遥かなるイエローストーン

2日目・・・8月23日(日)/晴れ・・・キャニオン他、を観光する

朝起きると、うむ、涼しい・・・ものすごく涼しい・・・寒い(笑)。どれどれと外に出てみると、車の窓には氷が(^^;・・・温度計は氷点下1℃を指しています。うーむ、期待外さずに涼しいのはいいが、真夏にここまでやるとは只者ではないぜ、イエローストーン(笑)。なんかとんでもないとこに来てしまったのではないかという期待と不安を抱きつつ、持ってて良かったのフリースパーカーを着込んで、キャビンの回りを散歩しながらロッジの母屋に朝食をとりに向かいます。

りす♪途中、かわいいリス(Least Chipmunk)を見かけました。体は、子供の握りこぶしくらいでしょうか。それに10センチほどのしっぽがついています・・・あううう、店主、こういう「かわいい系」に弱い(笑)。結構人に馴れてて、かなり近付いても逃げません。で、周りを見回すと、あそこにもいる、をを更にもう一匹発見、お、こんなとこにも・・・うじゃうじゃ居る(笑)。

母屋到着。朝7時ですが、既にカフェテリアは営業しています。このイエローストーンの宿泊、食事、アクティビティなどの各種サービスはAmFacという会社がマネジメントしているらしいのですが、豪華ではないものの必要充分、きちんとした気配りが全てに感じられ、好感が持てます。また働いている人の名札には名前とともに出身地が書かれています。この日朝食の世話をしてくれたアリーナさんはイタリアから、ブライアン君はアラバマ州からやって来ていました。

値段お手頃、味もばっちりの朝食に満足し、チェックアウトを済ませて今日の目的地であるオールド・フェイスフル(Old Faithful)へ、途中のスポットを観光しながら向かいます。今回店主たちが通っている道は幾つかの点を結びながら公園内の下側の観光スポットを1周できるロウアー・ループ(Lower Loop)、と呼ばれる道です。

まずはキャニオン(Grand Canyon of Yellowstone)。イエローストーン湖(Yellowstone Lake)から流れ出たイエローストーン川(Yellowstone River)が大地を穿ってできた、全長約50キロ、深さ270〜400メートルのV字渓谷です。アッパー滝(Upper Falls、落差約30メートル)とロウアー滝(Lower Falls、落差約90メートル)という二つの滝があります。

ロウアー滝遠景渓谷の北側を走る道路、ノース・リム(North Rim)で最初に止まったのがインスピレーション・ポイント(Inspiration Point)、渓谷全体が把握し易いという事で、どれどれと歩いて行ってみると・・・をを、これはすごいっ!展望台の足元から一気に渓ぞこまで続く斜面・・・しばし絶句し、しかる後にルックアウト・ポイント(Lookout Point)に移動してロウアー滝の全景がより近くに見える展望台へと渓谷を下り始めます。

この公園全体に共通していますが、各スポットには必ず駐車場が設けられています。見どころの直近である事もあれば暫く歩かなければならない所もあります。まずこのロウアー滝で、徒歩でのアプローチの洗礼を受けました(笑)。九十九折りの歩道をてくてくと下りる事20分、やっと展望台にたどり着きます。

ここから移動して、ブリンクス・オブ・アッパー・フォールズ(Brinks of Upper Falls)でロウアー滝の落ち口に出られるトレイルがまたも20分ほど・・・しかし疲れはするものの、トレイル自体も普段まっ平らな土地に住んでいる店主には新鮮で楽しい♪

この後、アッパー滝の落ち口まで下りてみた後に渓谷南側のサウス・リム(South Rim)へと移動しました。ここでは大抵の渓谷の写真がここから撮影されるというアーティスト・ポイント(Artist Point)で渓谷のスケールと遠くに見えるロウアー滝の景観に感動し直しました。

「イエローストーン」の名前の由来ですが、一説には、公園のそこここで見られる岩がこの画像の様に黄色っぽいものであるので、とも言われています。

ヘイデン谷のイエローストーン川その後、イエローストーン湖(Yellowstone Lake)のフィッシング・ブリッジ(Fishing Bridge)へと向かいます。この橋、そう命名されているくせにそれが架かっている辺りでは禁漁です(笑)。途中のヘイデン谷(Hayden Valley)は、草原の中を縫ってゆったりと流れるイエローストーン川と遠くの山の景観が素晴らしい場所です。早朝には多くの動物を見かけられるという事ですが、これは数日後に実感する事になります(笑)。

