他医で加療していた熱傷の患者さん。ゲーベンクリームを創に使ったところ、痛みが強くなり当院に受診。湿潤治療で治りましたが、患者さんが、治療経過をご自分のスマホで撮影していたため、経過がよくわかりました。その、経過写真を見ると、どう考えてもゲーベンクリーム使用し、創が悪化したとしか思えませんでした。
熱湯を足にかけ受傷し外科医院で加療。受傷4日後の状態 受傷11日後 水泡膜切除後
その後マキロンで消毒しリンデロン軟膏を塗ったドレッシングをしていたようです。
23日後 25日後
傷がなかなか治らないため、ここで他の皮膚科に転医。そこの医院で「感染しているのでゲーベンクリームを使います」と説明を受けたようです
。
28日後 ゲーベン使用前 30日後 ゲーベン使用し明らかに壊死進行
35日後
その後2回にわたり壊死部の切除手術をうけましたが、改善しないし痛みが強いため、2回目の切除手術を受けた翌日当院初診。
44日後当院初診時 以後プラスモイストにて治療。 68日後
78日後にほぼ治癒。
受傷して11日後の水泡膜を切除した創の状態は、創面の血行は良好で、湿潤治療をすれば2週間ほどで治癒しそうな2度の熱傷としか思えません。前医では創がなかなか治らなかったため「感染しているからゲーベンクリームを使います」と説明をし、ご丁寧にその後2回ほど壊死部の切除をしたそうです。感染して創が治らないのではなく、消毒等の不適切な治療により上皮化が遅れ、さらに、ゲーベンクリームを使用して、2度熱傷が3度熱傷になった、としか考えられませんでした。