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雑記帳「弁護士と依頼人との関係」 私の裁判は終わったが、これから裁判を考えている人や悩んでいる人たちのために、私が経験した弁護士と依頼人との関係で気になる問題を書こうと思う。 弁護士のことで悩んでいる医療被害者を多く知っているし、ある市民団体が相談や訴訟などで弁護士と関わりをもった会員に「弁護士満足度調査」を行い、「訴訟を通して弁護士に満足したか」という問い(裁判結果に対してではない)に66%の人たちが弁護士に不満を抱いているという結果があるからでもある。 依頼人に書面を見せずに提出する弁護士 最近耳にしたことで気になることがあり、苦しかった過去を思い出した。 弁護士から依頼人(医療被害者)に、法廷が終わった後で原告準備書面(書面)が送られてきたという話を耳にした。過去に私自身も経験し、裁判の途中で弁護士を替えた要因のひとつにもなった。 私の最初の弁護士(前任者)は、私に書面を見せずに裁判所へ提出していた。裁判所に行くと、書面を裁判官、被告、前任者が手にしているのに、原告の私の手元にだけはない。そのため、法廷でのやりとりは理解できず、お客さんでいるしかなく、みじめな思いを味わった。 前任者の問題は書面のことだけではなかった。極めつけは、地裁DNA鑑定結果後、検証をいっさいしなかったし、鑑定のために中断していた裁判の再開について私が尋ねたとき、裁判所から期日を入れるように言われているのを放っぽってあると言ったことだった。 このひとことで、私は前任者を解任した。私はストレスで限界にきていた。 ちなみに、前任者は私と同じ医者を訴えていた久保山さんの弁護士でもあった。書面を提出前にみせてもらえなかったこともそうだが、久保山さんの裁判では高裁に控訴したことも結審したことも知らせてこなかった。 数年後に別の事件で、依頼人の意向を無視した理由で懲戒処分を受けたと聞き、私は納得した。 裁判の途中で弁護士をかえた私は、前任者と後任者の違いに大きな驚きと感動の連続だった。 後任の弁護士たちは協力医や関係者をたずねる際、私を必ず同行させてくれたし、法廷では傍聴席ではなく、弁護士と並んで原告席に座らせてくれた。 疑問点は納得できるまで検証し、書面提出前にはいつも打ち合わせを入れて議論を重ねた。 弁護士が書いた書面案はメールでやりとりし、私は深夜早朝までチェック作業に追われ、書面が完成するのは弁護士が裁判所へ提出する直前ということがしょっちゅうだった。 書面作成に時間的余裕があればと思うこともあったが、裁判に参加していることを実感でき、充実した年月を過ごすことができた。 依頼人は弁護士がベテランであればあるほど、ましてや医療問題を多く扱っている弁護士となれば、彼らのやり方に「そういうものだ」と思い込んでいたり、「変だな」と思ってもなかなか声を上げられなく弁護士まかせにする人がいる。 しかし、裁判で悔いを残さないためには自分の問題として主体的に取り組み、弁護士に対しても疑問点をうやむやにしないで力をあわせて闘っていくことが大事だと思う。 2008年6月10日 竹下勇子
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