2004/10/17

Ulm-Giengen
 
 
 
大荷物を抱えてシュトゥットガルト中央駅に降り立った私。おお〜、ここが「ベンツとバッハ演奏と美形サッカーチームの街」なのね♪(他にもあるんだろうけど)そして「彼」が活躍する街。ウフフ〜♪
ICEを降りてホームに荷物を下ろしたら、いきなりおじいちゃんおばあちゃんの団体さんに囲まれました。え?何?1人のおばあちゃんがホワホワしたドイツ語で話しかけてきます。(これが俗に言う「シュヴァー弁」ってヤツ?聞き取れないよ)怒られてるわけでもなく、笑顔なので歓迎されてる感じはするんだけど・・・。なんとなくこっちも笑顔で対応し、スーツケースを下げて階段を下りようとしたら、おばあちゃんたち、こんどはこっちを指差して「クライネ」とか「フロイライン」とか「グローセ」とか言ってる。どうも「あんな小さい女の子が1人で旅行して、あんな大きな荷物運んで〜!」・・・・らしい。じゃあさっきは「小さいのに一人で旅行?すごいわね〜」とか言われてたのかしら?(幾つだと思われたんだろう)
近くにいた男の人が、親切にも私のスーツケースを運ぶのを手伝ってくれました。ありがと〜!
後で知ったのですが、シュトゥットガルト中央駅はコンコースまで行けばちゃんとエスカレーターがあります。そこまでホームを歩けば良かったのね。


シュトゥットガルトで泊まるホテル「ホテル・クレールズ・リンデ」は、街の中心部から少し離れた住宅街「バート・カンシュタット」にあります。街中はホテルが高かったので・・・くすん。ホテルの最寄り駅「ニュルンベルガー・シュトラッセ」は、Sバーンで中央駅から約7分、2駅目。駅で降りると・・・げげ、なんにもない!
ホテルの住所はわかってるけど場所までは知らないので、タクシーで行こうと思ってたのに、タクシー乗り場なんかありません。これだったら中央駅からタクシーで来るんだった。仕方ないので、地図と住所を頼りに、とりあえずホテルの住所の通りを探すことに。表示があったのでそちらに向かって歩き、ガードをくぐると「ホテル・リンデ」の矢印が。とりあえず間違ってないみたいだけど、その後が・・・。
きょろきょろと「どっちかな〜」と迷っていると、「どうしたの〜?」とおばあさんが声をかけてくれました。「このホテルに行きたいんですが・・・」と住所のメモを見せたら、「この通りをそっちに行って、すぐそこ」と。親切な人が多いなあ。ありがとうおばあさん。通りを進むと、確かに写真で見たホテルが!やった〜!
中に入って「予約してた日本から来た○○ですが・・・」と言ったら、民族衣装を着た元気なマダムが「オー、ヴィルコメーン!ブンダバー!」・・・・ずいぶんノリのいいおばちゃんだなあ・・・美人だけど。
ここは、1階は地元でも屈指のシェフ、フォルカー・クレールさん(ここのご主人)が腕を振るうちょっと高級なレストラン、その上はお手頃値段の落ち着いたホテル。ホテル担当のお姉さんが玄関の開け方や朝食のことを教えてくれ、荷物を3階の部屋まで運んでくれました。パワフル!
 
夕食はせっかくだからここのレストランでちょっと奮発。白身魚のピカタと白ワインを頼みました。ワインは今までと比べるとかなり重めの味。ドイツワインは南に行くほど味が強くなるって言うけど、本当かも。料理はさすが「名シェフ」の腕になるだけあってとても美味。前菜にキノコとエビの煮込みが付いてきたのですが、これも絶妙の味。うわ〜、すごい!シュトゥットガルトってグルメの街でもあるのね!(即決)


ウルム・ミュンスター
さて、次の朝。シュトゥットガルトにやってきましたが、2日間はここを根城に周辺の観光に行きます。だってティモ君はオーバーハウゼンに行っちゃってるもんね〜(わかりやすいヤツ)。今日はここからICEで1時間ほどの「ウルム」と、さらにそこからローカル線で40分ほどの「ギーンゲン・アン・デア・ブレンツ」という町に出かけます。
ウルムは「世界一高い塔を持つ大聖堂」で有名な所で、この塔に昇るのが目的。この町は「もう1人のティモ君」カイザースラウテルンのヴェンツェル君の出身地でもあります。あ、それからアインシュタインもここの出身。
中央駅からミュンヘン行きのICEに乗り込むと、同じ車両にまたしても遠足の団体が乗り込んできました。今度は高校生くらい?なんでこんなに遠足に出くわすんだろう。近くの席に座った少年、何やらでかい音でラップのCDをかけ、グビグビ飲んでいます。う〜ん、ガキってのはどこでも(以下略)。しばらくすると先生らしい女性がやってきて、その子に「アンタの飲んでるの、ビールじゃないでしょうね?」と。「違うよ、ノンアルコールだって」と瓶を見せる生徒。するとその先生はくるっとこっちを向いて私に「すみません、この子、うるさくないですか?」と。まあ、気になるわけでもないので「別に大丈夫」と言ったら、そのまま向こうに行ってしまいました。そのボーズは少々音量を下げて、それでもCDを聴いています。ふうん、周りが気にしないなら別にかまわないってことなんだ。(うるさかったら正直に言いましょうってことね)
 
