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乳がん手術と抗がん剤の後遺症 
                            
2013414

 
 乳がん手術(全摘)を受けて今年で21年になります。

  術後間もない頃、年月とともに後遺症が少しは楽になっていくかと思っていたのは甘過ぎました。

  手術による後遺症は、右乳房が皮膚ごと大きく切りとられ(横のキズは胸まわりの1/4以上)て、上下に残っている皮膚を無理やり引っ張り合わせて縫合されているためと、鎖骨下と腋下リンパ節を廓清されているため、右胸全体が鉄板で挟まれた圧迫感と、肩から上腕部、背中にかけてつっぱった状態で、感覚は鈍く、しびれなど、つらい身体症状は手術当時と変わらず今も続いています。そのうち右上半身が腐ってくるのではと恐怖心に襲われる時もあります。

  また、右肩甲骨が背中から胸側に引っ張られているため、それにつられて背骨から腰、足先まで身体全体にゆがみが生じています。

  右上半身の胸の皮膚はシミが多く、背中は右側だけ湿疹ができていて、皮膚の状態は年々ひどくなっています。左上半身には何も出ていないので、手術の影響としか考えられません。 

 抗がん剤による後遺症は直腸に生じました。

手術当時、抗がん剤だと知らされずに「命が惜しければ飲め」と脅されて飲まされた薬は副作用がきつく、自主的に飲むのをやめたので、まともに飲んだのは2〜3か月くらいでした。それでも劇症的に直腸炎を発症しました。その時は1か月ほどで症状は治まりましたが、その後、毎年季節の変わり目(春と秋)に炎症を繰り返すようになり、手術から17年目に直腸炎型潰瘍性大腸炎と診断されました。

  手術から19年目の一昨年秋には2か月経っても直腸炎の症状が治まりませんでした。そこで、そもそも抗がん剤(薬)で発症したものを、「薬で治そう」という考えをやめて、「腸壁を丈夫にしよう」と発想の転換をして、鍼治療を受け始めました。

  初めは数日おき、1週おき、2週おきと、間隔をあけていき、1年半経った今は1か月おきに治療院へ行っていますが、見事に症状は出なくなりました。

  鍼医さん曰く、腸壁だけを丈夫にすることはできないから、五臓六腑を丈夫にする治療をしているとのことです。

  身体のゆがみに対しては、ロルフィングのセッション(基本コース10回。その後、年1回のメンテナンス)を受けて、手術以来15年ぶりに首がぐるりと全周まわるようになったり、肩甲骨のまわりがほぐれて改善のきっかけができましたが、手術以来、カイロプラクティックで月1回のペースで身体を整え続けています。 

  今春、数年ぶりに風邪で発熱。自然治癒を目指してひたすら寝ていましたが、薬に影響されずに回復していく身体の変化がよくわかってとてもいい経験になりました。

ところが、10日ほど経ってもどうしても今ひとつ体調がすぐれず、乳がん手術以前の病み上がりの体調不良を思い出しても身体の状態が違うため、この違いは何だろうと考えました。

考えた結果、いきついたのは、リンパ節を廓清されたことと関係あるのではと疑いました。

  手術した側の胸や背中がいつもよどんでいる感じもあるので、鍼治療と合わせてリンパの流れをよくするマッサージをしてもらったところ、大成功。二度と体調は戻らないのではと心配して不安になっていたのですが、見事に元気を取り戻しました。

  手術や抗がん剤の後遺症による体調不良をさらに医者に頼って、検査や投薬されていたら…と考えるとぞっとします。これからも加齢でひどくなるであろう後遺症に生涯頭を悩まさなければなりませんが、自分の身体と相談しながら対処していこうと思っています。

  これほど私を苦しめている「乳がん手術」。こんなひどい手術がなくなるよう、生き証人として後遺症の苦しさを伝え続けるつもりです。しかも、手術した時点でがんの所見は何もなかったのですから、なぜ小坂医師はこんな非人間的なことができたのか、また、まわりの人たちが許していたのか、手術から何年経っても疑問を払拭することができずにいます。

  たとえ本物のがんと診断されても、「どう生きたいのか」を念頭に、身体に侵襲を与え、後遺症をもたらす治療を受けるべきか、自分の頭で「生き方」を基に治療法(放置を含め)を考えるべきだと思います。

予防医学が叫ばれ検診を煽る風潮に、誤診被害体験を伝えることで、偏った情報に警鐘を鳴らし続けようと思っています。


                                 竹下勇子(2013年4月14日)


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