私がNursery Rhymeに興味を持つようになったのは、この本がきっかけでした。 その頃、小学生か、中学生になったばかりだったと思うので、おそらく詩や絵が 可愛らしかった事に興味を引かれたんだと思います。 その時から、現在に至るまで沢山のNursery Rhymeの本を読んできましたが、 今でもこのシリーズは、私の一番のお気に入り。 何度も何度も読み返しているので、一代目はすでにボロボロ、現在は二代目を愛用 しているのですが、セロテープで何度も補修してあって、ページも茶色く変色して います。 お風呂場に持ち込んで、一人暗唱していたりするので、無理もないかもしれません。 全四巻のシリーズで、336篇のRhymeが収められています。 ページを前から開いていくと、谷川俊太郎さんのリズミカルで楽しい翻訳と 和田誠さんのほのぼのした挿絵。後ろからは英語の原詩と、平野敬一さんの解説が、 一曲一曲に添えられています。 価格もお手ごろで、読みやすい文庫(講談社)版、解説もとても丁寧なので、 初めての方にもお勧めですが、とても濃厚な内容だと思います。 |
Snowmanでおなじみの、Raimond Brigsのイラストが満載の 「The Mother GooseTreasury」 ぱらぱらとめくっていくだけでもとっても幸せになれる、お得感いっぱいの一冊です。 なんと言っても、イラストの数が半端じゃありません。 Rhymeの数408に対して、イラストの数が897ですから! 集められている曲も、スタンダードなものはもちろん、亜流として広まっているものも いくつか収められています。そんな曲を探すのも楽しいものです。 日本語の解説などは入っていませんが、意味や由来などを気にせず、 純粋にRhymeを楽しみたいときには、この本を手に取ると、 ほっと一息つける気がします。 |
変り種なのがこちら、出版されている「まざあ・ぐうす」。 なんと、北原白秋訳です。 文章がレトロで雰囲気たっぷり! その上北原先生、ずいぶん乱暴なものの言いようです。 たとえば、Oranges And Lemons から一部を 抜粋しますと、 When will you pay me? → 「いィつはろうてくれるんじゃ」 I'm sure I don't know. → 「おれんしったこつかい」 まさに一触即発の状態。(笑) Doctor Fosterにいたっては、勝手に「やぶ医者」扱いになっています。 はしがきを見ると、大正十五年となっています。 この時代だからこそ出来た、個性たっぷりの自由な訳という感じがします。 解説は、平野敬一さん、挿絵はスズキコージさん。 |
左の二冊は鳥山淳子さんによって書かれた本で、 映画の中で使われたNursery Rhymeを 紹介しています。 映画を見ていて意味不明な英語、または日本語訳を 聞いて不思議に思った事はありませんか? そんなフレーズのいくつかは、きっと Nursery Rhymeの中に見つかるはずです。 映画の中に不思議な表現を見つけたら、 ぜひこちらの本で探してみてください。 実は私も過去に二つほど映画の中での引用を見つけ、 鳥山さんにお葉書を書かせていただいた事があります。 もう何年も前のことなのですが、最近ひょんな事から、 鳥山さんがその葉書をまだ大切に持っていてくださった ことを知り、とても嬉しく思いました。 映画の中からRhymeを見つけるのは、宝探しのようで とっても楽しいです! ぜひチャレンジしてみてくださいね。 |
ラボ教育センター出版の「詩とナーサリー・ライム」は、全3集。カセット付きです。 こんなことを書くのは申し訳ないのですが、装丁も本の構成もとても地味。 どう見ても、華やかな印象はないシリーズです。 ですが、私が愛してやまないのは、その朗読テープ! 発音が、とてもとてもキレイで丁寧なのです。 殆どのNursery RhymeのテープやCDは、当然と言えば当然ですが、子供向けの 作りで、ポップでノリノリな編曲がされていることが多いのです。 まあ、それはそれで楽しいのだけれど、たまにはしっとりと、言葉自体の美しさ、 楽しさを味わいたい…そんな時に、無性にこのテープが聞きたくなります。 タイトル通り、全巻の最初には子供のための詩がいくつか入っているのですが、 それもまたしっとりと、味わい深い。 こんなことを書いていたら、また聞きたくなってきてしまいました。 |
