2004/12/7

Lorsch-Hofheim


ヴォルムスの「ホテル・クリームヒルデ」の部屋で目覚めた私。もちろん二日酔いなんかせず今日も元気!
朝食を食べに下のレストランへ。おお〜、ゆで卵が「イースターエッグ」になってる。オッシャレ〜♪しかも美味しい。何これ?何の卵?
上機嫌で食べ終わり、部屋に戻ったら雨が降り出しました。えええ〜?今日はここをチェックアウトしてロルシュに行くのに!
でも雨なんかに負けない、行くわよ、ロルシュ!(・・・と・・・ウフフ♪)でも、駅まで歩けないからタクシーを呼んでもらって(とほほ)いざ!
駅で重い荷物をコインロッカーに放り込み、身軽になってお出かけ準備完了。でも、寒い・・・。
しまった、上着までロッカーに入れちゃった!
 


ニーベルンゲン鉄道から、ライン川
本日の目的地「ロルシュ」は、日本のガイドブックにもあんまり載っていないマイナーな場所。でも、ここには世界遺産の「帝国僧院跡&アルテンミュンスター修道院跡」がある、古い修道院の町なのです。この2つはカール大帝以前、8世紀のカロリング朝の建物。有名なアーヘンの大聖堂より古いもので、この時代の建造物が残っているのはとても珍しいのだとか。
主要観光都市からの交通の便があまりよくないので知られていませんが、ヴォルムスからならローカル線で20分。すぐのところにあります。列車本数は少ないですが。このローカル線の名前も「ニーベルンゲン鉄道」。いいですね。(笑)電車に乗り込むと、しばらくして小学生の大群が乗ってきました。ドイツにも遠足ってあるのか?まあうるさいこと。子供ってどこでも一緒だなあ。大騒ぎするガキんちょの集団と少々の大人を乗せて「ニーベルンゲン鉄道」の電車はヴォルムスを出発。わくわく♪
 