暫く進んだ先の道脇のマッド・ボルケーノ(Mud Volcano)で、ここに来て初めて、名物である熱水現象を目の当たりにします。もくもくと蒸気が上がり、周りには温泉地帯におなじみの硫黄の匂いがたちこめ、ぼこぼこと熱そうな泥水が沸き返り、木が立ち枯れてそこが特別な場所であるのを実感します。

更に進んでもうじきイエローストーン湖だという所で、小さなピークを越えた瞬間に見える、彼方に広がる湖の景観にまたもや車内騒然となります(笑)。何にしても逐一スケールが大きい。イエローストーン湖の見かけの雰囲気は、ちょうど富士五湖の一つ、本栖湖を彷彿とさせます。大きさは琵琶湖の1/3程だそうです。

フィッシング・ブリッジを渡った所で昼食をとり、更に湖沿いに進んで、途中湖岸の熱水現象帯で止まったりしながらウェスト・サム(West Thumb)を越え、本日から3泊を過ごすオールド・フェイスフルのキャビンにチェックインしました。

イエローストーンでの宿泊にはキャンプ、ロッジ、ホテルなどいくつかの方法がありますが、このキャビン(小屋)もポピュラーな方法の一つです。店主、山の中の宿泊用の小屋、というと思い浮かべるのがキャンプ場のバンガローなのですが、このキャビンは各部屋にベッド2つとトイレ、バスなどを完全装備した非常に快適なものです。イメージ的にはホテルの部屋の設備を、装飾を質素にしたものになります。価格によって広さや新しさが異なりますが、ベッドメーキングもきちんと毎日行なわれ、とても快適に滞在できます。このオールド・フェイスフルのキャビンはややせまめながら、店主が宿泊した時には1泊$44、と、ピークシーズンの観光地の宿としては破格の安さです。

キャビンに荷物を置いてから、ここのビジターセンターのパークレンジャーのデスクで釣りの許可証(Fishing Permit)を入手します。今回の目的の一つが公園内での鱒釣りです。3年ぶりにフライ・フィッシングをしようという店主、果たして首尾よく魚を手にする事ができるのか・・・これは別途レポートします、わはははは(^^;。

それからこのエリアの名前の由来になった大きな間欠泉、オールド・フェイスフル間欠泉(Old Faithful Geyser)を見に行く事としました。フェイスフル、とは「忠実な」という意味だそうで、発見当時に約65分間隔で、期待を裏切る事なく(笑)約30メートルの高さに湯と蒸気を吹き上げていたのでこの名前がついたそうです。ビジターセンターには、このオールド・フェイスフルを含め、このエリアにある幾つかの間欠泉の噴出予測時間が掲示されているので要チェックです。因みに、このオールド・フェイスフルの予測時間に対する「公差」は±10分で、他のものの±30〜40分、10日以内(笑)などに比べると抜群の「高精度」です。

掲示板を見てみると、あと15分ほど、午後4時40分あたりに噴出があると予測されていました。早速オールド・フェイスフルの前に移動し、座り込んで待ちます。見ているとしゅうしゅうという感じで蒸気を吹き続けていますが、時折ぼうっ、と多めに蒸気と少しの湯を吹き出すと観衆がどよめきます(笑)。特に「±10分」の中に入る4時30分頃からはどよめきが一段と大きくなります(笑)。

そして、店主の時計で4時42分、ついに噴出が始まりました。離れているせいか音は意外と静かなのですが、その様は実に豪快です。店主、間欠泉の吹き出し方というのは噴水の様な物を勝手に想像していたのですが、「爆発的に」という言葉が似合う感じで、吹き出すというよりは、連続して打ち出す、という表現が似合いそうです。数分後、オールド・フェイスフルは「アイドリング状態」に入り、次の噴出まで65±10分間(笑)の休息に入りました。

この日の夕方、近くのファイアホール川(Firehole River)で1時間ほど釣りをしてみました。このファイアホール川は川岸に沢山の熱水現象が見られる事からその名がついたそうです。場所によっては湯気を立ててどぼどぼと川の中に湯が流れ込んでいます。またオールド・フェイスフルの中を流れてもいます。釣果は・・・わははは(笑)。

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