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建築前の段取り 〜構想編5〜
電気工事

まずは電気工事です。
電気工事は大きく二つに分けて東京電力に委託することと離れの容量変更などに伴う電気屋さんの担当することがあります。
”若旦那”の両親は食品販売の店舗での小売は止めておりますが、料理屋・ラーメン店・給食仕出し店などへの野菜の卸を継続しておこなっています。そのため、野菜備蓄用の業務用冷蔵庫が必要なわけですが、前出の図のように新しく家を建てる場所に冷蔵庫が設置されているため、これを邪魔にならない離れの玄関前に移設することになりました。(建物レイアウト参照) ちなみに冷蔵庫だからといって馬鹿には出来ません。基礎も作るし、屋根・雨樋も設置するんですよ!

業務用冷蔵庫は、三相200Vで駆動されています。前出の配置図のように店舗用の電灯線(100V)と三相200Vは、市道側の電柱から引き込まれています。一方で離れ住宅用の電灯線は、県道側から引き込まれているのですが、引き込みの距離が長いためか店舗兼住宅の建物の外壁に一度固定されてから離れの電気メーターへと接続されています。したがって、店舗兼住宅の取り壊しによって離れ側への電灯線と移設する冷蔵庫のための三相200Vの取り込み方をどうするのか、私では判断つきません。そこで2月下旬に東京電力に電話して相談したところ工事担当者の方が現場を視察してくれて、県道側からの電気取り込みを実現するために我が家の敷地内に電柱を一本立ててくれることになりました。
これは、離れに住む親世帯そして近々完成する建物に住む私達夫婦の世帯の二世帯に電力を供給するための緊急措置的な対応だそうです。通常では電力使用者側の都合と判断されると使用者側の実費負担となるそうですが、今回は東京電力殿が大岡裁きのような寛大な措置で無料で電柱を新設してくれました。非常にありがたいことです。
この電柱の設置によってNTTの電話線取り込みも県道側から難なく実施することができるようになり、私達家族からすれば一石二鳥となったのでした。東京電力殿に感謝・感謝です。

ところで、電柱を新たに立てなくても市道側から取り込むことは出来ないのかという疑問を感じる方もいるかもしれません。私も離れは何故県道側から電灯線を取り込んでいるのだろうか?市道側からどうして取り込んでいないのだろうかと昔から不思議に思っていました。この理由は簡単でした。市道側から電力を離れに取り込んだ場合は、必ず人様のお宅の領空を侵犯することになり、このようなことは通常おこなわれないそうです。自分の家の周りや会社の周りを確認しましたが、確かに電柱から各家に伸びる電力線は他人の家の領空を通過していないのです。(例外はあるらしいですが・・・、近所で他人の敷地を侵犯する電線を発見しましたし、ネット上でもマイホーム建築記に一例ありました。) ちなみに電話も同じ扱われ方をするそうです。
この話を聞いてから今まで気にも留めたことの無い電線を観察するようになりました。日頃視線は道路の高さにしかもっていきませんが、電柱を見るような高さに視線を変えると知らなかった情報を色々と得ることが出来て一週間ぐらいは楽しめますよ。
本当に勉強になりました。

もう一つの電気工事として挙げられるのは、離れの契約電力アップ(容変)です。前出した配置図のように30年前に建てたキッチンと玄関は取り壊さずに残すことになっています。しかし、この部分の電力は解体する店舗兼住宅から供給されています。したがって、離れの建物から電力を供給するように変更すする必要があります。ということは、離れは今までの消費電力量以上の電力を使うことは明らかで、今まで30Aで契約していたのを50A程度にアップしなければいけません。

ということで電気工事内容を全部挙げると次のようになります。
・分電盤の交換(6系統から10系統へ)
・ブレーカーの交換(30Aから50Aへ)
・電気メーターから分電盤までのケーブル線径アップ
(隠蔽配管は無理なので、ダクトを使用した屋外配線になります)
・キッチンと玄関の電気配線を離れの分電盤へ接続変更
これ以外にも前述した業務用冷蔵庫の関連で次のような作業もあります。
・離れに移設される三相200V電気メーター前後の配線
・三相200V用分電盤の準備
・三相200V分電盤から業務用冷蔵庫への屋外配線
・業務用冷蔵庫の制御・電灯のためのAC100V配線

やれやれ、いくらかかるやら・・・。