ほどなく電車はライン川を渡ります。ジークフリートがハーゲンの罠とも知らずにオーデンの森へ狩りに出かけたルートはこれかしら。帰ってこられないとは想像もしないで・・・(当時は舟で渡ったんでしょうが)。ここのライン川の岸辺には、「ラインの黄金を川に沈めるハーゲンの像」もあるんだとか。今回は時間が無くて見られませんでしたが。
ライン川を渡ると、ラインライト・プファルツ州からヘッセン州に入ります。そして最初に見えてくるのが、ティモ君が子供時代をすごした「ホフハイム・リート」です。今でも彼の実家はここ。電車の窓から見たホフハイムは、本当にこじんまりとした小さな町。可愛い家が並んだ、ごく普通のドイツらしい町です。ちょっと向こうの方に教会の塔が見えます。人口は6000人弱くらいだそうで、こんな町からドイツ代表選手なんか出たら大騒ぎだろうなあ。見た目も美形だから目を引くし、岡部町のゴン中山隊長以上のヒーローかも。(そ、その比較は・・・・)
次に見えてくるちょっと大きめの町はビュアシュタット。そしてしばらくすると目的の「ロルシュ」に到着。ここで電車を降りました。「なんでや〜ぱん人がここで?」と言いたげな不思議そうな目を向ける子供達。ここには世界遺産があるんだってば!
しかし・・・思っていた以上に田舎町です。駅は小さいし。確か町のHPの地図では、インフォメーションは帝国僧院跡の近くだっけ。とにかく行かないとどうにもならないわけね。駅前の道を少し左に行って右に曲がるとメインストリートに。ここをまっすぐ進めばお目当ての「世界遺産」のはず。
しかし・・・人がいないな。ホントにこんなところにあるの?世界遺産。
ロルシュ・帝国僧院の門
駅から15分ほど大通りを歩くと、ちょっとにぎやかなところにやってきました。と言っても、カフェやレストランといったお店が結構あるだけで、人はそんなにいないのですが。この辺かな?と左側を見ると、茶色と象牙色のモザイク模様が美しい古風な門がありました。これが世界遺産の「帝国僧院跡」です。8世紀の後半に、カール大帝のお父さんであるピピン王が作った大規模な修道院ですが、今ではこの正面入り口の門と、その奥に小さな建物が残るだけ。他の敷地部分は公園になっています。
この門を横目に見つつ、近くの市庁舎を観に行きました。ここも装飾がきれいな建物。近くには美しい彫刻を外壁に飾ったカトリック教会・聖ナザレ教会もあります。ここを一周して近くの八百屋さんでおやつ代わりのイチゴを買い(ドイツって秋でもイチゴがあるのね)いよいよ僧院の門をくぐりました。入場料とかが要るわけではありません。本当にそこにあるだけ。それもなんだかすごいな・・・。
遠目で見ると「ホントに1200年以上前の建物?」と思うほどカラフルできれいなのですが、近くで見ると年輪を感じます。どんな風にこの模様ができてるのかしら?レンガを組み合わせてあるのかな?この写真はくぐった裏側からの写真です。表からの写真は最初のページに載せてある通り。
門をくぐると、そこはちょっとした別世界。天気も良くなってきたので、吹く風も心地良くて。その奥にある古い修道院の建物の脇を通って奥に入ると、そこには素敵な空間が待っていました。
ロルシュ・アルテンミュンスター修道院跡
建物の奥にあったのは、高台になってオーデンの森が見渡せる公園でした。いえ、公園というよりも原っぱ。心地良い風が木の葉を揺らし、さわさわと音を立てています。その奥には、石を組み上げた花壇に植えられたさまざまなハーブの畑。しゃれた言い方なら「ハーブガーデン」なのですが、修道院跡ということを考えると「薬草園」と言った方がふさわしいかも。当時は修道院といえば、最先端の学問の場所でもあり、薬草の知識を持つ修道士達がこれらの薬草を使って薬を作っていたかもしれません。そんな往時を偲ばせる風景です。
初秋のドイツはハーブの花盛り。ラベンダーもまだ咲いているし、フェンネル、セージ、ヤロー・・・片隅には「薬屋のバラ」と呼ばれる「ロサ・ガリカ」のローズヒップが実っていました。
このハーブガーデンだけでなく、よく見れば何の変哲もない原っぱにもハーブの葉や花が。見たこともない小さな可愛い花が咲いていたり、見ているだけでずっと飽きないで過ごせそう。しばらくゆっくり歩き回っていました。ここ、すごく気に入っちゃった!
それにしても人がいない・・・時たま老夫婦がやってきて、散歩して帰っていくだけ。話し声も聞こえず、本当に静かです。
「さっき買ったイチゴ食べよう」と思い、近くの噴水で洗って食べました。うーん、日本のイチゴほど甘くないけど、香りが良くて結構酸味もあって、味が濃くておいしい!子供の頃に実家の畑で取れたイチゴをほおばった思い出がよみがえりました。あれもこんな感じで、すっぱくて甘くておいしかったなあ。
1パックは500g・・・結構あります。おなかいっぱいになりました。お昼ごはんはヴォルムスに戻ってからケーキくらいでいいかも。(最初からそのつもりだったけど)
 
しばらくのんびり過ごし、すっかりここの空気を満喫してから、また門をくぐって俗世に戻ります。と言っても、可愛いおとぎ話の中に出てきそうな町なんだけど。門の近くにあった本屋さんに入り、絵ハガキと白バラの写真の入ったグリーティングカードを買いました。絵ハガキはあとで家と友達に書いて出そうっと。
帰り道、小さな郵便局を発見。切手も買わないとね。中に入り、「日本までカードを送りたいんだけどいくら?」と尋ねると、1ユーロとのこと。「じゃあ、1ユーロの切手を5枚下さい」。・・・・良かった、通じた。ドイツ語。この辺は田舎なので、あんまり英語が通じないみたい。まあ、当たって砕けろ!なのですが。
ロルシュの駅で電車を待っていたら、とてもきれいなお姉さんが声をかけてきました。「らうひぇん」がどうとか・・・「タバコ吸っていい?」かな?「OK」と言ったらちょっと困った顔をして「ハーベン・ジー・・・」・・・あ、「タバコ持ってない?」か。そんなこと言われたことないから想像もしなかったわ。「ナイン、ソーリー」って言ったら、ちょっと残念そうな顔をして離れていきました。
あんなきれいな人でもタバコ吸うんだ。ドイツって男女問わず喫煙率は高いみたいです。
 
