2004/11/5

Berlin
 
 
 
翌朝、ナウムブルクのホテルに別れを告げ、大荷物を抱えてナウムブルク中央駅に移動した私達。今日はベルリンに行くのだ!
そう、昨日は教会でしとやかに美しいオルガンと荘厳なミサに耳を傾けていた2人は、今日はスタジアムで盛大にはじける予定なのです。それぞれの贔屓チームを応援して。(笑)
カードは「ヘルタ・ベルリン vs VfBシュトゥットガルト」。新装のベルリン・オリンピア・シュタディオンでの試合です。


駅に着いた私達、しばらくホームで列車を待っていました。
先に来た地方鉄道の車両から、お兄ちゃんたちが顔を出して何やらこっちに向いて大騒ぎ。なんだありゃ。知らんぷり、知らんぷり・・・。
その電車が行っちゃったと思ったら、今度は別の兄ちゃんがやってきて「アジアン?コリア?チャイニーズ?ベトナム?ん〜?」ときいてくる。
首を横に振る私達。なんで「ヤーパン」が出ないんだろう・・・?
ベルリンまではICE特急で約2時間ちょっと。ライプツィヒから先は、私もさとさんも初めての場所。このあたりは本当に平原が続いているんですね。「何だか北海道みたい」とさとさん。
「ルターの町」ヴィッテンベルクを通過し、いよいよ首都ベルリンへ!


負の遺産・カイザー・ヴィルヘルム記念教会
私達が降りたのは、ベルリンの中心部・ツォー駅。この近くに宿を取っていたのです。まずは地下鉄でホテルに行き、チェックイン時間まで荷物を預かってもらって食事とチケット購入に行くことに。
この日泊まるのは、クーダム通りから少し入ったところにある瀟洒なホテル・ペンジオーン「ザイファート」。ホテル正面は改装中でしたが、大きな玄関ドアをくぐると中は少々懐かしいような「古い洋館」のイメージそのまま、ちょっとした「お嬢様気分」。素敵なホテルです。
フロントでは、日本語がちょっとできるお兄さんと大きな白い犬がお出迎えしてくれました。びっくりする私に、「その子はホテル・フントだよ。名前はキラ」とお兄さん。おとなしい犬です。君もスタッフなのね。(笑)
荷物を預け、ヘルタ・ベルリンのショップのあるオイローパセンターに。その途中、崩れかけたまま保存してある大きな教会を見てびっくり!
「カイザー・ヴィルヘルム記念教会」というそうで、第2次世界大戦で破壊されたものを「戦争の悲惨さを忘れないように」とそのままモニュメントとして残してあるんだそうです。近代的な繁華街の中のその悲惨な姿はちょっとショック。
この教会を眺めつつ、オイローパセンターへ。ドイツ風(笑)のスパゲティを食べた後、ヘルタショップへ。中に入ると、さとさんご贔屓のハンサムな「アルネ・フリードリッヒ君」の大きな電光パネルが。しかし、言われるまで気がついてないさとさん・・・。
チケットは地下のレジで。さとさんは「バックスタンドでいいかな、安いし」と言うのですが、「どうせここまで来たんだから思い切ってメインスタンドにしようよ。もしかして近くでアルネ君が観戦してるかもよ〜?」(アルネ君はこの日は怪我で欠場予定だったのです)と私。このひとことでメインスタンドに決定。1人45ユーロでした。
当日券が買える相手&スタジアムで良かった・・・。
そしてこの選択が後で実を結ぶのでした。フフフ。
 
ホテルに戻ってチェックインをすませ、素敵なお部屋で少し休んだ後、いざオリンピア・シュタディオンに!ツォー駅から地下鉄で15分くらいです。
途中、続々乗り込んでくるヘルタサポに「お仲間〜♪」と大喜びのさとさん。地下鉄から降りて少し歩くのですが、その道にはもうたくさんのヘルタサポが。私はなんとなく肩身の狭さを感じつつ・・・と、VfBサポがいた!赤いマフラー、そして赤の「ヒルデブラントユニ」の女の子。あ〜いいなあ、私も着てくれば良かったかしら。(危ないって)
ゲートの前で荷物チェックを受け、中へ。女性はそこでボディチェック。女性には女性がチェックしてくれるんですね。さとさんは屋台のショップでお目当てのマフラーを買い、しっかりヘルタサポスタイルで大喜び。いいなあ、ホームゲーム!
 
