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「Pさんの裁判傍聴記               
  4人の医師の尋問を傍聴して」

 10月22日、静岡地裁で係争中のPさんの裁判で4人の医師の尋問が行われました。

 顔に広範囲の手術を受けた原告Pさんが代理人弁護士2人と原告席に、被告席には病院側代理人弁護士2人が座りました。傍聴席には病院側関係者が10名ほどと、原告家族・親族10数名と元原告3人(事故一覧のCさん・Eさん・Fさん)が出席しました。

 尋問は証人席に座った医師が、病院側代理人弁護士・原告側代理人弁護士・裁判所からの質問に答えるかたちで、口腔外科担当医、その科長、病理医、放射線科医の順で行われ、午前10時半頃から午後5時半頃までかかりました。

 午前中は口腔外科担当医の尋問でした。
 市内の開業医から清水病院を紹介されてきた原告の初診のときの様子やその後の外来診療の経過、病気の診断の問題となっている検査のことなどについて12時過ぎまで尋問が行われました。

 お昼休みを短縮して始まった午後の尋問では原告代理人と尋問された医師とのやりとりで感情が先行して緊迫した場面や、一般論の医師不足の現状に言及する場面もありました。

 病理医の尋問では、特染(特殊染色)した標本の結果がカルテにないことを原告代理人に問われて、頭の中にあるとか、書いてあるのはサービスだとか答えていたことには驚きました。

 最後の放射線科医への尋問は画像診断について行われました。

 すべて終わったのは午後5時半ごろで、外はすでに暗くなっていました。

 傍聴していた元原告3人は、それぞれの裁判が終わって数年経過しているため久しぶりの法廷でしたが、医師の尋問について以前とはずいぶん違う印象をもち、正直驚いたと感想を話し合いました。

 一番驚いたのは裁判官の対応でした。
 以前は、裁判官が医師に対してひじょうに気を使っていたと感じられましたが、今回、そのようなことはなかったし、裁判に対する真剣さを感じました。

 一日で4人の医師の尋問をやってしまうことも驚きでしたが、そもそも担当医以外の診断に関わった医師たちの尋問を裁判所が認めたことも驚きでした。過去の裁判でもそうであったならば結果は違っていただろうに…と元原告同士で話し合いました。

 時間延長についても、以前は時間厳守が徹底されていましたが、必要な時間はとるという対応に見受けられました。

 傍聴席の配置も記者席が前横列ではなく、右縦列になっていたことはとてもいいことだと思いました。以前は、傍聴席の一番前に座りたくても記者席になっていて座れませんでしたから。

 傍聴しながら、通常でも多忙な医療現場から4人の医師が裁判のために病院を一日留守することの影響を考えてしまいました。病院側関係者も多く傍聴席に座っていましたが、裁判当日だけでなく準備にも時間をかけたでしょうから、裁判に傾ける情熱・エネルギーを、患者が裁判を起こさなくてすむように医療技術の向上や患者への誠意ある対応などに力を注いで欲しいと思いました。

 大きな後遺症を抱えた原告の尋問は来春になると思います。原告が納得できる裁判経過となりますよう、みなさまの応援をお願いいたします。

                                2009年10月31日    文責 竹下勇子



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