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礼拝説教(8月2日) |
マタイ福音書9:5〜13節、詩編107編4〜9節
「わたしは罪人という人を招く」
今日はイエス様が御言葉から「私は罪人です」という人を招くと言っておられます。
本日のテキストの中に三人の主な人物が出てきます。
@イエス様 ー人間イエスー様です。Aマタイという徴税人、Bファリサイ派の人。
イエス様という方の特徴は一口には語れませんが、まず注目できるのは、人を分け
隔てなさらない方でした。
サマリアの女性に水を飲ませてください、とお願いされました。(ヨハネ4:1〜)
また、人の家に行って出される食べ物飲み物はなんでも食されました。(ルカ 10:7 )
また、人を憐れむ方です。ライ病人に触れて、いやされました。(マルコ1:40)
実におおらかで、なんの見栄を張ったところもない。決して人を見下げたりなさらな
い。一方、罪人と言われている人たちとも交わる方でした。、今日の聖書の箇所
に、9:10 イエスがその家で食事をしておられたときのことである。徴税人や罪人も
大勢やって来て、イエスや弟子たちと同席していた、とあります。彼らがやってくる
のはイエス様の目線が彼らと同じ高さであり、“どちらかというとあなたがたのように
「自分は罪人」と自覚する人の方が付き合いやすい”イエス様からそのような空気が
流れていたのかも知れません。
高慢な人に対するイエス様の対応も特徴的です。律法学者、ファリサイ派の中に
はイエス様を見下げて策略をもって質問する人もありましたが、そのような方には
「神様の知恵」をもって対応されました(マタイ21:23〜)。
次にマタイという人について考えてみましょう。
マタイはなぜ徴税人になったのでしょうか? 我田引水的な人間の思いを捨て、聖
書の行間をみ霊に導かれて思索(黙想)することは信仰者にとって重要なことです。
・彼は何かにつまずいた、のではないでしょうか。この世で自分しか信じられない、
何かで債務を負い、さんざん苦労し、金がなければ惨め、金さえあれば何でもでき
る・・・金杯主義に陥ったのではないでしょうか。
・友人もなく、心の相談にのってくれる人もいない・・・孤独。
・お金(物質)に価値をおき、本当の世界=真理の世界を知らない人・・・神様と共
に、創造的な世界を生きることを知らない。
3人目のファリサイ派の人について
彼らは自分たちを神様の掟を守り、生きている者。異邦人や罪人とは別格だと考え
ていました。
指導者クラスの地位にある物が多く、自称:律法を遵守して、健康な者という自負心
が大でした。
ルカ18:9以下にイエス様のたとえ話しがありますが、これは現実を離れた、たとえ
話ではない様に思います。イエス様は彼らにいわれます『わたしが求めるのは憐れ
みであって、いけにえではない』とはどういう意味か、行って学びなさい、と。
本日のポイントに入りましょう。
P1、徴税人マタイは「神様と共に歩む」本当の世界を知りませんでした。
これは一度の人生にとってたいへん大きな損失です。
両親は宣教師として英国から中国に渡り、そこで生まれたのがステーブン・メティ
カフさんと言う方の話です。
太平洋戦争がはじまり、14歳のステーブン・メティカフさんは中国で日本人の捕虜と
なります。狭い収容所に入れられ、そこで見た日本兵の中国人に対する残虐行為
は目に余るものでした。
特に中国の女性や子どもに暴虐の限りを、目の当たりにした彼は、はじめ、日本兵
に対して怒りと憎しみがわきましたが、“なんじの敵を愛せよ”のみことばの諭しを受
け、この人たち日本人は、「愛の神」について知らないのだ。
だからこのような残虐行為をするのだとなっとくしました。彼は戦後、日本に来て
宣教します。
徳川300年、幕府のキリシタン弾圧は実に残虐で、一家を挙げて白眼視するもの
でした。“愛の神”など覆われ、抹殺されてきました。開国、明治、大正、昭和と、と
きは流れても“愛の神”には暗黙のうちにふたがしてあり、アーメン、ソーメン・・・の
理解しかない、またそこに入ろうとしない。
一方で年間自殺者がこの半年で1万7千名余、前年度より5パーセント増、とラジオ
で言っていました。
愛の神は今、日本の覆いを打ち破り、日本人の生活を立て直して人生の目的をし
っかりつかんで歩みなさいと、はたらきかけておられます。あなたをとおして!
神様の愛をあなたがたも世に伝えるために出て行ってください。
P2、マタイの召命「わたしに従いなさい」
なぜイエス様は弟子になることの説明もせず、「わたしに従いなさい」と単刀直入に
言われたのでしょうか。きっとイエス様の洞察力がそうさせたものと思います。
彼の中にある賜物はすばらしい、“この人は徴税人としてよりも、わたしの弟子とし
て歩んだ方が成功するであろう”と。
優秀なシェフは素材を生かした料理を作るそうですが、
イエス様はその人の持ち味(賜物)をよく知っておられます。
乙武洋匡さんは「五体不満足」と言いながら、五体満足の人たちを励まし、勇気付
けておられます。
彼のお母さんは敬虔なクリスチャンと聞いたことがあります。
また、レーナ・マリアさんがアメイジンググレイスを歌いはじめると、そこに聖霊様が
臨まれます。
神様はあなたを造られた方、あなたの中にある賜物もよく知っておられます。
イエス様がいつかあなたに「私について来なさい」と言われるかもしれません。
それは、牧師になることだけが「弟子」ではありません。いろいろな召命があります。
イエス様の召されるのを静かに待ちましょう。
お祈りします。
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