戦闘モードのティモ君
スタジアムの中に入ると、その大きさにまずびっくり。改装して7万人入るようになってるんですね。そして目を引くのは、ヘルタカラーの青い陸上トラック。何だか不思議なイメージが。席はメインスタンドのちょっとホーム寄り、前から8列目。とても見やすい場所でした。ラッキー!
キョロキョロしていたら、派手な紹介とともにヘルタのゴールキーパー・フィードラーが入ってきてアップを始めました。大歓声を上げるヘルタサポ。
そしてしばらくすると、紹介されもせずひっそりと反対側でアップを始めるVfBのゴールキーパーが・・・あっ、ティモ君だ!出られるか心配してたけど、出るのね!大喜びではしゃぐ私に「良かったねー、来たかいあったね!」とさとさん。嬉しい〜〜!!!
双眼鏡でのぞく私達・・・「う〜ん、動きがきれいね。優雅ね〜」「スタイルいいね、モデルさんみたい」「なんか反則だよね」「トレーニングでダンスもやってるらしいよ」。本当に動きがきれいなんですよ、ティモ君。キックの時の手の動きまで優雅で。
フィールドプレイヤーのアップも始まり、「あ〜○○君がいる!」と大騒ぎの2人。そして彼らも中に戻り、いよいよ試合開始!ホームのヘルタの選手紹介は、アナウンスが名前を言った後にサポのみんなでファミリーネームをコールします。楽しそうにコールするさとさん。うう、いいなあ・・・ホームゲーム!来週は私も!
そして、相手のVfBの選手の紹介の時には、ひとりひとりの名前が呼ばれた後にいちいち大ブーイングが・・・ううう、これがアウェイか・・・。
そして選手入場。ティモ君はさっきまでの赤いトレーニングシャツ姿から、おなじみの黄色のユニに着替えて登場。TVではあまり意識したことがありませんでしたが、こうやって衣装を替えて登場すると、本当に「戦闘モード突入!」という雰囲気でかっこいいんです。表情ももはや戦闘モード。ちょっと怖いくらい。
これが「プロ」のティモ君の表情なのね・・・。
そしてホイッスルが鳴り、試合開始!
 
