「ねえ、夜はナゼ暑いのー?」スーパーからの帰りぎわ、そんな声が私の耳を捕らえた。小学生くらいの女の子がお父さん(あるいはお母さんかな)に質問している。返事の声は聞こえてこないが「夜は暑い?」ふむ一体どういうことなのだろうかと私、背後の家族連れ(多分)に歩調を合わせて出口へ向かう。
ドアを出ると再び女の子の声「ほら夜は暑いでしょ?」むむむ、それは冷房の効いた店内から外に出たからではないのか?とも一瞬思ったが、いや最初に質問した時はまだ店内だったし、口調からして彼女にとっては以前からの謎であったらしい。「夜は暑い?」ますます興味を引かれるシチュエーションだ。
「ねえ、夜はナゼ暑いのー?」さらに問いは続くが、残念ながら返事の声を聞く前に車に着いてしまった。
その後ひとりでゆるりと思うに、日が出ている昼間が暑いのは当り前だが、日が沈んだ夜になお暑いのは不思議に思えたのではないだろうか。あるいは昼間遊んでいる時は暑さを感じないが、遊びから帰ると暑さが気になるのかもしれない。女の子にとって「夜はナゼ暑いのか」は大いに謎であろうし、お父さんにとってはそんな質問をする娘自体が謎であろう。
大人が皆同じように退屈な表現をしてしまう事でも、子供はいかに自由で豊かな表現をするものかと驚かされた出来事でした。
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