ウルムに着き、駅を出てドームの方に向かいます。途中、ショッピングセンターの前にちょこんとアインシュタインの記念碑が。ずいぶん小さいんですね。なんとなく居心地悪そう。空は曇り、風も結構あって寒い・・・ガマンできなくて、近くの「ユ○クロ」みたいなお店で厚手のカーディガンを買いました。「寒いからすぐ着ます。値札切ってください」と言ったら、「もう冬みたいだよね」とお姉さん。ホントに寒い・・・。
すぐにドーム広場に着きました。ドームは・・・本当に高い塔です。あのケルン大聖堂より数メートルだけですが高いんだそう。教会内見学は無料、塔に登るのは大人3ユーロ。11時半からオルガンコンサートがあるとのことでした。
まず教会内を見学。ここも中は落ち着いた感じ。派手な装飾はないけど、祭壇のステンドグラスがとてもきれいです。後ろには大きなオルガンが。後であれが聴けるのね。
ドームの塔からの眺め
そしていざ!高さ161,53mの大聖堂の塔に挑戦です。なんでも、768段も階段を昇るそうで・・・(くらっ)覚悟を決めて、受付のおばさんに「行ってきまーす!」と言い残して塔を登り始めました。
上がるのと下るのは別の階段。ひたすららせん状の石の階段を昇ります。途中の壁には窓がついていて、そこから広場が見下ろせます。ひえ〜怖いっ!高いっ!登っても登ってもまだ途中だし。途中で階段を間違えて、下り用のところを登っちゃったみたい。すれ違った少年少女たち、ゴメンね〜。(若い子にしか会わなかった・・・)最後の階段を昇りきり、一番上の展望スペースに着いた時にはもうゼーゼー。風がとても冷たくて、さっき上着を買っておいてよかった・・・と思いながら展望台に立ちました。うわーすごい!
街中を流れるのはドナウ川。こちら側の旧市街には、茶色い屋根の古風な可愛い町並みが。とても素晴らしい眺めです。はあ、頑張って登ってきたかいがあったというものですね。晴れた日にはアルプスまで見えるとのことですが、今日は曇っているのでそこまでは見えません。それでも素敵!
実はこの上に昇る梯子なんかもあったんですが、さすがにそれは「一般人禁止」なので、展望台を一周して下に下り始めました。はっきり行って降りる方が怖かった・・・下が見えるし、石段の衝撃が疲れた足にガンガン響きます。降りきった時にはもうヘロヘロ。まあ、素敵な景色が見られたので後悔してませんけどね。
 
地上に降りた後、さすがにのどが渇いたので飲み物を買いに広場の朝市へ。水を買い、いろいろ店を見ていたら「ハチミツ専門店」が。そこにはダンナさんが欲しがっていた「ハニーワイン」を売っていました。どうしようかと思いましたが、もうホテルを移動する予定はないから買っちゃおう!と思い、売ってたおじいさんに「これ下さい」。おじいさんはニッコリして「これ、ハチミツのワインだよー」と。「私の夫が大好きなの」と言ったら、「ダンナさん?」と一瞬びっくりした顔するおじいさん。(ああ、やっぱそういうトシには見えませんか)でもすぐにまたニッコリして「そう、それは良かったね〜!」。見事ゲット。4.9ユーロです。
 