*ロルシュの世界遺産ガイドツアーは、4月〜10月の毎月最初の週末15:00から行われているようです。大人4ユーロ、18歳以下2ユーロ。所要時間約1時間。詳しくはリンク集のロルシュの公式HPを参照してください。
ホフハイム・リート駅前
さて、電車が来ていそいそ乗り込む私。帰りはちょっと途中下車してみようかなっ♪なんて予定なので、ドキドキ。ええ、あそこでね。
電車に乗っていると、途中の駅でまたしても遠足の小学生の集団が乗り込んできました。何なんだここは。降りそびれても困るので、デッキに移動。それにしてもホントに子供ってにぎやかだなあ。ビュアシュタットを過ぎると、「ねっひすとばーんほーふ」「とーあふゅーたー」「ふぁおえふべーしゅとぅっとがると」なんて単語が耳に入ってきました。やっぱあの人、有名人なんだ〜。「やぱーねりん」って単語も聞こえる。私のことだな。その2つ、関係付けて考えるなよ、ガキんちょ達!(爆笑)
そうこうするうちに、電車は「ホフハイム・リート」に到着。ドアを開けて「ぽんっ」とホームに降りる私。(だってホームが低いのよ、小さい駅だから)駅舎の脇を通って表に出ると・・・本当に普通の町です。写真の通りで。
この町は「Ried(沼地)」という単語がくっついているようにちょっと低い場所にあるのか、昔ライン川の氾濫で大きな洪水に見舞われたことがあるそうです。それでも町はちゃんと残り、今でもこうして・・・暮らしやすいのかもね、のんびりしてて。
でも、降りたのはいいけど、何したらいいんだろ。教会を見るって言っても、こういう町の教会って観光のためにあるわけじゃないし、部外者が見に行くのも何だかなあ。なんて考えながらメインストリートを歩き、ちょっと脇道に入ってみました。
・・・あれれ?なんだか変わった雰囲気の場所に入っちゃったわ。右手には広い庭のある教会。これは多分プロテスタント教会かな、飾りがなくて質素だし。そして反対側には、白い南欧風のちょっと豪華な邸宅。何とプール付き!・・・屋外に。ドイツで。(泳げるのなんて2ヶ月ないんじゃ?)しかもこんな小さい町に、こんな大邸宅。まさかこれが・・・じゃないだろうね。(笑)でも結構年季の入った家だし、どこかの会社の社長さん宅って感じかしら。それにしてもプール付きってのはコテコテ?
その通りは行き止まりだったので、戻ることにしました。でもちょっと思い立ち、持っていたきれいな千代紙で鶴を折り、教会の庭のフェンスに絡んでいたラズベリーの茂みにそっと置きました。大胆じゃないか私・・・(笑)。立ち去ろうとしたら、何かが私のスカートを引っ張ります。「ひえ〜何なの!私何も悪いことしてないってば!」とあせったら、単にスカートがラズベリーの棘に引っかかってただけでした。ああ、心臓に悪い。
どうにも落ち着かないので(笑)駅に戻りました。駅前の東側に、ちょっとした公園がありました。奥は墓地になってるみたい。墓地まで入るのは気が引けたので、その入り口の近くにあったベンチで一休み。ここでお友達にさっき買った絵ハガキを書きました。ヴォルムスに戻ったらロッカーから住所録を出して、宛名を書いて発送しようっと。
ちょっとボーっとしてたら、駅に入ってくる電車が。ここは町は小さいけど一応乗り換え駅なので、ヴォルムスに向かう電車の本数は結構あるんですね。その電車に乗り、「じゃあね〜!ちょっとでも来られて楽しかったわ」と心の中でつぶやきつつ、ライン川を渡りました。
滞在時間は30分。このくらいで・・・と言うか、「このくらいは」カンベンしてね♪
 
前のページの4枚目の写真に続く。

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