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ちょこっと 言いたい「邦題」 ページ8
注意:ネタばれあります。
コレを読んで、その映画が見たくなるというような効果はありません。
比較は、原題をそのままか直訳か意訳したとして、その意味が邦題とどっちが内容にあっているかなというものです。
英語(もちろん、その他の外国語も)は全然わかりませんので辞書頼み。勝敗の基準は『banbanの主観』です。異論があっても我慢してください。

ほぼ同映画(邦題と原題が同じ、または、ほぼ同じ)の感想はこちら
邦題で映画索引//不完全人物ノート俳優編監督編
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141 ジャック・ニコルソンすごい。皆で唱えよう「グ〜スフラバー」。 
邦題 NY式ハッピー・セラピー  勝敗 邦題の勝ち 
原題 ANGER MANAGEMENT 
出演 アダム・サンドラー(デイヴ) ジャック・ニコルソン(バディ) マリサ・トメイ(リンダ) ジョン・タトゥーロ(チャック) 監督 ピーター・シーガル 2003年
怒りを抑えて生きている大人しい男デイヴは、飛行機内で言いがかり的な嫌疑で逮捕され、裁判で、ANGER MANAGEMENT(怒り抑制プログラム)を受けるよう言い渡される。担当になった精神科医は、飛行機で隣りの席にいた男バディ・ライデル医師だった。すぐに開放されると軽い気持ちで始めたセラピーだが、パートナーに指定されたチャックはすぐにキレる男で、デイヴは深みにはまっていく。恋人のリンダとの関係も危なくなる。/アダム・サンドラーの映画って、たぶん、見たのは3作目だと思うけど、面白いと思えたのはこれが初めてだったりする。アダム・サンドラーは存在感のある俳優だと思うのだけど、なにが面白いのか、よくわからなかった。今回は、より強烈なキャラクターのジャック・ニコルソンがいたせいか、全体のバランスが取れていたような気がする。ジュリアーニ元ニューヨーク市長やジョン・マッケンローなど、いろいろな人が出ていたもよう。この2人くらいしかわからなかったけど。邦題は、変だけど、ノーテンキな感じがしていいかも。 

142 文章にはピリオドが大事って事か。 
邦題 スペース・タイム/時空を超えた使命 勝敗 原題の勝ち 
原題 BOOK OF FATE 
出演 ユハ=ペッカ・ミッコラ ヨハンナ・コッコ ヴェッサ・ヴィエリッコ 監督 トンミ・レポラ 2003年 フィンランド
えーと……。特殊なペンで文章を書くと、それが現実になるという特殊な本があって、はるか昔にそれが行方不明になった、と。その本とペンをみつけて正統な持ち主に返すという使命を帯びた男の物語……らしい。/18世紀のトランシルバニアの司祭から始まって、19世紀のアリゾナの賞金稼ぎ、20世紀フィンランドの兵士、21世紀のスパイ、さらに22世紀のアンドロイドと、一人の男が生まれ変わって(?)、彼自身の未完の物語が、その本に綴られていくわけで、本人は別に本を探すのが使命だとは知らないみたいなので、邦題は的外れだと思うなあ。映画全体は、まるで、寝ている時に見た夢をそのまま映画にしてみましたって感じで、アイデアが練られてもいないし、ヘボい。トランシルバニアの場面では、吸血鬼たちの衣装がお揃いで安い舞台劇みたいだし、アリゾナの賞金稼ぎは、西部の男に見えないし、スパイのアクションはスローモーションみたいでぬるかった。ひとつだけ、ためになったのは、文章を完成させるにはピリオドが重要ですよという事がわかったって事かなあ。原題は「運命の書」。