素敵なアルネ君
実はこのカード、前シーズンはヘルタが1勝1分けと勝ち越しています。どうも相性の悪いVfB。今回はエースのクラニーもいないし、どうかな?
試合は両者譲らず、なかなか点が入りません。ティモ君もシュートを打たれる前に止めてしまうし、ヘルタのGKフィードラーは強烈シュートをスーパーセーブで跳ね返して大喝采を浴びます。ここでもコールが。(うう、いいなあ)そして、時々手で日差しをさえぎりながら前を見るティモ君。青い瞳の彼には夕方の光でもまぶしいのかな?ちょっと大変そう。
前半も終わりに近づいた頃、ヘルタのラファエル選手がメインスタンドの私達の目の前で2枚目のイエローカードをもらってしまいました。どうも納得行かないらしく、彼は怒りをあらわに。そばにあったコーンを蹴飛ばし、制止するノイエンドルフさんを振りほどき、審判を睨みつけて何やら・・・。ヘルタサポ席からは、場内が割れんばかりのブーイングが。本当に、耳がおかしくなりそうなくらいの騒ぎで。騒然とする中、前半は終了し、ハーフタイムに入りました。
ふと前を見ると、メインスタンドVIP席から降りてきた革のジャケットの男性がいます。報道陣がまわりに寄ってきて・・・さとさんがすぐ気付きました。「あっ、アルネ君がいる!」やっぱり見に来てたんですね。メインスタンドの私達の場所からすぐのところでインタビューを受けたり、かかってきた携帯電話に応対したりしています。あら〜、生のアルネ君、すごく素敵だわ!さとさんは「うわ〜ん、メインスタンドにして良かった!ありがと〜!写真撮ってくる!」と大喜び。
しばらくメインスタンド前をウロウロするアルネ君。風邪を引いているのか鼻をかんだり(ドイツ人って人前で平気で鼻をかむのよね)、またしても電話をかけたり(お相手どなた?)でもかっこいいです。さとさん、お目が高いですね♪
マスコットのヘルティーニョが愛想を振りまく中、後半開始。今度はサイドを入れ替えて、ティモ君は向こう側。双眼鏡双眼鏡・・・っと。
さとさん、VIP席を一生懸命双眼鏡で見ています。「素敵ねえ・・・」と、全く違った方向を見てつぶやく2人・・・変かも。
ヒンケルちゃん♪
後半に入ってもやはり点は入らず、時間が過ぎていきます。う〜ん、このカードってどうして点が入らないんだろう?ヘルタは1人少なくなってるから、どんどん行って欲しいんだけどな。今度はサイドが替わっているので、ヒンケルちゃんが目の前を走り抜けて行きます。さすがいい動きですね。おお、写真撮らなくちゃ!
この日のフィールドユニは、上がアウェイの赤、下がホームの白。こういう「別々の取り合わせ」ってアウェイだと時々あるんですが、何だか・・・変。逆よりはマシですが。(笑)期待のフレブ君はちょっと今日はおとなしく、期待していたようなドリブル突破を見せてくれません。アレがあると、試合が面白くなるんだけど・・・。時々VfBのフリーキックになると、私はティモ君をチェック。こういう時のGKって何してるんだろう?って。生観戦の醍醐味ですよね。(笑)何だか、ちょこんとしゃがみこんでいる時が多かったです。
そうこうしているうちに、何人か選手が交代。最近お見限りになってしまっていたハカン・ヤキン君が登場しました。おおっ、彼の動くところを生で見られるとは!ラッキー!思わず「ハカーン!頑張って!」と声をかける私。怪訝そうな前のおじさん。あ、アウェイだった。(まあ、いいか)怪我のクラニーに代わって連れて来られていた19歳の美形FW・ゴメス君も登場。うわーこの子まで生で!またつい「ゴメスくーん!」
でも点は入らず、試合は終盤へ。ロスタイムに入った後、ヘルタの攻撃陣が果敢にVfBエリア内へ攻撃を仕掛けました。至近距離からの強烈なシュート!うわっ!
でも、ティモ君はこれをしっかりキャッチ!驚くべき反応の早さです。すっかり「アウェイ」だなんて頭から吹っ飛んだ私、バッハで鍛えたソプラノの声で思いっきり叫んでいました。
「ティモーーーーーーーー!!!!!!!」
びっくりして後ろを振り返った前のおじさん・・・・ごめん。(爆笑)
 
結局この日はスコアレスドロー。
「ま・・・また引き分け・・・ううう」
「げげげ〜、首位陥落しちゃった。シクシク」
「贅沢言わないで下さいよっ」
「うう・・・このカードって点が入らないね・・・何でだろ」
「まあ、お互い恨みっこナシってことで、良かったと思いますか」
帰りの地下鉄の中では、何やら鳴り物入りで騒ぐヘルタサポが。終わってもにぎやかです。地下鉄を降り、どこか飲める所を・・・と探したのですが、残念ながら日曜日。ほとんどのお店は閉まっていて、開いているところもお客さんでいっぱい。「もう、ケンタッキーで食べちゃおう!」ということになりました。
もぐもぐコールスローサラダを食べながら「そういえば、ドイツ人って生のキャベツを消化できる酵素を持ってないから、食べるとお腹壊すんだって。こんなの出して、ドイツ人に売れるのかな」「ベルリンっていろんな人種がいますから、そういう人向きなんじゃ?」「ドイツ人、『ドイツの生のキャベツには毒がある』って思ってるらしいよ」「あはは〜」「どうでもいいけど、このキャベツ、固い!すごくアゴが疲れるんだけど。誰よ、ファーストフードは噛まないからよくないなんて言ったのは!」「わはははは」
なんて会話をしながらいただきました。まあ、食べなれた味で良かったかも。ホッとしました。
 
(キャベツの件は、うちのダンナさんのドイツ人メル友から聞いた話です)

| Freu dich sehr! | Naumburg | Leipzig | Berlin | Worms | Lorsch-Hofheim | Ulm-Giengen | Speyer |
| Stuttgart.1 | Esslingen | Stuttgart.2 | Stuttgart.3 | Galerien | Link |