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解体工事
第七〜第九日目 ”若旦那”母の一言

☆6月21日
台風六号の接近にともない解体作業は中止。

しかしながら、鉄・アルミ・木材等の廃材が片付けられて綺麗になってます。
また、解体家屋の階段の開口部にはブルーシートが貼られて雨・風を防ぐようにされています。


☆6月22日
見た目にあまり変わっていないように思えるが、県道に面した鉄骨がほとんど切り取られています。

県道に面した北側の鉄骨柱は切り取られている。
西側は壁一枚を残すのみ。
南側は壁一枚と階段が残っている。

☆6月23日
階段部分も完璧に撤去されました。解体されずに残される古い建物の断面がブルーシートで養生されています。古い玄関の壁に相当する部分ですが、新居完成後に渡り廊下で接続されるまでの約半年間はブルーシートが被された状態で保持されます。

この切り取り面の暫定補修は、大和建設の大工さんが三人でおこないました。
ちょうど作業を終えて帰られるときにお会いしたのですが、丁寧な挨拶をいただき好感がもてる方々でした。
玄関内部の様子です。
階段の開口部だった部分には、廃材で塞ぐ処置がされています。
残された鉄骨は通路部分の数本だけとなりました。
店舗だった建物の壁が全て取り去られたこの日、”若旦那”母が、”ねえね”と”マポピ”に話しかけているのを聞いてしまいました。
若旦那母:「”ねえね”、”マポピ”。ばあばとじいじのお家が無くなっちゃったよ。」
      「全部無くなっちゃったよ・・・。」

小売業は一年半前に辞めていたとはいえ、”若旦那”父と”若旦那”母にとっては、三十余年前に自分達が借金をして建てた店舗が消滅し、ここに青果店が存在していたことも皆の記憶の中だけになってしまった現実を寂しく思っての発言だったのでしょう。
これから建築される新居が何十年かたったときに取り壊される状況を自分自身が見たら同じような気持ちを抱くんだろうなと痛切に感じました。