143 楽しいのが一番だよね、保育園。 
邦題 チャーリーと14人のキッズ  勝敗 原題の勝ち 
原題 DADDY DAY CARE 
出演 エディ・マーフィ(チャーリー) ジェフ・ガーリン(フィル) スティーヴ・ザーン(マーヴィン) アンジェリカ・ヒューストン(ハリダン園長) 監督 スティーヴ・カー 2003年
やり手のビジネスマンだったチャーリーとフィルだが、リストラされて家にいることに。いっそ保育園を開こうということで、自宅でDADDY DAY CARE(パパ保育園)を始める。/そつのないコメディで、面白くてちょっとほろりとして、見た後では、家族の事なんか考えさせられたりします。英才教育で生徒を集めるハリダン幼稚園のハリダン園長がぴったりハマっていました。邦題は、なんだかリズム悪くて間が抜けてないかなあ。   

144 つるつるじゃないヴィン・ディーゼル。 
邦題 ブルドッグ  勝敗 邦題の勝ち 
原題 A MAN APART 
出演 ヴィン・ディーゼル(ショーン) ラレンズ・テイト(D) ティモシー・オリファント(ジャック) ジーノ・シルヴァ(ルセロ) ジャクリーン・オブラドース(ステイシー) 監督 F・ゲイリー・グレイ 2003年
麻薬捜査官のショーンとDは、7年も捜査を続けてきた麻薬王ルセロをようやく逮捕した。が、ルセロが刑務所に入ったとたんに、ディアブロ(悪魔)と名乗る謎の人物が麻薬ルートを牛耳り始め、ショーンも襲われて妻ステイシーが殺される。復讐を誓うショーンは、ルセロから情報を得て、ディアブロを探し始める。/果たしてディアブロとは何者なのか、というサスペンスですね。ヴィン・ディーゼルって、善と悪の境界線ギリギリにいる男って感じですよね、外見から言っても。でも、意外とカワイイので好きです。邦題は何? 噛みついたら離さないってキャッチコピーだからブルドッグなのかな。逆かな。原題は「切り離された男」という意味なのですかね。組織から離れて悪を懲らす? ブルドッグが、本当に噛みついたら離さないのかは知らないけど(一般にはスッポンが離さないと言われているよね。まあ「スッポン」じゃあヴィン・ディーゼルも嫌だろうけど)、雰囲気出てるから邦題の勝ちで。 

145 陪審員制度ってたいへんそうだ。 
邦題 ニューオーリンズ・トライアル  勝敗 邦題の勝ち 
原題 RUNAWAY JURY 
出演 ジョン・キューザック(ニック) ジーン・ハックマン(フィッチ) レイチェル・ワイズ(マーリー) ダスティン・ホフマン(ローア弁護士) ブルース・デイビソン(ケーブル弁護士) ブルース・マッギル(ハーキン判事) 監督 ゲイリー・フレダー 2003年
銃乱射事件で夫を亡くした未亡人が銃器メーカーを相手取って裁判を起こした。その陪審員をめぐっての駆け引きやら、取り引きやらのお話。陪審員候補になったと知らされたニックは、まったく乗り気でない素振りだが、陪審員に選ばれる。が、実は、選ばせるための演技だった。ニックはマーリーと組んで、陪審員の評決を操ってやるからと原告の弁護士ローア、被告の陪審コーディネーターのフィッチ、双方に取り引きを申し出る。果たして彼らの目的は金なのか? /ということで、陪審コーディネーターなるものが存在するという事を初めて知りました。陪審員候補の思想や生活を調べて、自側に有利な評決を下しそうな人物を陪審員に選ぶのが仕事らしい。フィッチはやり手で、時には汚い手も使うという人物。一方の弁護士ローアは高潔な人柄だが、自側の不利を感じてマーリーの誘いに迷う。ニックとマーリーも、金を得るのが目的である事には間違いないけど、別の賭けもしている。駆け引きや気持ちの裏表が面白い。原題は、すみませんよくわかりません。「逃げる陪審員」? 邦題は場所がニューオーリンズなので、「ニューオーリンズの評決」。内容とも合っているしかっこいいので邦題の勝ち。ジョン・グリシャム原作。  

