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潰瘍性大腸炎のこと                 
                                        2014年12月13日

 1992年1月に受けた乳がん手術(全摘)の後遺症について「乳がん手術と抗がん剤の後遺症」(2013年4月14日)と題して雑記帳に掲載していますが、状態は今も変わらずで、潰瘍性大腸炎は今秋、再燃(症状が出る状態)しました。

 緩解(症状が出ない)状態が3年続いたので、今年も無事に過ごせるかなと思っていた矢先に再燃。甘くみてはいけないことを思い知らされました。

 座薬を使っても、かえってひどくなることを以前経験していたため、薬に頼りたくなくて鍼治療で体調を整えながらしばらく様子をみることにしました。

 1ヶ月半が過ぎた頃、トイレが心配で外出が思うようにできないことや下腹が重く感じるようになってきたこともあって病院へ行くことを考え始めました。

 しかし、22年前の発症の原因となった抗がん剤のことを考えると、医者選びは慎重にならざるを得ません。

 しかも、検査や治療(採血や静脈注射など)を受けるには、乳がん手術を受けてリンパ節廓清をされていること、潰瘍性大腸炎発症の発端は抗がん剤であること、しかも乳がんではなかったことを伝えなければなりません。

 悩んだ末にインターネットで調べて選んだのは、大腸・肛門を専門とする昔からのクリニックでした。病歴を思い切って問診票に書いて、静岡にあるそのクリニックを受診しました。

 院長の問診を受けているうち、「ああ、あの有名な医者?」と言われ、やはり地元では知れ渡っていたんだと思うと同時に、私にとっては理解を得て治療を受けるための大きな関門突破だと思いました。

 薬の投与はとても慎重にして下さいました。初診で潰瘍性大腸炎に効果があるとされるアサコールを処方されましたが、薬に敏感であることを伝えてあったため1錠飲んで様子をみることになりました。病室でしばらく休んで薬のアレルギー症状が出ないことを確認してから帰宅しました。

 ところが、夕食後に1錠飲んだところ、夜中から下痢が始まり、私にはアサコールが合わないことがわかりました。何かあればいつでも電話して下さいと言われていたのでクリニックに電話したところ、早朝にも関わらず院長が直接対応して下さってびっくりするとともに、とても安心しました。

 翌日、大腸の内視鏡検査を受けました。炎症は直腸だけでなく横行結腸まで大腸の左側半分に広がっていることがわかりました。

 腸管内の炎症の写真を見て、将来への不安から久しぶりに過去を悔いました。抗がん剤を飲んでしまった自分を責め、乳がんの名医を恨み、清水病院の対応を恨みました。

 クリニックですぐに治療を開始することになり、漢方薬が処方されました。

 病気を治すためとはいえ、副作用がきつかったり後遺症をのこすような薬だったら死んだ方がましだと思うほど薬に対して不安がありましたが、薬局で渡されたのはオブラートに包んで飲む「青黛」と書かれた漢方薬でした。

 朝夕食後に1gずつ飲むのですが、こんな青い粉がどうして効くのかと不思議に思うくらい劇的に症状が治まりました。漢方を否定する医師のところへ行っていたらどうなっていただろうと、医師選びの大切さを痛感しています。

 潰瘍性大腸炎は難病に指定されているため、院長が書いて下さった書類をもって「特定疾患の新規申請」のために清水保健所へ行ってきました。受給者証が手元に届くのは3か月後とのこと。

 22年前、市の病院で被害を受け、今は難病患者となって市の保健所へ難病の届けを出す。

 複雑な気持ちでいます。


                                 竹下勇子(2014年12月13日)


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