資料
●静岡新聞 2007年6月1日付朝刊27ページ掲載
静岡市側は争う姿勢
市立病院が適切な検査や処置を怠ったため、上あごの腫瘍を悪化させ、重い後遺症を残したとして静岡市の男性患者が市を相手に約九千六百万円の損害賠償を求めた訴訟の初弁論が三十一日、静岡地裁(川口代志子裁判長)で開かれた。
市側は「原告の主張する適切な医療とはどのようなものであるか不明」として原告側に説明を求め、争う姿勢を明らかにした。 訴状によると、男性は平成十六年六月ごろから右上あごの臼歯にぐらつきなどの異常を感じ、八月から約五ヵ月間、静岡市立清水病院に通院し三回生検を受けた。同病院は悪性腫瘍の疑いを認識しながら男性には告知せず、適切な処置をしないまま症状を進行させた。十七年三月中旬に男性は「悪性繊維性組織球腫」であることを聞かされ、同四月に右上あご、右眼球、鼻の一部などを摘出する大手術を受け、外見や聴覚機能などに重い後遺症が残ったとしている。
静岡市立清水病院は「医療の内容は適切だった。詳細は公判で争っていきたい」とコメントした。
(静岡新聞2007年6月1日27面)
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