カウンセリングと禅
カウンセリングの基本は「傾聴」です。その精神は他を思いやる心です。禅の基本は己事究明ですが、大乗仏教の精神、「自未得度先度他」(自らは未だ度せざれども先づ他を度す)という「慈悲」の精神がその根底にあります。「愛語能く回天の力あることを学すべきなり」(道元)の「愛語」です。私はこのカウンセリングと禅は軌を一にしていると思うのです。
友田不二男先生は次のように述べられておられます。
そもそも、「自己(self)」とはいったい何なのでしょうか?私は今、ここで、この問題を論議するつもりはありませんし、論議する気にもなれません。なぜならば、それこそまさしく本書の主題であるからであります。ここにはただ、道元禅師の言葉をかかげておきたいと思います。
「自己をはこびて万法を修証するは迷いなり。万法きたりて自己を修証するは悟りなり。」
と。臨床家として、実践家として、しかも科学者として、ロジャーズが発見した「自己(self)」は、何と見事に、道元の「自己」と一致していることでしょうか!
また道元には「衆生を慈念すること猶赤子の如し」、「愛語能く回天の力あることを学すべきなり」という言葉もあります。これが心理学の、カウンセリングの、いや人間の、精神の基本だと思うのです。
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