第206回例会 『天切り松〜人情闇がたり〜』報告 会員697名 入会11名 退会26名 (−15) 参加率89% ●たいへんよかった 59.4% ▲よかった 32.2% ○ふつう 7.9% ×つまらない・わからない 0.5% ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲○○○○ ←当日アンケート集計結果 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■□□□□□□□□□□□□□□ ←アンケート提出率71.6% 感想文集 |
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↑マウスでクリック ●松蔵さん、天切りって何ですか? 松蔵 : 「天切りたァ、大江戸以来の夜盗の事。 ケチな所帯にァ見向きもせず、忍び返しに見越しの松、長屋門に車寄せてえお屋敷ばかり、 夜に紛れて屋根を抜く、 富蔵、藤十郎、鼠小僧の昔から、一子相伝、親分から子分へと伝えられた荒技でえ。」 ●闇がたりってどういうこと? 松蔵 : 「六尺四方にしか聞こえない、暗闇に紛れて活動するあっしら夜盗ならではの声音を使った話し方のこったァ。」 |
上演終了 第206回例会 イッツフォーリーズ ミュージカル天切り松〜人情闇がたり〜 2007年5月13日(日) 午後6:30 開演 藤枝市民会館ホール |
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ドラマ化もされた浅田次郎の人気小説をミュージカル化! 大正時代の世の中で仁義と人情を大切にする夜盗一族の物語。 主人公「松蔵」に左とん平を迎え、フォーリーズの実力俳優を揃えた粋でいなせなミュージカル。 テーマ曲「天を仰いで」は観る人の心をとらえます。 ■原作: 浅田次郎 ■脚本: 水谷龍二 ■演出: 鵜山 仁 ■出演: 左とん平、井上一馬、茂木沙月、津田英佑、金村瞳、水野龍司、井上文彦、小野文子、大塚庸介、関隆宏、中村つむぎ、肱黒尚子、阿野佳与子 ■ストーリー 時は現代。とある留置所で、下町の古い職人の様な身なりの老人・松蔵は六尺四方から先へは聞こえないという夜盗の声音「闇がたり」で、同じ留置所にいる若者に遙かな昔を語り始める…。 時は大正ロマン華やかなりし頃。明治のスリの大親分、「仕立屋銀次」の子分、「目細の安吉」。目細の安吉一家は、盗られて困らぬ天下のお宝だけを狙い、貧しい人々には救いの手をさしのべる、帝都に名を馳せた義賊であった。 一家には安吉親分を筆頭に、若頭で説教好きの虎弥、美人スリのおこん、百面相の常次郎、そして父親に身売りをされた、少年時代の「まつ蔵」がいた…。 |
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データブック | くまさんの独り言 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機関誌「あけび」より 原作者:浅田次郎のことば(抜粋) めくるめく高度成長の時代に、私の生まれ育った東京は喪われてしまった。いくども書いているように、この徹底的な喪失はダムの底に沈んでしまったふるさととどこも変わらない。 まずまっさきに言葉が沈んだ。すこぶる地方色の濃い江戸方言は、下品な言葉とされて学校でも矯正され、標準語を使うように教育された。さらにテレビの普及が方言の破壊に追い討ちをかけた事実は、どの地方でも同じであろう。 当然のことだが、言葉とともに気性も喪われた。心が声とともにあり続けていたことを、愚かしくも私は後になって知った。たとえば上品な標準語で愛の言葉を囁くとき、何となくセリフを読んでいるような背信を感じた。あるいはやはり上品な声で誰かを面罵するときなども、おのれの怯懦と苛立たしさを感じた。 「天切り松 闇がたり」を書いた動機といえば、ひとえにそれである。祖父母が使っていた江戸弁を思い起こしながら筆を進めていくと、江戸前の物語はいくらでも作り出すことができた。まさしく、声は心である。 |