ちょっと荷物が重くなったけど、気にせずオルガンコンサートへ。日曜日以外は毎日開催されているようです。30分間、1人2ユーロ。曲目は結構バラエティに富んでいて、普段あまり聞かないような作曲家の作品もありました。ここのオルガンは割と新しいものらしいですが、荘厳な雰囲気と美しい音でとても素敵な演奏でした。結構おすすめです。
帰り際、受付で記念に一枚、ここのオルガンのCDを買いました。さあ、この時点でCDを何枚買ったでしょう?(笑)
シュタイフ社入り口より
ミュンスター広場に面したカフェでヒムベアー(ラズベリー)トルテを食べた後、今度はローカル線に乗ってブレンツ川沿いの小さな町・ギーンゲンへ。ここにはテディベアで有名な「シュタイフ社」があります。ここの「マルガレーテ・シュタイフ博物館」を見て、娘へのお土産にシュタイフのテディベアを買うのが目的です。
車窓からの景色はのどかな田舎の風景。きれいな小川が流れていて、その周りにポツポツと家や木があり、馬や牛・羊などが放牧されている場所も。いいなあこういうの。風景を楽しんでいるうち、ギーンゲンに着きました。世界的に有名なシュタイフ社のある町ですが、町自体は小さくてとても静かな所。ガイドブックに書いてあったとおりに駅前を右に進み、左に曲がって大通りを進み、きれいな小川を渡って少し行くと・・・左手にガラス張りの工場みたいな建物が見えてきました。ここがシュタイフ社です。
えっと・・・何だか思っていたより殺風景だわ。確かにテディベアをあしらった記念碑が門の前にあるんだけど、そのそばで工事をやってて何だかほこりっぽいし、建物はいかにも工場!って感じで。大体ここのどこに博物館が?
よく見たら、左の方に「Museum」の文字が。思っていたよりも小さな建物です。入場料は無料。中に入ると、外とは全く違った世界がありました。
うわー可愛い!
博物館のベア達
テディベアが最初に作られたのは1902年。シュタイフ社の創設者・マルガレーテ・シュタイフさんが甥のリヒャルトさんに「このクマ、ぬいぐるみにしてみて」と写真を見せられて製作したのが始まりだとか。この博物館では、マルガレーテさんの遺品や、シュタイフ社が今までに発売してきた数々の名品が可愛らしく展示してあります。まさにテディベアファンは必見。日本のガイドブックにも紹介されているので、日本からの観光客も多いのだとか。この日も日本人らしいカップルが一組いました。
シュタイフと言えば「ベア」のイメージが強いですが、他にも様々な動物のぬいぐるみもありました。犬、猫、ロバ、牛・・・他にもたくさん。どれも可愛い顔♪小さな男の子が家族に連れられて来ていましたが、その子なんて本当に大喜び。「べあー!」「ふんと!」って。途中に2メートルくらいある大きなベアが立っていて、「うわー!」とびっくりしてるおチビさん。「大きいね〜!」とドイツ語で言ってあげたら、大喜びでニッコリ。君も可愛い♪
最後の方には各国対象の限定ベアも展示してあり、日本向けには振袖を着たベアと金太郎さんベア(ちゃんと黒いベアにまたがってる2段構え!)がありました。他にも色々な国の風物でアレンジされたベアがたくさん。面白かったです。
 
すっかりほんわかした気分になって博物館を出て、今度はアウトレットショップを探しました。・・・が、ガイドブックに書いてあった場所は工事中。なんでも、新しい大きな記念館みたいなのを建てて、博物館とショップをひとつにまとめる・・・みたいなことが看板に書いてありました。仕方ないので外に出ると、道を挟んだ向かいにベアの専門店が。ここでやってるんだ。
中に入って「グーテンターク」と挨拶したら、上品で陽気そうなおじさんが2人、「ハロー、アウス・ヤーパン?イラッシャイマセー!」とニコニコ。日本語?やっぱり日本人客がよく来るのね・・・。「いっぱいあるから見て行ってね。何かあったら言って」とおじさん。本当にいっぱいあります。きれいな服を着た限定品から、素朴な「子供のお友達」のものまで、大きさも様々。ジョイントが入って手足の動くものは結構なお値段なんだけど、そうでないものは割と格安です。某大手サッカーチームのユニフォームを着たものもありましたよ。ここはバイエルン州じゃないだろうに!(ギリギリですが)
迷ってた私の目に飛び込んだのは、シルバーグレーの大きめのベア。あ、この色ステキ。大きさもこのくらいあったらいいな。お値段を見ると、ちょうど予算くらいです。よし、この子を連れて帰ろう!
おじさんに「これにします」と言ったら、「この子はおしゃべりするんだよ」。体を寝かせると、何とも言えないおマヌケな声が。大喜びして「これいい!これに決めた!」と言うと、「大きすぎて箱がないから、このままでもいい?」と大きな手提げ袋に入れてくれました。娘へのお土産だと言ったら、「じゃあ、あなたには私達からプレゼントをあげる。この中から好きなのを選んで」と、小さなぬいぐるみのキーホルダーを見せてくれました。小さくてもちゃんとシュタイフの証「ボタン・イン・イヤー」とリボンがついています。白いクマのを選び、「ありがと」と言って店を出ようとしたら「ドウモアリガトウ、サヨナラ」と日本語が返ってきました。
ああ、楽しかった。素敵なベアも見つけたし。
かなり重くなった荷物を抱え、私は帰りの電車に乗ったのでした。

| Freu dich sehr! | Naumburg | Leipzig | Berlin | Worms | Lorsch-Hofheim | Ulm-Giengen | Speyer |
| Stuttgart.1 | Esslingen | Stuttgart.2 | Stuttgart.3 | Galerien | Link |