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積水ハウスの営業宮山さんは、決して飛び込みで我が家に来たわけではありません。
私の勤務する会社で2ヶ月ほど前(2003年7月)に、積水ハウス(私の勤務する会社から見れば積水ハウスは大事なお客様なので、本当は積水ハウス様と記述すべきかもしれません)から、家の新築に関するアンケート依頼がありました。そのときに将来建築予定であるという旨の回答を書いたので、カタログを持って訪問してくれたわけです。
しかしながら、この時点では積水ハウスがどのような工法の住宅メーカーなのか、シェアがどのくらいあるのか、坪単価がどれほどなのか全く情報を持っていませんでした。(すいません、シェアナンバーワンであることさえ知りませんでした)
それから積水ハウスのカタログ、建築雑誌、インターネットの情報を駆使しての試行錯誤の調査が始まりました。家や建築に関する基礎知識も無いため、今思えばたいしたことを調べたわけではなかったと感じます。
そんな中で、最低限わかったことは次のようなことでした。
・鉄骨軸組み工法である
・シャーウッドという木造もやっている
・シェアはナンバーワンらしい(注1)
・坪単価は60万円以上で高いらしい
・阪神大震災で倒壊ゼロ、死者ゼロらしい(注2)
・積水ハウスで建てた事例をホームページで公開している人も多い
・積水ハウスで建てて満足している人が多い
・セキスイハイム・セキスイツーユーホームとは違う会社である
注1:2004年7月に発表された日経住宅供給調査(マンションを除く)によると積水ハウスが2003年度の実績で56891戸でトップ。大和ハウスが38554戸で三位となっている。ちなみに二位はレオパレスなのでアパートの供給戸数が含まれているのは明らかである。戸建てに限定した資料が欲しいものである。参考までに記述するとミサワが五位、積水化学が六位、パナホームが七位、へーベルハウスが八位、住友林業が九位となっている。2004年7月のダイワハウスのニュースリリースで2003年度のシェアナンバーワンであるという発表をしているので、少し驚いたのだが、これは環境共生住宅の建設実績一位ということだった。
注2:倒壊ゼロ・死者ゼロを前面にアピールするメーカーは多いが、建物倒壊に起因する死者がゼロであって、家具の下敷きになって亡くなられた方はいるはずである。
最終的に積水ハウスと契約したわけだが、他の業者とは全くコンタクトさえ取っていない。相見積もりをとるとか競合させることは、物品購入の際の常套手段であるが、我が家ではおこなわなかった。今思えば、見積もりを出させるぐらいのことはしても良かったかなと感じる。だが、他社の話を聞こうとさえしなかったのは施主の怠慢もあるが、積水ハウスが信頼を損なうようなことや不安にさせるようなことを見せなかったからだと思う。(コスト以外は)
言い方を変えるならば積水ハウスに断りをいれる理由が無かったということになる。
家作りを漠然と考えていた段階でメーカー選定基準となる項目を二つ持っていて、一つは鉄骨構造の手法であること、そして残る一つは数十年の長きにわたってフォローをしてくれることだった。前者はともかく後者を選定の理由に挙げたのは、我が家の離れを建てたさいに依頼した大工さんが既に他界してしまったことに起因している。離れの建築後十年も経たずに大工さんが亡くなってしまい、現状何も問題がないから困っていないものの、今後アフターの必要性が生じたときにどうすればいいのかという不安はつきまとっている。したがって、倒産する可能性の少なくて、品質の高い住宅を供給してくれる安心できるメーカーを望んでいた。我が家を訪問してくれた積水ハウスは、幸いにも全てをクリアしているメーカーであったことが契約に至った主たる理由と言ってよいだろう。コストの面から言えば安くないのかもしれないし、もっと安価で同レベルの家を建ててくれる可能性を有するメーカー・地元工務店もあるかもしれない。でも、安心して家作りをしたいという気持ちが最終的に積水ハウスと契約した一番の理由だと言えよう。
後からこじつけたような理由を、さも熟慮した結果のような書き方をしたが、今回の家作りを振り返ってみると”縁”という二文字に集約されるような気がする。もし、
・二年前に積水ハウス沼津西営業所が私の勤める会社にアンケート依頼をしていなかったら
・また同時期に区画整理の話が出ていなかったら
・両親が食品販売の小売を止めていなかったら
・子供の小学校入学が控えていなかったら
・我が家の担当が宮山さんでなかったら
どれか一つでも違っていたら、積水ハウスとの契約どころか家作りさえ無かったかもしれない。そういう意味でも、やはり何らしかの”縁”があったのかなと思うのである。 |
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