一年中温暖な気候の静岡県とよく言われます。確かに東京や名古屋は雪も降りますが、この地は滅多なことでは積雪にお目にかかることはない。東京・横浜に住んでいた大学生+アルファ時代を除けば、ずーっと静岡で生活しているが雪が積もった経験は三、四回しかありません。したがって、寒冷地に適した床暖房が必要であるのか?という疑問は当然生じてきます。今まで我が家にも床暖房なんてものは無かったので、今回採用しなくても何の不自由もなく生活はおこなっていけるものと思われます。しかし、あえてつけました。理由はつけてみたかったから、ただそれだけ。
実は、八年ほど前に床暖房システムの開発に携わったことがありました。そのときにドイツの住宅展示場で本場の床暖房システムの体験をしたり、開発した床暖房システム試作品を東京の幼稚園に設置した経験から、自分自身の床暖房への見方が変わってきたのです。はっきり言って、その仕事をする前は床暖房を否定していました。静岡県で設置するのは無駄だと。でも床暖房に携わって体験してみたら、情がうつった「いいなー、これ。体に優しい暖房方法だな。」と思えるようになったのです。さらに今回ガス会社にイニシャルコスト(ガスを使った温水循環方式)を聞いてみたら、これが結構安いんです。おそらく初期投資を抑えてランニングコスト(ガス代)で稼ごうというガス会社の目論見でしょう。したがって、最初はリビングだけにするつもりだったのが、両親の寝室と子供部屋にも入れようかな?と考え始めるほどでした。結局、両親の「いらなーい」という一言でリビングだけの施工となりましたが、今となっては少し後悔しています。
床暖房の良い話ばかり書いていますが、悪い面もあります。それは、ランニングコストが本当にかかる(らしい)ということです。温水をつくるためにガス代がかかる(効率が高いとは言えない)のはもちろんのこと、温水循環するためにポンプを常時駆動しなければいけないのです。だから電気代だってかかります。床暖房は床を暖めるわけですが、床暖房パネル下の断熱材の施工が雑だと床下(地球)ばかりを暖めることになるかもしれません。(完璧な断熱はないので、良い施工であっても実際には床下を少し暖房していることになると思いますが。)
使ってみた印象は、床から部屋全体を暖めるような感覚がして、エアコンやファンヒーターのような局所的な暖かさと少し違うなと感じます。人に優しい暖房だなと再認識しました。(少し誉めすぎかもしれません。また、人に優しくても財布には厳しいです。)
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