146 確かに誰でも秘密はあるよね。 
邦題 白いカラス  勝敗 邦題の勝ち 
原題 THE HUMAN STAIN 
出演 アンソニー・ホプキンス(コールマン) ニコール・キッドマン(フォーニア・ファーレイ) ゲイリー・シニーズ(ネイサン) エド・ハリス(レスター・ファーレイ) ウェントワース・ミラー(コールマンの青年時代) 監督 ロバート・ベントン 2003年
原題は「人間のキズ」という事で、誰にでも秘密がある、というコピーになっているわけですかね。邦題は、主人公のコールマンの持つ秘密でもあり、フォーニアの言葉でもあって秀逸だと思います。名門大学の古典文学学部長のコールマンは、授業に出てこない学生をspook(幽霊)と呼んだ。が、それが黒人の蔑称の意味も持っていた事から人種差別だと糾弾され辞職することになる。が、彼コールマンは、実は、白い肌に生まれついていたが両親は黒人で、それを隠して生きてきた。その秘密を告白すれば、彼が人種差別をしたわけではない事は証明できるが、彼にはそれができない。ショックで妻は死んでしまい、一人になったコールマンは、若いフォーニアと恋愛関係になる。彼女にもまた、人に言えない秘密があった。/何でもないようでいて迫力のあるお話でした。俳優陣を見れば、迫力あるってわかりますよね。

147 めちゃくちゃぶりがイイ! 
邦題 ゴースト・ハンターズ  勝敗 原題の勝ち 
原題 BIG TROUBLE IN LITTLE CHINA 
出演 カート・ラッセル(ジャック) キム・キャットロール(グレイシー) デニス・ダン(ワン) ジャームズ・ホン(ロー・パン) 監督 ジョン・カーペンター 1986年
トラック運転手のジャックが友人のワンと共に彼の婚約者を空港に迎えに行くと、彼女は、チャイナ・タウンのギャング団にさらわれてしまう。追いかけていくと、チャイナ・タウンでギャング団の出入りに巻き込まれ、そこへ妖術を使う編み笠三人衆と妖魔皇帝ロー・パンが現れ、わけのわからない事になる(いや、ほんとにわけわからないんです)。婚約者と弁護士のグレイシーはロー・パンにさらわれる。緑の目の女と結婚すると、ロー・パンは呪いが解けて人間に戻れるらしい。二人は緑の目の女なのだ。女を助けるためにジャックとチャイナ・タウンの占い師とその他の人々はロー・パンの館に乗り込む(たぶん、そんな感じ)。/よくわからない話だったけど良かった。好きなんですよ、こういう話。でも、「妖怪人間ベム」でも「パイレーツ・オブ・カリビアン」でもそうだけど、どうして人間になりたいのだろう。たいがい、人間になるとすぐに殺されちゃうじゃん。短命でひ弱な人間になりたいというからには、不死身で万能よりもいい事があるって事なんだろうなあ。痛みもない代わりに快感も感じられないのがイヤみたいなんだけどさー。原題は「リトルチャイナの大事件」かな。でも邦題は、どう見ても「ゴースト・バスターズ」のアレでは? だから原題の勝ち。