イラストレーターのひらいたかこさんと、磯田和一さんのお二人での作品です。 Nursery Rhymeの専門書というわけではなく、いくつかのRhymeの ゆかりの地を訪ねて、そこで見つけたものや出会った人について、 イラストやエッセイで紹介していく本です。 ページいっぱいにちりばめられた可愛かったり美しかったりするイラストに合わせ、 手書きの文字のエッセイがやさしくて、まるでおもちゃ箱を開いたような一冊です。 どちらかというと、旅行記として読まれるほうが正しいのかも… でも、いつか私自身、Nursery Rhymeゆかりの地を 訪ねて回りたいと夢見ていますので、 この本を手にすると、むしょうにワクワクしてきてしまいます。 |
MOTHER GOOSE 1 2 3 | 講談社英語文庫から出ている、カラー挿絵のシリーズ三冊。 英語でRhymeが紹介されていて、巻末には、単語の意味と、 歌の解説が入っています。 詩のまるごとの訳はついていませんが、単語を頼りに、自分で訳していくのも楽しそう。 挿絵は小林与志さん、解説は、斎藤誠毅さん。 |
マザー・グース・ベスト | 草思社から全3集+CDのセットで出ています。一番最初に出ている 谷川俊太郎さんの訳のゴージャス版(?)。 堀内誠一さんのカラーイラストがおどろおどろしくて、Nursery Rhymeのダークな部分を 上手に表現してくれています。 CDは、英語の朗読の後に、谷川俊太郎さん自ら日本語訳の朗読をしています。 |
マザー・グースを くちずさんで |
A4サイズの大きな本。構成がバラエティーに富んでいて、写真もレイアウトもステキ! とてもおしゃれな本です。出版は求龍堂グラフィックス。監修・文は鷲津名都江さん。 エッセイも沢山盛り込まれています。 |
マザー・グースを たずねて |
こちらも鷲津名都江さんの本です。写真とエッセイで構成されていて、 ご自身でRhymeゆかりの地を訪ね、歌の解説や歴史だけではなく、 Rhymeの「現在」をも伝えてくれます。 ひらいたかこさんの本のところでも書きましたが、Rhymeゆかりの地を 訪ねていくことには本当にあこがれます!楽しくて、うらやましい本です。筑摩書房。 |
THE ARNOLD BOOK OF MOTHER GOOSE | アメリカKNOPF社から発売の、イラストブックです。 この本は、華やかなイラストに惹かれて購入しました。曲数は300以上。 |
イギリスから、この分厚くて重い本を持ち帰ってきました。 The Oxford Dictionary Of Nursery Rhymes。イギリスでのRhyme研究の第一人者、 Iona and PeterのOpie夫妻の作品です。 「Dictionary」というだけあって、厚さも4センチ近く、 内容も詳細にわたっていて濃厚です。 Rhymeのいくつかは、長年子供世界や、日常の中で口にされているうち、 その形が変わってきています。 歌詞が違ってきているものもあれば、曲が変化していったものもあります。 この本のすごいところは、そんな時代によって変化していったRhymeが、 とても多く含まれている事! 目次を見てみるだけでも、他では見る事が出来ない、レアもののRhymeがたくさん 収められています。 他の本で見つからないRhymeは、最後の手段として、この本で探します。 Opie夫妻の執念を感じる?秀逸な作品です。 |
The PUFFIN BOOK of NURSERY RHYMES |
こちらも上記と同じく、Opie夫妻の本のうちの一冊。 この本は、ペーパーバックで、イラストも多く、解説は殆どのっていませんので、 Dictionaryよりは、気負わずに読むことが出来ます。 軽いので、お風呂で読むのにもおすすめです。(私は読んでます(笑)) |
This Little Puffin... | Elizabeth Mattersonによる、PUFFIN BOOKシリーズ。 イギリスでは、児童書コーナーに、沢山のRhymeの本があって、似たようなものも あるのですが、この本は、楽譜がついているのが、愛らしい! 簡単に、遊び方を図解してくれていたりもします。読みやすい構成です。 |
マザー・グースの唄 | 平野敬一さん著、中公新書から出ている専門的な本です。 ページ数もそれほどなく、取り扱っている曲も少ないのですが、 Rhymeを「研究」するにはまずは、この本を読んでから! Nursery Rhymeのなんたるかを知るには、必要不可欠な本だと思います。 |
マザー・グース童謡集 | 上に同じく平野敬一さんの本ですが、表紙もレトロポップで(笑)「マザー・グースの唄」 よりは、とっつきやすい装丁と内容です。 前半にかなりのページを割いて楽譜が収まっていて、解説も一曲一曲にわけて丁寧に 入っていますので、曲調を知るには便利な本です。 |
英語で読もう Mother Goose |
