ティルトローター型VTOLベル/アグスタBA609
ラジコンをはじめた当初から
VTOL
は一度試してみたいと思っていましたが、 ネットでBA609の試作機やモックアップの画像を見つけたのが きっかけで、頭の中で徐々に具体化しました。
エンジンパワーが十分あれば、浮き上がることは簡単ですが、問題は操縦です。安定した
ホバリン グ
ができ、かつ、自由に前後、左右の移動ができることが必 要です。また、ヘリモードから飛行機モード、あるいはその逆への遷移がスムーズにできることも必要です。
ティルトローター
では左右二つの
ローター
が独立して
サイクリッ ク・コントロール
と
コレクティブ・コントロール
が行えますが、これを 巧く組合すことで、 思ったような操縦ができる筈だと考えました。
実機では、
ピッチ
制御(
エレベータ
)は左右の
ロー ター
を同時に前後に
サ イクリック・コントロール
し、
ヨー
制御(
ラダー
)は左右の
ロー ター
を前後逆に
サ イクリック・コントロール
します。また、
ロール
制御(
エルロン
)は左右の
コ レクティブ・コントロール
に差をつけることで行います。ラジコンでも基本的に同じ方法を取りますが、
エ レベータ
と
ラ ダー
は両方とも
サ イクリック・コントロール
になるので
ミキシング
を行うことが必要ですが、丁度飛行機 用二軸
ジャイロ
に
ミ キシング
機能があるため、これをそのまま使うことができました。
また、実機では片肺になった時でも片側のエンジンで両方の
ロー ター
を回転できるように、クロスシャフトでギアを介して左右のローターシャフトを繋いでますが、この構造もそのまま使うことにしました。テスト時 に一度、リンケージトラブルで
ホ バリング
時に片肺になりましたが、このおかげで問題なく着陸することができました。
最も苦労したのは
ティルト
機構です。
エンジンナセル
の回転軸を主翼中央でそれぞれ大型機用のハイトルク
サーボ
で保持し、また、サーボホーン同士も繋ぐことで左右の傾きがずれないようにしました。 しかし、この機構は作動トルク面でも強度(剛性)面でも不十分で、後にウォームギアを使った機構に改めることが必要でした。
エンジン
ナ セル
内のフレームなどは基本的に32
クラス
ヘリコプター
の構造を参考に作成しています。また、エンジンは当初はOSからタイミングよ く発売された37SZ−Hを2台を使用しましたが、後にパワーに余裕を持たせるために50SX−H HYPER2台に換装しています。
胴体や主翼は通常のラジコン飛行機と同様、ベニアとバルサで作っています。かなり軽量化には勤めたつもりでしたが、完成時点での全備重量は予定より 1kgオーバーの9kgとなりました。
飛行では作成以上に苦労の連続となりました。下記をクリックすると改良の歴史?が動画で見れます。
動画で見るティルトローターの進化
ヘリモード。離着陸はこの形態で、ヘリコプターのように離着陸を行いま す。
飛行機モード。上空に上がったら徐々に加速しながらこの形態まで遷移し ます。