148 クリスチャン・ベール、顔わからなかったよぅ。 
邦題 サラマンダー  勝敗 原題の勝ち 
原題 REIGN OF FIRE 
出演 クリスチャン・ベール(クイン) マシュー・マコノヒー(ヴァンザン) イザベラ・スコルプコ(アレックス) 監督 ロブ・ボウマン 2002年
ロンドンの地下で、火を噴くドラゴンが目を覚ました。最初にそれを目撃した少年クインは、その時母親を亡くす。ドラゴンは一頭だけではなく、数限りなく現れた。2020年、人類文明はドラゴンに焼き尽くされようとしていた。イギリスで、生き残りのリーダーとして砦を守っているクインのもとに、アメリカから渡ってきた兵士の一団が現れる。リーダーのヴァンザンは、無数のドラゴンは全て雌で、最初に現れた一頭だけが雄なのだと言う。その雄を殺せばドラゴンは滅びるのだ。雄が巣を作っているロンドンに行って攻撃しようというヴァンザンに対して、隠れ暮らしてドラゴンが再び眠りに着くのを待つというクイン。/恐竜滅亡の原因がドラゴンに焼き尽くされたからで、その灰のために氷河期になった、というのはどうかと思うし、雄が一頭だけという根拠がよくわからなかったけど、少年の時に見た最初のドラゴンの恐怖のトラウマで守りに入っていたクインが、攻めに転じて恐怖を克服する男になる、というのはなかなか見応えがあった。邦題は「火の中に住むトカゲ」で、別に火を噴く竜というわけじゃないらしい。原題は「炎の時代」とか「火の支配」ですか? 火に支配されていたのはクインの心なのかもしれないけど、原題の勝ちで。 

149 ホントなの? フィクションなの? 
邦題 コンフェッション  勝敗 邦題の勝ち 
原題 CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND  
出演 サム・ロックウェル(チャック・バリス) ジョージ・クルーニー(ジム・バード) ドリュー・バリモア(ペニー) ジュリア・ロバーツ(パトリシア) ルトガー・ハウアー(キーラー) 監督 ジョージ・クルーニー 2002年
アメリカのTVプロデューサー、チャック・バリスの小説の映画化。/娯楽番組を多数成功させた人気プロデューサーのチャックには、裏の顔があった。それはCIAの非合法工作員、つまり殺し屋だというお話。これが真実かどうかというのは興味を感じるけど、なんだか、有り得るような気もするところが、“アメリカ”かなあ。脚本はチャーリー・カウフマン。原題は小説のタイトルで「危険な心の告白」。邦題は、すぐには意味がわからないけど、インパクトがあるからこっちの勝ち。 

150 どこが二重? 
邦題 二重誘拐  勝敗 原題の勝ち 
原題 THE CLEARING 
出演 ロバート・レッドフォード(ウエイン・ヘイズ) ヘレン・ミレン(アイリーン・ヘイズ) ウィレム・デフォー(アーノルド・マック) 監督 ピーター・ジャン・ブルージ 2004年
努力の末にアメリカン・ドリームを実現した初老の男ウエインを、リストラされて職を失い公園の受付をしている男アーノルドが誘拐する。/緑濃い山中でのアーノルドとウエインの会話や、ウエインを心配する妻や子供たちの会話など、理不尽な犯罪と被害者家族の苦悩はなかなかよくわかった。けど、ちょっと待てー。どこが「二重誘拐」なんだー? 邦題を念頭に置いて見ていると、たとえば、アーノルドの家族が誘拐されて、アーノルドはその犯人に脅されてウエインを誘拐している、とか思うじゃないですかー。でも違う。誘拐はひとつだけ。原題は「除去」とか「きれいにすること」とかだけど、「手形交換」という意味もあるらしいので、その「交換」という部分でもって二重の誘拐が行われて人質の交換が行われる、と捕らえたの、か? ちゃんと見て邦題つけているんだよねえ? 、  

151 1992年の携帯電話、大きいね。 
邦題 ダーク・スティール  勝敗 原題の勝ち 
原題 DARK BLUE 
出演 カート・ラッセル(ペリー刑事) スコット・スピードマン(キーオ刑事) 監督 ロン・シェルトン 2003年
ロドニー・キング事件の翌年の1992年、キング事件の評決間近で、結果によっては一触即発のロサンゼルスが舞台。犯罪者はどんな手段を使っても一掃するべきというベテラン刑事のペリーと、彼と上司のやり方に異を唱える新人刑事のキーオ。ペリーと上司は、証拠のでっち上げなどあくどい事をやっていた。/キング事件の評決は無罪で、ロス暴動を引き起こしました。その最中に、ペリーは上司を信じてワナにはまり、キーオ刑事が殺されてしまったことで、ようやく目覚めるわけですが。もっと早く目覚めてほしかったね。若くてカッコイイ刑事が蜂の巣になる前に!

