遥かなるイエローストーン

6日目・・・8月27日(木)/晴れ・・・馬に乗る

バッファローの群れ・・・圧巻朝は家族の有志3人(笑)でイエローストーン川(Yellowstone River)に釣りに行きました。キャニオン・ビレッジからヘイデン谷を通る、2日目にイエローストーン湖に向かったのと同じルートを通ります。今朝は霧が深く、視界も多分15メートルほどだと思います。その霧の中を行く先行車がいきなりスピードを落としたので抜きにかかると・・・うわぁぁぁ、どえらい数のバッファローたちが道のまわりに展開しています(大汗)。店主も急減速です。100頭ではききません。その群れがゆっくり道路沿いに移動しながら草を食べています。困った事に何頭かは道路をあちらこちらと横切ります。どかす訳にもいかないので、ってどかして良くてもどうすれば良いのでしょうか(笑)、仕方なく居なくなってくれるのを待ちます。

釣れまっか〜?待つ事しばし、なんとか道の上からは居なくなり道路がクリアになった瞬間をついて脱出し、イエローストーン川へとひた走ります。川では今回初めて腰の上まで水に入り・・・冷えました(^^;。

午後は予約をしてあったホースバック・ライディング(Horseback Riding)に出かけます。キャニオン・ビレッジ近くの牧場に行くと、ちょうど前のグループが帰ってくるところでした。見ていると馬達は牧場のおねいさま(カッコイイ♪)に導かれ、おとなしく一列になってとことこと歩いてきます。「うむ、これなら安心ぢゃ♪」、と楽観した店主・・・これがとっても甘い見込みであった事がしばらく後に判明します(笑)。

愛馬と(笑)「事故がある可能性を知ってて乗るんだもんね、牧場側には責任を問わないよん♪」、という書類にサインし、裏の、馬の扱いに関する注意書き(笑)を読んでいると件のかっこいいおねいさまからの諸注意が始まります。その後に柵の中に入れられ、両手を広げて間隔を空けて立つと懐かしいラジオ体操第一、よーい・・・じゃなくて、今日自分を乗せてくれる馬を渡されます。むーん、店主、成り行きで20人ほどのグループの殿を務める事となりました。で、渡されたのがスィンク(Swink・・・?)という、白地に茶の点々、という一頭でした。

おねいさまがつかつかと店主の方に歩み寄り、なんだなんだえええおいらが最初に乗るのかいこれがホントの一番乗り、などと下らない事を考える間もなく、乗る様に言われます。腰のちょっと下あたりにある鐙(あぶみ)に足をかけ、鞍の取っ手(・・・なんて言うんだろ(^^?)に手をかけて一気に、跳びあがる様に跨ります。うわぁぁぁ、高いっ! 鐙を調整してもらって鞍に座って手綱を握ると、むー、なんだか楽しくなってきた。しっかり歩くのだぞ、スィンクよ(笑)。

馬に動いてもらう(・・・「乗馬」と言えるほどの物じゃないもんなぁ、きっと(^^;・・・)為の基本は意外と簡単です。手綱を右に引くと右に、左で左に曲がります。引き絞ると減速>>停止>>後退、と移行しますので、自分が望む状態になったら緩めます。速度を上げる時には足で腹を蹴ります。

さぁ、いよいよ出発です。先頭から、おねいさまの馬に続く様に1頭づつきれいに列を作って動き出します。自分の前の家内の馬が列につき、いよいよ自分の番・・・う、動かん、こいつ(^^;。別のおねいさまが「蹴れ、蹴れ!」と店主に指示を出します。ぽこん、と腹を蹴ってやると、とことこと動き出しました。歩き出して数分で牧場は見えなくなり、細いトレイルが彼方まで続く原野に入ります。うをををを、いいじゃんいいじゃんウマってサイコー♪、とはしゃぐ店主(笑)。前の馬達がたてる埃がちょっと目に入りますが、高いところから見つつ移動する原野には涼しい風が吹きぬけ、至福の状態・・・だけどやっぱり、良い事は長くは続かない(笑)。

このですね、スィンク君、なんで殿にされたのか何となくわかってきました。ほっとくと歩くのがどんどん遅くなるのです。そのたびに腹を蹴って喝を入れるのですが、そのままにしておくと今度は前を行く家内の馬のお尻に鼻をごんごんと当てるくらいまで近づく。そのたびに手綱を絞って減速します。しばらくは良いのですが、また遅れだすので喝入れ>>ごんごん>>減速、の繰り返し、結構忙しくなってきました(^^;・・・どああぁぁぁぁ、いきなり走ったぁぁぁぁ(笑)。慌てて手綱を引き絞ります。てくてくと歩いている内は良いのですが、下りと駆け足の時には乗り心地が極端に悪化します。鐙の上に立ち気味になって衝撃をいなしながら、店主、同じ「ライディング」であるモトクロスを思い出したのでした。

むーん・・・スィンクったら道草、文字通りに道端の草を食べ始めた(笑)。草を食べだすとちょっとやそっとでは動きません。んで、おねいさまいわく、「踵で蹴れ」・・・ぼこっ・・・をを、効いた。食う>>ぼこっ>>歩く>>食う>>ぼこっ>>歩く・・・乗っている、という実感を思いっきり味わわせてくれるスィンクであります。ホント、お前で良かったよ、相棒(笑)。

それでも途中、切り立った谷の縁や一面緑の草原など幾つかの素晴らしい景観の中を通ると、ぽこぽこという蹄の音も気分を盛り上げ、あー、乗ってみて良かった、と前後左右上下に揺られながら思う店主でありました。残念なのは、安全面からということでカメラ等を持ってのライディングができないことでした。でもほんとに思い出深い時間だった。

あっという間に予定されていた1時間は終り、牧場に戻ってきました。もうちょっと乗っていたかったなぁ・・・その日から数日間、鞍に当たってできたお尻(実は大腿骨の付け根のあたり)の痛みがまだあるのを認める度に思い出は美化され、心の中のスィンクは名馬となっていくのでした(笑)。

この日の夕方、ここでの最後の釣りをイエローストーン川でしましたが、釣れませんでした(涙)。

無念・・・

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