限られているのに内容を欲張っているので(笑)、お世話になっているURBAN MOTORSPORTSに相談し、部品の交換は分解して状態を見てから最小限、また、整備や加工は極力自分で作業し、その上で自分でできる加工も入れていく、という事になりました・・・もちろん、ショップに迷惑をかけない範囲で、ですが。
この日、まずはエンジン、トランスミッションを下ろし、「仮脚」の取り付けまで・・・レースカーなどと異なり色んな補器がついているのと、後から色々取り付け、改造しているので結構面倒です(^^;。また、仮脚は純正を組んだのですが、エンジンの無いフロントは、リアより30mmくらい車高が高くなりました(笑)。
さて、どうなるでしょうか・・・。
ショップに電話してみると、エンジンをばらしたので見に来て下さい、との事。
で、店長から各部の状態の説明を受けます。
ヘッドまわり :
カム、ロッカーアームに高回転を多用した場合特有の磨耗痕があるが、オーバーレブ等の痕跡は無く、状態は良好。
バルブは距離相応に汚れているけど、曲がり等は無さそう
ヘッドは、バルブを掃除してから仮組みし、更に平面度を見てから判断
ピストン、コンロッド :
カーボンの付着は距離相応だけど、気になる傷や吹き抜けの跡はない。
スモールエンド、ビッグエンドともベアリング/メタルの状態は良好で、メタルが回った痕、回りそうな兆候も無い
シリンダーブロック :
シリンダー内壁に傷は無い。距離相応の磨耗はあるが、クロスハッチも残り、状態は良好。
クランクメタルの1/5個に細い異物痕が1本ある、2/5個に磨かれた様になっている部分がある、2/5個の貼り付きが若干弱い、が、全体に当たりはきれいで、回った痕も回りそうな兆候も無く、全て問題ないレベル。
クランク :
各ジャーナル等の状態は良好。そのまま使う。
総合 :
9万キロ近くを経た、しかもサーキットで酷使しているエンジンとしては、非常に良い状態だそうです。店長曰く、「そのまま閉めようかと思った」(笑)。
で、各メタル、ピストンリングは交換するが、他の全部品は洗浄・清掃してそのまま使用・・・しようかと思ったんですが、排気側バルブに白くこびりついたカーボン(?)が硬くて厚くて、ちょっとやそっとでは取れない為、効果対費用を勘案し、排気側バルブだけは交換する事になりました(^^;
あとこの日、SPOONのビッグスロットルを取り付けた事で、相対的に開口部が小さくなって段差が付いてしまっていたインテークマニホールドの吸気口の拡大加工を行いました。
エキゾースト系の脱着自等に見えている範囲でも、排気ポートにかなりカーボン(スラッジ?)が堆積しているのは予測できたのですが、実際に分解してみたら思いのほか厚く、沢山乗っていました(^^;
これを見る前はカーボンを薬で浮かせて剥がし落してポート掃除、くらいに考えていたのですが、特に排気側は硬くこびりついていて、簡単には剥がれません。
で、どうせ削り落さなければならないのなら、ちょっと磨いてみる事にしました。
で、「どの位」やるのか?