152 まさか続編が作られるとは。 
邦題 ヒューマン・キャッチャー  勝敗 原題の勝ち 
原題 JEEPERS CREEPERS 2 
出演 レイ・ワイズ(タガート) エリック・ネニンジャー(スコット) ガリカイ・ムタンビルワ(ダブルD) ニッキー・アイコックス(ミンクシー) ジョナサン・ブレック(クリーパー) 監督 ヴィクター・サルヴァ 2004年
ジーパーズ・クリーパーズ」の続編。時間的には前作のすぐあと。23年ごとに23日間目覚めて人間を食いまくるという怪物が、高校のバスケットボールチームのバスを襲う。息子をさらわれた農夫のタガートは、自作の武器を携えて怪物を追って、バスにたどりつく。/自己中のスコットや俊足のダブルD、霊感少女のミンクシーなどなどが、ほぼ予想通りに襲われます。怪物(クリーパー)は飛びまくります。飛んだり落ちたりすごく活発。前作(の前半)の不気味さは、ちょっと減ってしまいましたが、びゅんびゅん飛びまくりお手製の手裏剣を投げる怪物、なかなか親しみがわくかも。邦題は、似たようなタイトルがありましたよね。わざわざ、間違えさせようとしなくてもいいと思うので原題の勝ちで。

153 神にも遺したいものがあるってことかな。 
邦題 ゴッド・ディーバ  勝敗 邦題の勝ち 
原題 iMmortal 
出演 リンダ・アルディ(ジル) トーマス・クレッチマン(ニコポル) シャーロット・ランプリング(エルマ) 監督 エンキ・ビラル 2004年
2095年、ニューヨーク。突然空中に現れたピラミッドに騒然とする人々。その中には、反逆罪により神々から永遠の眠りを宣告された神ホルスがいた。ホルスは7日間の猶予を得て、青い髪と青い涙の女ジルを探しに地上に降りてくる。彼が目的を果たすためには人間の肉体が必要だが、ユージェニックス社による肉体改造、臓器交換が一般的になっている社会では、彼を受け入れる事のできる清浄な肉体の持ち主がいない。そんな時、30年前反逆罪で冷凍睡眠刑に処せられたニコポルの冷凍カプセルが上空の刑務所から脱落して、ニコポルが目覚める。/実写で出てくるのはジル、ニコポル、エルマの3人だけで、あとはCG。CGキャラクターも、特に実写に近づけようとしていないけれども、慣れると違和感がないからちょっと不思議。ホルスの話のほかにも、異世界に通じる「侵入口」の存在やレベル3に住む異星人ジョンとジルの関係など、あれこれ想像したくなっちゃいます。好みです。原題は「永遠の存在(=神々)」、邦題は「神のプリマ(歌姫)」という感じですかね。特に歌は出てこないけど「神の女」と思ったらいい感じだから、邦題の勝ちで。

154 どつぼにはまる、ってこういう事なのね。 
邦題 タイム・リミット  勝敗 邦題の勝ち 
原題 OUT OF TIME 
出演 デンゼル・ワシントン(マット) エヴァ・メンデス(アレックス) サナ・レイサン(アン) ディーン・ケイン(クリス) ジョン・ビリングスリー(チェイ) 監督 カール・フランクリン 2003年
フロリダ、バニアン・キーの警察署長マットは妻のアレックスと別居中で、高校時代に恋人だったアンと不倫しているが、内心ではアレックスに戻ってほしい。が、アンがガンに冒されていることがわかる。治療には高額な医療費が必要だ。マットは、なんとかしてやりたいと思うが……。/で、どんどん深みにはまっていくマット。ある意味マヌケな男の役のデンゼル・ワシントン、こういうのもいいね。原題は「期限切れ」の他にも「タイミングが外れた」という意味もあるらしい。でも、タイムリミットがわかりやすいからこっちの勝ちで。 

