大腰筋(だいようきん)?
健康体操やスポーツ競技のトレーニング・動作に対しての説明で、大腰筋という筋肉の名称が聞かれることが多くなりました。でも大腰筋ってどこの筋肉?と思うかたのためにまとめてみました。
■ 大腰筋 = 腰椎前面・肋骨突起→骨盤の内側(内臓の後ろ)→鼡径靭帯の下→大腿骨小転子(内股付根部)
■ 腸骨筋 = 腸骨窩(腸骨内側、内臓の後ろ)→大腿骨小転子(内股付根部)
筋 名 |
起始(筋肉の始付部位) |
停止(筋肉の終付部位) |
神 経 |
作 用 |
腸腰筋 |
小腰筋
大腰筋 |
弟12胸椎椎体(小腰筋)
腰椎椎体・肋骨突起 |
大腿骨小転子 |
大腿神経 |
股関節の屈曲 (もも挙げ)
体幹の屈曲 (下肢固定お辞儀) |
腸骨筋 |
腸骨窩 |
大腰筋と腸骨筋は停止部位・神経・作用が同じのため、二つの筋名を合わせて腸腰筋と呼んでいます。
骨盤内腔にあるため内骨盤筋または内寛骨筋(ないかんこつきん)とも呼ばれます(インナーマッスル)。
腹直筋など腹部表面にある筋肉を浅腹筋。深部にあるた深腹筋と呼ぶ場合もあります。
寛骨 = 腸骨・恥骨・坐骨
骨盤 = 左右の寛骨と仙骨・尾骨でつくられる骨格
腰部骨盤前面 |
茶色 → 大腰筋(だいようきん)小腰筋を含む
オレンジ色 → 腸骨筋(ちょうこつきん)
二つ合わせて → 腸腰筋(ちょうようきん)
【内臓の後ろにある丈夫な腹筋】
もっと詳しく知りたい人は → 仙腸関節(船戸医師解剖学) TOP |
腰痛について
大腿の最も強力な屈曲筋(膝を持ち上げる筋肉)で大殿筋と拮抗関係にあり、身体のバランス・下肢の固定・体を起こす動作・歩行運動などに最も重要な働きをしています。
腰痛時に腹筋をきたえると腰痛が治るといわれていますが、その腹筋が腸腰筋です。正確には筋力と柔軟性の二つの働きを取り戻すことがポイントになります。
起き上がるときに腰が痛い。内股が痛い。腰が曲がって体を真っ直ぐ伸ばせない。立った状態で体を後ろに反らすことが苦手。 → 腸腰筋の短縮・過緊張を疑います。
腹筋運動ができない。あお向けで下肢を持ち上げてすぐにつらくなる。 → 腸腰筋の筋力低下を疑います。
スポーツ競技における(肉体労働も同じ)脚力に最も重要な筋肉です。
体操競技、短距離走、回転運動をする競技においては柔軟性が最も問われる筋肉です。
デスクワークや車の運転など座る動作が長い職業・作業で腸腰筋が衰えやすくなります。
腸腰筋治療手技 |
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左殿筋のストレッチ
左腸腰筋の収縮リラックス(約90秒)
内股に圧痛がある場合
モニターしながら行うと精度が上がります。 |
左腸腰筋のストレッチ
左殿筋の収縮リラックス(約90秒) |
■手技の目的 ■腰痛予防体操 |
プール内運動について
腰痛症状でプール内運動を勧められることが多くあると思いますが、効率の良い運動動作を以下に紹介します。
1.プール内もも上げ歩行。
水の抵抗が多くかかるように負荷をかけて大股で歩きます。
股関節の屈曲動作(腹筋運動)を左右交互に行うことになります。
反対側はストレッチされ後ろにそる動作が楽になります。
2.顔を水面に出したままの平泳ぎ。
骨盤周囲の筋肉ほぼすべてを一度に動かすことができます。
なるべく大きく動かして、引き寄せる動作を意識して下さい。
引き寄せるときに股関節の屈曲・内転動作を左右同時に行うことになります。
腕を同時に動かすことにより広背筋の筋トレにもなります。
顔を水面に出した状態で泳ぐことにより推進力が少なくなり、
負荷がかかりやすく効率のよい筋トレにつながります。
(疲れる泳ぎ方のため、水泳を上達させる目的では不向きです)
(膝内側痛にご注意下さい)。
3.自転車こぎ運動
もも上げ運動の反対の動作になります。 |
菊水館 温泉プール |
上記の繰り返し運動により効率のよい大腰筋(殆どの腰周りの筋肉)運動ができます。
運動量は、運動後に腰痛症状が悪化しない程度に個人の症状に合わせて行って下さい。
筋力が元に戻るにしたがって症状が少なくなって行きます。
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