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解体工事
第四〜第六日目 流浪の民

☆6月17日
鉄骨の切り取りが始まりました。アセチレンガスバーナーで二階トラス形状の鉄骨を切断して少しずつ取り除いていきます。”若旦那”父の印象によると、鉄骨の切断が素人目にも大変と感じるそうだ。
屋根も剥がされているところを見ると、屋根の瓦は昨日全部撤去されていたようです。
建物の骨格である鉄骨をしげしげと見ると意外に丈夫そうだなと感じます。鉄骨部分は少しずつ丁寧に撤去されるのですが、木材の部分は重機でバリバリと勢い良く壊していきます。ただし、一階部分の鉄骨が残っているため重機のアームが二階の上部まで届かずに難儀していたそうである。


☆6月18日
一階部分も鉄骨が切り取られ始めました。ただし、両端の柱は残したままになっています。毎晩の観察時には断熱材の痕跡が確認できないため、当時の建物は断熱材が無かったのかなと思っていたら、最初に壁を剥がしたときに全部撤去したそうである。分別して回収処理する効率をあげるためなのでしょうかね?

大量の木材廃材

一階天井は7割方撤去されている

このダンプで分別された廃棄物が搬出されます

この晩、真っ暗な中で懐中電灯を持ちながら残された建物を観察していました。すると何やら黒い物体があちらこちらにうごめいているのに気づきました。なんだろうと凝視してみると、それはゴキブリでした。生鮮食品を扱っていたことから店舗には、昔からゴキブリが大量にいました。(大きな声では言えないような事ですが、当店にいらしていたお客様はよ〜くご存知かもしれません。)
解体工事が着々と進み安住の住処を失いつつある彼らはどこへ行くのでしょうか?解体工事後に離れにゴキブリが増えたという印象も受けないので、彼らは近隣のお宅へと引越しをなされたのか、それとも店舗とともに運命を共にしたのか・・・。


☆6月19日
解体工事前半戦の山場のようです。

少しだけ不安定に残っていた西端の二階部分を撤去するそうです。この場所の真下が通路になっているのですが、今日は危険なので通らないように指示されました。
作業終了後の様子です。二階部分が消滅しました。
一階天井も一部が残るだけです。取り壊されていない階段から俯瞰で撮影した写真です。
一階柱は間引かれているのがわかります。
廃棄物が分別されています。左が鉄、右がアルミ
見にくいのですが、足場のパイプにロープが接続され、そのロープが重機のアームに固定されています。
壁が万一倒れたとしても被害を食い止めるということでしょうか?
これは解体中の建物の通路から上を見上げた様子です。剥がれたモルタルの外壁が足場のネットに引っ掛かって宙ぶらりんの状態です。この下を通れというのでしょうか?作業後の安全確認を確実におこなっていただきたいものです。
人払いをしたのちに自分でこの剥がれた外壁を突っついて落としましたが、落ちたときの衝撃は凄まじいものでした。当たったら死んでもおかしくないと断言できます。ちょうど宮山さんとお会いしたので指摘させていただきました。宮山さんから解体業者さんに連絡がいったようで月曜に責任者の方が”若旦那”父のもとへ謝りに来てくださいました。くれぐれも安全優先でお願いします。