155 子供の台詞はグサッと来た。 
邦題 ブラス!  勝敗 邦題の勝ち 
原題 BRASSED OFF 
出演 ピート・ポスルスウェイト(ダニー) ユアン・マクレガー(アンディ) タラ・フィッツジェラルド(グロリア) スティーブン・トンプキンソン(フィル) 監督 マーク・ハーマン 1996年
1992年、サッチャー政権の政策で、廃坑が決まった炭鉱のブラスバンド、グリムりー・コリアリー・バンドの面々と家族のお話。バンドは、全国大会の出場権を手に入れるが、炭鉱の閉鎖が決まって、それぞれの生活が苦しく、出場を断念せざるを得なくなる。/病気で倒れた指揮者のダニー。ダニーの息子でトロンボーン奏者のフィルは、借金が返せなくて家財を持っていかれてしまったのに、さらに借金をして、新しいトロンボーンを買ってしまう。トロンボーンが壊れていて、まともな音が出せなくなっていたのだ。が、それを見た妻は絶望して子供を連れて家出する。その家出先(実家?)で、子供が、「おじいちゃんは病気で長くないから、幸せに死なせてやらなくちゃいけないとお父さんが言っていた。おかあさんはどんなふうに死にたい?」と問いかけるのです。どんなふうに死にたい、って、そりゃあ誰だって満ち足りた気持ちで死にたいですよね。それを聞いた妻は、大会に、バンドの演奏を聞きに行く。炭鉱は閉鎖だし、バンドは解散の危機だし、みんな生活に困ってしまうし、ラストの「威風堂々」がしんみりと聞こえてしまいます。邦題だと「!」なんかがついているので、困難に負けずに音楽でハッピーになるぞ! という元気のいいお話かと思っちゃいますけど、原題は「うんざり、あきあき」という意味のようです。ラストは、優勝してもしんみりしてしまうけれども、それでもやっぱり、たくましく幸せに生きていってほしいから、希望を込めて邦題の勝ちで。   

156 「エアポートなんたら」ってタイトル、いい加減にやめようよ! 
邦題 エアポート'04 勝敗 原題の勝ち 
原題 JUNIOR PILOT 
出演 ジョーダン・ギャレット マーク・ダカスコス 監督 ジェームズ・ベケット 2004年
えーと。機長が気絶して副操縦士は薬で寝てしまって、コックピットのドアが開かなくなった絶体絶命のジャンボ機を、少年少女が操縦、無事着陸してめでたしめでたし、というお話、だな。/客にまじって乗り込んだ犯罪者グループはせこい誘拐窃盗犯で、捜査のために乗ってきた捜査官はタバスコソースの悪戯でヒィヒィいっていて、機内で暴れまわるガキ共を引率者は誰も止めなくて、機長は食べ物の投げ合いを見物に行こうとする。いやまあ、「ジュニアパイロット」ってタイトルなら問題なかった(というより、それだったら最初から見ない)と思うのですけどね。少なくとも、ガキよ、自分が操縦席に着く前に、軽く壁にあたっただけで気絶してしまったヘタレな機長を揺り起こせ! 蹴り起こせ! どつき起こせ!

