建物の奥にあったのは、高台になってオーデンの森が見渡せる公園でした。いえ、公園というよりも原っぱ。心地良い風が木の葉を揺らし、さわさわと音を立てています。その奥には、石を組み上げた花壇に植えられたさまざまなハーブの畑。しゃれた言い方なら「ハーブガーデン」なのですが、修道院跡ということを考えると「薬草園」と言った方がふさわしいかも。当時は修道院といえば、最先端の学問の場所でもあり、薬草の知識を持つ修道士達がこれらの薬草を使って薬を作っていたかもしれません。そんな往時を偲ばせる風景です。
初秋のドイツはハーブの花盛り。ラベンダーもまだ咲いているし、フェンネル、セージ、ヤロー・・・片隅には「薬屋のバラ」と呼ばれる「ロサ・ガリカ」のローズヒップが実っていました。
このハーブガーデンだけでなく、よく見れば何の変哲もない原っぱにもハーブの葉や花が。見たこともない小さな可愛い花が咲いていたり、見ているだけでずっと飽きないで過ごせそう。しばらくゆっくり歩き回っていました。ここ、すごく気に入っちゃった!
それにしても人がいない・・・時たま老夫婦がやってきて、散歩して帰っていくだけ。話し声も聞こえず、本当に静かです。
「さっき買ったイチゴ食べよう」と思い、近くの噴水で洗って食べました。うーん、日本のイチゴほど甘くないけど、香りが良くて結構酸味もあって、味が濃くておいしい!子供の頃に実家の畑で取れたイチゴをほおばった思い出がよみがえりました。あれもこんな感じで、すっぱくて甘くておいしかったなあ。
1パックは500g・・・結構あります。おなかいっぱいになりました。お昼ごはんはヴォルムスに戻ってからケーキくらいでいいかも。(最初からそのつもりだったけど)
しばらくのんびり過ごし、すっかりここの空気を満喫してから、また門をくぐって俗世に戻ります。と言っても、可愛いおとぎ話の中に出てきそうな町なんだけど。門の近くにあった本屋さんに入り、絵ハガキと白バラの写真の入ったグリーティングカードを買いました。絵ハガキはあとで家と友達に書いて出そうっと。
帰り道、小さな郵便局を発見。切手も買わないとね。中に入り、「日本までカードを送りたいんだけどいくら?」と尋ねると、1ユーロとのこと。「じゃあ、1ユーロの切手を5枚下さい」。・・・・良かった、通じた。ドイツ語。この辺は田舎なので、あんまり英語が通じないみたい。まあ、当たって砕けろ!なのですが。
ロルシュの駅で電車を待っていたら、とてもきれいなお姉さんが声をかけてきました。「らうひぇん」がどうとか・・・「タバコ吸っていい?」かな?「OK」と言ったらちょっと困った顔をして「ハーベン・ジー・・・」・・・あ、「タバコ持ってない?」か。そんなこと言われたことないから想像もしなかったわ。「ナイン、ソーリー」って言ったら、ちょっと残念そうな顔をして離れていきました。
あんなきれいな人でもタバコ吸うんだ。ドイツって男女問わず喫煙率は高いみたいです。
*ロルシュの世界遺産ガイドツアーは、4月〜10月の毎月最初の週末15:00から行われているようです。大人4ユーロ、18歳以下2ユーロ。所要時間約1時間。詳しくはリンク集のロルシュの公式HPを参照してください。