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「乳がん誤診が全国で」−検診キャンペーンに警鐘−
更新履歴





「乳がん誤診が全国で」
 -- 検診キャンペーンに警鐘 ―

 
全国から届いた声
MSN
産経ニュース関西版2014.7.2 07:00
(1・2・3/3ページを連続して記事本文のみ転載)
(以下、転載始め)

誤って切除された「乳房」・・・乳がん患者の「検体」が間違えられ、これでは患者は身を守れない

2014.7.2 07:00 (1/3ページ)
 乳がんの検体検査で良性腫瘍(しゅよう)とされた成人女性が、別の女性患者の検査結果と取り違えられるミスから、必要のない乳房の一部切除手術を受けていたことが兵庫県内で6月に発覚した。乳がんの誤診による乳房の切除ミスはこれまでにも全国の病院で発覚、問題となっている。医療機関側がミスの防止を徹底させることは当然の義務だが、患者側が自分に降りかかる誤診やミスを回避する術(すべ)はないのか。専門家は「セカンド・オピニオン」の重要性を訴えるが、今回のように検体を取り違えるというミスは「患者側には防ぎようがない」と指摘している。(前田雅紀)

差し替わった検体

 兵庫県高砂市の高砂市民病院で6月16日に発覚した切除ミスの経緯はこうだ。

 市民病院は今年4月上旬、良性腫瘍の成人女性から採取した検体が、同じ日に採取した乳がんの疑いのある別の50代の女性の検体と差し替わったことに気づかず、検査結果を同県南部の別の病院に送付。成人女性はこの病院で5月上旬に乳房の一部を切除する手術を受けた。

 しかし、切除した腫瘍から、がん細胞が検出されなかったことから、この病院から市民病院に問い合わせがあり、検体の取り違えが発覚した。

 市民病院は院内に第三者による調査機関を設置し、検体の採取から検査、診断までの課程にかかわった医師や看護師、検査技師の9人にミス発生当日の状況を再現させる調査を行ったが、取り違えが外科外来か病理検査室のいずれで発生したかはまだ特定に至っていない。

2つの原因

 乳房の良性腫瘍を切除するという医療ミスは過去にも数多くの事例が報告されている。原因は今回と同様の検体の取り違いによるものと、医師の診断ミスによるものとに二分される。

2014.7.2 07:00 2/3ページ

 検体を取り違えたケースでは、岡山市の岡山済生会総合病院で平成19年、岡山県内の40代(当時)の女性が乳がんの疑いがあるとして、乳房に針を刺して採取した組織を調べる針生検(はりせいけん)などの結果を基に左乳房すべてを切除する手術を受けた。

 しかし、術後に切除した部分を調べたところ、がんが見つからなかったため再検査し、同じ日に提出された別の患者の検体と取り違えていたことが分かった。

 一方、医師の診断ミスの事例は検体の取り違えよりも多い。

 北九州市の市立医療センターでは23年、男性医師が福岡県内の50代(当時)の女性患者を針生検の結果を基に「乳がん」と診断。片方の乳房を切除したが、切除部分の組織検査で良性腫瘍と判明した。19年には新潟県立がんセンター(新潟市)でも医師の誤診によって女性の乳房の一部を切除するという医療ミスが起きている。

 乳腺外科医でベルーガクリニック(東京都板橋区)の富永祐司院長(51)は「このような検体の取り違えのミスは実は医療の現場では珍しいことではない」と打ち明ける。その上で「手術が必要なのかどうかという判断は、検体だけではなく画像診断など慎重な手順を重ねて行われるべき」と指摘する。

人的ミス?

 高砂市民病院では検体を容器に入れた後、ラベルに患者の名前を記入して別の容器に移す。検体の採取から検査、医師の診断までの一連の作業では、患者の確認をするための伝票が付いて回るという。今回の検体取り違えがどの段階で発生したのかは不明だが、大野徹院長は「いずれにしても人的ミスの可能性が高い」と認める。

 医療事故の分析などを行う第三者機関「日本医療機能評価機構」によると、平成19年1月から25年末までに同機構に報告された病理検体の取り違え事例は11件。このうち23年2月末までの報告分6件では、ラベルの貼り間違いや容器の取り違い、標本作製時のミスなどが原因として挙げられている。

2014.7.2 07:00 3/3ページ)

 同機構の22年の年報では、検体の取り違えが起こる背景の一つとして、医療現場の繁忙さによる業務中断の可能性を指摘する。このため、取り違え防止策として「業務の中断時や再開時のルールの確立」を求めている。

 兵庫県尼崎市で外来診療と在宅医療に携わり、医療関連の著書が多数ある東京医科大の長尾和宏客員教授(55)は「根底にある問題は、患者と対面して総合的に判断する病理医が不足していることだ」とも指摘する。

再発防止に向けて

 病院側が犯すこうした医療ミスを、患者自身が防ぐ手立てはあるのだろうか。

 「医者に遠慮する患者は長生きできない」(河出書房新社)などの著書がある新渡戸文化短期大学長の中原英臣氏(69)は、検査や診察で主治医以外の医者に手術方法や治療の選択肢など別の意見を求める「セカンド・オピニオン」の有効性を指摘する。

 ただ、高砂市民病院のケースについては「患者の検体を取り違えたという、医療行為以前のケアレスミスだ。どの医者も患者が別の病院で受けてきた検査を『検体を間違えている』と否定することはできない。患者の側からみても、防ぎようがない事故だ」とあきれる。

 高砂市民病院によると、誤って乳房の一部を切除された女性は外形的には大きな変化はないとしているが、精神的なダメージが大きいこともあり、医学的処置も含めた誠意ある対応をしたいとしている。

 今回のミスを受け、病院は検体検査のすべての段階でダブルチェックを徹底させることを明らかにしており、大野院長は「カルテとの突き合わせなどを複数の目で行い、2度と同様のミスを犯さないようにしたい」と話す。

 今回の医療ミスについて、長尾客員教授は「ミスの原因を調査し、再発防止に結びつける『医療事故調査』の制度をしっかり築き、適切な事後処理ができるようにしなければならない」と強調している。

(以上、転載終わり)




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