157 見応えある。 
邦題 インファナル・アフェア2  勝敗 ? 
原題 無間序曲 
出演 エディソン・チャン(ラウ) ショーン・ユー(ヤン) アンソニー・ウォン(ウォン) エリック・ツァン(サム) カリーナ・ラウ(マリー) フランシス・ン(ハウ) 監督 アラン・マック 2003年
インファナル・アフェア 無間道」の続編。続編だけど時間は前作より前。香港マフィアのボス、クワンが殺されて混乱する闇社会。クワンの配下だったサムがのし上がっていく経過と、警察への潜入を志願したラウ、警察からマフィアへと潜入したヤンの苦闘の始まり。ウォンの苦悩。/いいですねー。前作からさかのぼって、そもそもの始まりから作ったところがいい。若いラウもヤンもカワイイし笑顔がいい。これで、ますます、第3作目のトニー・レオンを見たい気分が盛り上がりました。いえ、もちろん物語も楽しみです。 

158 楽しい。 
邦題 セイブ・ザ・ワールド  勝敗 邦題の勝ち 
原題 THE IN-LAWS 
出演 マイケル・ダグラス(スティーヴ) アルバート・ブルックス(ジェリー) ロビン・タニー(アンジェラ) ライアン・レイノルズ(マーク) キャンディス・バーゲン(ジュディ) デヴィッド・スーシェ(ジャン・ピエール) 監督 アンドリュー・フレミング 2003年
CIAの秘密エージェントのスティーヴは仕事で世界中を飛び回っている。息子マークの婚約者メリッサの家族との会食にも遅刻するスティーヴを、メリッサの父で足専門医ジェリーは気に入らない。が、ジェリーはスティーヴの仕事に巻き込まれて、フランスのマフィアのボス、ジャン・ピエールに気に入られたりしてしまう。/1979年「あきれたあきれた大作戦」のリメイク。活動的で躁気質としか思えないスティーヴと、彼に振り回される神経質な足専門医ジェリーの親父コンビが楽しい。原題は「姻戚」という意味で、これだと、マークとメリッサが結婚する事で親戚関係になる2つの家族のお話という感じ。邦題は、ラスト近くで、スティーヴがマークに言う「なぜ世界を救うと思う? 家族がいるからさ」から来ているのでしょうか。「あきれたあきれた大作戦」<「THE IN-LAWS」<「セイブ・ザ・ワールド」ですかね。

159 え、原作があるの……? 
邦題 シリコンバレーを抜け駆けろ!  勝敗 邦題の勝ち 
原題 THE FIRST $20MILLION IS ALWAYS THE HARDEST 
出演 アダム・ガルシア(アンディ) ロザリオ・ドーソン(アリサ) 監督 ミック・ジャクソン 2002年
物を作る仕事をしたい、と、高報酬の仕事を辞めてコンピューター開発の研究所に転職したアンディ。99ドルPCを作るプロジェクトのリーダーにされてしまい、メインプロジェクトには入れてもらえない。チームは落ちこぼれ研究員ばかり。/ぬるいコメディってところでしょうか。

160 サスペンスってわけじゃない。 
邦題 真夜中の銃声  勝敗 原題の勝ち 
原題 UP AT THE VILLA 
出演 クリスティン・スコット・トーマス(メアリ) ショーン・ペン(ローリー) 監督 フィリップ・ハース 2000年
第二次大戦直前のイタリア・フィレンツェ。世の中は不穏になってきている。フィレンツェの別荘に暮らす外国人貴族たちも、住みにくくなってきていた。イギリス人の未亡人メアリは、同じくイギリス人の有力者エドガー卿にプロポーズされる。愛してはいないがプロポーズを承諾するつもりのメアリだが、エドガー卿が仕事から帰る3日後まで返事を延期する。その間に、メアリは、パーティでアメリカ人男性ローリーと知り合う。ローリーにひかれたメアリだが、その晩、パーティでバイオリンを弾いた亡命者の青年と一夜を共にする。ところが、本気になった青年が、メアリの寝室でピストル自殺してしまう。困ったメアリはローリーに助けを求める。/サマセット・モームの原作のようですが、サスペンスっぽい邦題に惑わされた感じがします。ラブ・サスペンスってところでしょうか。愛は理解が難しいです。原題は「別荘での出来事」とでもいうのでしょうか。
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