みきのくち 6




 瓶子花形(へいしはながた)


瓶子に挿す蝶花形です。
左右の区別はありません。

小笠原流諸礼折形(★)

享和元年(1801)刊

菊池 貞蔵 著
小笠原流の、礼法折形を説明した本です



折形本体伝之叙(はしがき)
 「夫(それ=そもそも)折形は、木火土金水の五行より生じて五色の性を有す。」

折形、水引は、陰陽道と関連があります。
折形は、御幣などと同じく、折る手順、折り線や面の数、角や辺が、神仏陰陽五行を象徴しているようですが、秘伝とされています。




9−2 神酒口(みきのくち)


小笠原流折形大全

享和元年(1801)刊

雄川 丘甫(おがわ きゅうほ) 著

浪花1店、京都2店の書林発刊
神酒口・右です。左は逆に折ります。
夫 礼方諸流ありといへども 小笠原吉良の二流は天下に行われ 諸礼の書物など先板に出せるといへども 其書の中に 折形はあらましにして 安く(たやすく)これなく 此冊は 小笠原流の縁者の人に求めて 折形の図の (以下略) 君子の便里にそなへしむ





10 神酒口(みきのくち)

女子教科 包結之栞

斎藤 円子 編

明治33年(1900)刊
神酒口左 ・神酒口右 小笠原流包結のしらべ(昭和6年刊)掲載の、「婚礼式場神酒口(みきぐち)」と同一です。


 瓶子やお神酒徳利に挿す折形蝶花形で、ランクと思います。白い和紙で折るのが正しい作法ですが、折り目が分かる様に、あえて色紙で折ってみました。水引を掛けても可。





10−2 神酒口

長さ5寸(全長7寸6分)

瓶子飾雌蝶
水引結、足等を足す
瓶子飾雄蝶

雌蝶・雄蝶 礼式折紙水引結
小林 きよ 氏蔵
西田虎一著
昭和12年3月発行

 明治43年静岡県安倍郡有度村に生まれて育った本多 きよ氏が、大正末期の尋常高等小学校時代、手工科の授業で習った折紙(折形)の教材の一つです。裏に、「有度尋常高等小学校」という朱印が押してあります。形は、神仏具店市販の神酒口1の305番と同じ雄蝶雌蝶で、庶民の婚礼の際、御神酒錫(お神酒徳利)に挿して飾る草のランクの神酒口です。なお、尋常小学校は6年、尋常高等小学校は2年が修業年数でした。