ショップと相談し、オーバーホールはするものの基本的に「ノーマルエンジン」なので、ポートの形状・大きさなどは変えずに、カーボンや汚れを落して、できる所は鋳物の肌を滑らかに均すくらいまで、として、作業開始♪
本来ならバルブガイドを外してから作業を行うと捗る様なのですが、面倒なので(^^;、組付けたままでできる範囲、で削っていきます。
鋳肌のでこぼこ、巣、あと型の合わせ目などがありますが、それを徹底的に削るには、ポートの形状を変える位まで削り込む事になりそうだったので、ある程度は残っても良し、としました。
また、排気側はそこそこ磨きますが、吸気側はあまり滑らか過ぎると燃料・混合気の貼り付きを招くそうなので、触ると滑らかなつや消し地、位にしました。
ひたすら削って磨く事1.5日、で画像の様な感じになりました。
初めての事で、色んな雑誌などに出ているチューニングエンジンのポートの様には出来上がりませんでしたが、「お掃除」としては合格点かと(^^;
因みに、今回のポート磨きでは「手仕上げ」は一切入れていません。ペンシルグラインダーを使い、粗削りから仕上げ、磨きまでの全てを、11種類の超硬バー、軸付き砥石、サンドペーパーホイール、研磨ホイール、マイクロワイヤーバフなどを使って行いました。
今回行ったオーバーホール( + 一部モディファイ)のまとめです。
オーバーホール実施時の走行距離は、88,969km、2000年4月に納車されてから、9年6箇月が経過していました。
2005年9月からサーキットを走り始め、均すと月に1回とちょっとくらいのペースで走っています。
およそのメインテナンス状況は、
・エンジンオイルは、サーキットを走り始めるまでは3,000kmで交換、サーキット走行時は2時間毎に交換(その間の公道走行距離は、数百キロ内外)。
・トランスミッションオイルは、純正LSDの時には、サーキットを走り始めるまでは1年に1回、サーキットを走り始めてからは3箇月〜半年に1回、ATSのカーボンLSDを組んでからは、サーキット走行2時間毎に交換。
・タイミングベルトは、7万1300km走行時にウォーターポンプと共に交換。
大きな故障、修理はありませんが、ドライブシャフト、ハブベアリングは適宜交換しています(笑)。
今回は、経費を抑えたいという事でショップと相談し、勉強も兼ねて自分でできる所は自分で行う、また、組み立てを含む作業についても、教えてもらいながらできるだけ自分で行ってみました。
作業中に何回も言われたのは、洗浄と清潔です・・・とにかくきれいにする事。
洗浄はしつこいくらいに行いました。また、バルブトレインやシリンダー、クランク周りについては、ウェス等の繊維を残さない様、特に慎重に作業と洗浄を行いました。
今回実施した内容のあらましは、
区分 | ショップ作業 DIYの別 | 内容 |
エンジン | DIY | インテークマニホールド 吸入口拡大(SPOON ビッグスロットルに合わせて) |
DIY | インテークマニホールド/インテークポート段差修正 | |
DIY | インテークポートの大き目の凹凸修正(鋳型パーティングラインなど) | |
DIY | インテークポート/エキゾーストポート分岐部壁端部加工(R状端面だったものを鋭角に) | |
DIY | インテークバルブ磨き、エキゾーストバルブ交換 & 磨き | |
DIY | 燃焼室クリーニング&バフがけ | |
ショップ | バルブシートカット&ラッピング | |
DIY | エキゾーストポート研磨(一応、鏡面っぽく(^^;) | |
DIY | シリンダー・シリンダーヘッド合わせ面ラッピング | |
DIY | ピストンクリーニング & バフがけ | |
ショップ | ピストンリング交換 | |
ショップ | クランクメタル、ビッグエンドメタル クリアランス合わせ & 交換 | |
DIY & ショップ | バルブステムシール、並びに他シール、パッキン、ガスケット類全交換(ホンダの「エンジンオーバーホール用パッキン・キット」を使用 | |
駆動系 | DIY | クラッチ板交換(カバーはそのまま使用) |
DIY & ショップ | 1/2/3/4速シンクロシステム交換 | |
ショップ | ATS カーボンLSD オーバーホール & カム角変更 (55度→70度) | |
脚まわり | (APEXi) | ダンパー オーバーホールメニュー実施 |
(APEXi) | ダンパー 仕様変更 ・ストローク延長(F 10mmくらい) ・減衰力アップ(今までの最強を5/25段戻し位で出す様に) ・その上で伸び側減衰力 5%アップ |
エンジン/TMのOHと脚/LSDの仕様変更 & OHを行った後、初めてのFSW走行での感触は、
1.エンジン
以前の状態がかなり良かった為か、パワーの点では体感できる様な変化は無いみたいです。
でも何となく高回転域でのレスポンスが良くなった様に思いました。
2.足回り(と、多分、LSD)
LSDの特性の変化によるのか、何となくコーナリング時のクルマの扱いが難しくなった様に思いました。
やる事をきちんとやってあげないと途端に曲がらなくなってしまう、良い感じで曲がる為の許容範囲が狭くなった様です。
あと、これはショップで予め言われていたんですが、ブレーキの効きが良くなりました。
ダンパーの伸びを抑えたので、ブレーキング時にリアが浮かず、今までフロントブレーキに集中していた制動力を少しリアに移す事ができたから、だそうです。
3.トランスミッション
OH前はどう扱っても3/4速が鳴っていたのですが、これが、少し気をつけてあげれば鳴らない様になりました(^^)
ベストは0.5秒ほど更新したものの、「ファーストコンタクト総合」は、思い描いていたより辛口、でした。
ですが、クルマは確実に良くなっているので、これから仲良しになっていこうと思います。
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