続いて、平野敬一さんの本。くだけた内容で、「人気ライムトップテン」 「人気キャラクター」「なが〜いライム」などなどにジャンル分けされていて、 親しみやすい構成です。 数曲に、強弱のアクセントも記してあり、採用している曲はメジャーなものが 主ですので、子供に英語を教えている方などが使いやすい本かもしれません。 |
私には、とてもとても特別な本が、この「The Oxford Nursery Rhyme Book」です。 Opie夫妻によるもの。 Somersetにいた頃、ステイ先の家の本棚に、カバーもなくなるほど読み込まれた この本を見つけ、滞在中に何度も借りて読み返していました。 そして、滞在最後の日、ステイ先の家族が新しくこの本を探して買ってきてくれ、 私にプレゼントしてくれたのです。 表紙をめくると、家族全員の名前と共に 「We will always think of you as one of our family」と書かれていました。 今でもその文字を読むと当時お世話になった事を思い出し、涙が出てきます。 ですから、これはもう別格。私の一生の宝物です。 もちろん、Rhymeの本としても逸品です。 |
マザーグースの 唄が聞こえる |
藤野紀男さん著。洋版出版です。 文体が語りかけるようで読みやすく、解説も優しい言葉でわかりやすく書いてあります。 また、日本のわらべうたを多く比較対照として扱っていて、Rhymeを知らない人にも 身近に感じる事が出来るのではないでしょうか。 |
マザーグース案内 | 同じく藤野紀男さんの本です。大修館書店出版。 幼児をあやす歌、数や曜日、月の名を覚えるための歌、願掛け歌、などのジャンルに 分けられていて、上記の本と同じく、日本の歌と比較しながらの解説です。 個人的には、藤野さんの解説が、いちばん読みやすく思います。 |
マザー・グース 愛される唄70選 |
谷川俊太郎さん訳、渡辺茂さん解説です。 谷川さんの訳はいろいろな所で引用されているようです。 意訳もありますが、やはりリズミカルなところが、とても魅力。 講談社からの出版です。 |
Wee Sing | A Prince Stern Classicから、4冊のシリーズ。 Nursery Rhyme&Lullabies、Children's Songs and Fingerplays、Sing-Along、Play というタイトルです。 中は、わら半紙のようなリサイクルペーパーに、手書きの楽譜、絵、文字。(一部活字) しかも、その挿絵は、お世辞にも上手とはいえません。 ページの真ん中はなんと、ホッチキス止め。CD付ですが、そのケースは紙袋。 同人誌かい!とつっこみを入れたくなる作りですが、これが意外にも優れもの。 まず楽譜ですが、今までも、楽譜付の本は何冊かご紹介しましたが、 このシリーズは、殆ど全ての唄についているのです。 そして本には唄しか入っていないのにもかかわらず、CDには物語りが入っていて、 たとえばNursery Rhyme&Lullabiesでは、Georgie PorgieとJack&Jill、Maryが Old King Coleのお誕生日にお祝いを持って会いに行こう!というお話。 Old King Coleのところにたどり着くまでに、いろんなRhymeのキャラクターに出会い、 そのなかで唄が紹介されていく、という設定になっています。 何度聞いてもあきないシリーズです。アメリカ英語なのが、ちょっと残念ですが、 お勧め品です。 |
CDは紹介しきれないので、とても残念ですが割愛させていただきます。 でも、この「オフ・オフ・マザー・グース」は、あまりに異色なので、載せてみました。 一番最初に書きました、谷川俊太郎さんの本の挿絵を担当している、和田誠さんが、 今度は訳詞をしていらして、それに櫻井順さんが曲をつけています。 歌われているのは日本語、それも曲が新たに作曲されているので、 果たしてこれをNursery Rhymeとしていいのかどうかと思うところですが、 そんなことを差し置いて、驚くべきは、唄を歌っている方たち! 一部の方だけ紹介しますと、岸田今日子さん、柳葉敏郎さん、坂本冬美さん、 岩崎宏美さん、黒柳徹子さん、井上陽水さん、大竹しのぶさん、野坂昭如さん、 デーモン小暮閣下、水前寺清子さん、真田広之さん、忌野清志郎さん… いや、もう錚々たるメンバーで、すごいことになっています。 私の好きなのは、井上陽水さんの「みんなくたくた」。(We are all in the dumps) あの独特な声で、実にくたくたに、かつセクシーに歌っていらっしゃいます。 Rhyme好きでなくても、充分話のタネになるCDです。 |