手技の検査法

ここでは、筋骨格系機能障害における症状や症状の部位を特定する目的で行われる代表的な検査法(テスト)を紹介します。
整形外科的テスト法(オーソペディック検査法)理学的検査法と呼ばれる検査法です。基本的に道具や機械は使わすに、手技と指示によるもののみで関節を三次元に動かして行います。大掛かりな機械や設備を必要とせずに、症状の部位を特定することがでこます。

テストの名称は、動作や最初に開発した医師の人名がつけられています。また同じ動作のテストでも別名で呼ばれる場合もあります。( )内の英名は、主な世界共通用語として使われています。

治療を行う上で、検査(テスト)の正確性が重要な要素となります。一つの部位だけでなく、複合的に発生していることがあります。臨床上、テストを行った結果、症状の部位が特定された場合、テストの動きやその反対方向の動きの肢位が、そのまま治療肢位となる場合があります。検査(テスト)と治療は一つの流れの中にあり、受ける側にとっては区別がつかないこともあります。


頚 関 節

頚椎正常自動関節可動域

屈曲(前屈) 60°
伸展(後屈) 50°
側屈(左右) 50°
回旋(左右) 70°

スパーリング テスト(Spurling’s Test

検査法:座位。回旋そのまま後屈 両側
理論的根拠:屈側痛、神経根、小関節面の異常 挫傷をあらわす。

椎間孔圧迫テスト(Foraminal Compression Test

検査法:座位。頭部を上から押しながら正面・左右回旋
理論的根拠:椎間孔が閉鎖され放散痛がある場合、
          神経根が圧迫されていることを意味する。

ジャクソン テスト(Jackson Compression Test

検査法:座位。側屈。両手で垂直に圧迫負荷。両側。
理論的根拠:側屈に圧迫を加えることで椎間孔が閉鎖
          神経根が圧迫されている場合 → 放散を引き起こす。

肩引き下げテスト(Shoulder Depression Test

検査法:座位。片方の手で肩を押し下げ、もう片方の手で側屈し頚部を伸ばす。
理論的根拠:検査側痛みは、神経・血管束に圧迫があることを示唆する。
          筋・筋膜の拘縮、硬膜の癒着も考えられる。

伸延テスト(Distraction Test

検査法:座位。両手で頭部を軽く持ち上げ、頚部にかかる重量を除く。
理論的根拠:痛みがでる場合 → 筋・筋膜の短縮による伸張痛   
      痛みがなくなる場合 → 椎間孔圧迫 小関節包炎が考えられる。

ジョージ テスト(George’s Test

検査法:左右の血圧測定、左右橈骨動脈(手くびの動脈)の触知する。
理論的根拠:左右の収縮期血圧(最高血圧)に10mmHg以上の差がある場合
          → 鎖骨下動脈の狭窄、閉塞を示唆する。

バレ・リィウー徴候 (Bsrr’e-Leiou Sign)

検査法:右または左に顔を向ける、頭を動かすよう指示。(問診でも可能)。
理論的根拠:回旋は椎骨動脈の圧迫をもたらす。
          目が回る、ふらふらする、目がかすむ、吐き気、眼振など
          → 椎骨動脈症候群を示唆。


肩上部(胸郭出口部)

肩甲帯正常自動関節可動域
屈曲(前) 20°
展(後) 20°
挙上 20°
引下げ 10°

アレン テスト(Allen Test)

検査法:一側の腕を横に水平に上げ、肘を90°屈曲。
     橈骨動脈の拍動を触診、次に頚を反対方向に回旋する。
理論的根拠:橈骨動脈の脈拍減弱か消失 
          → 斜角筋群による鎖骨下動脈の圧迫を示唆する。

アドソン テスト(Adoson's Test)

検査法:座位.。橈骨動脈の脈を取りながら、両手背を膝の上におき、
     深呼吸で息を止め、頚を過伸展し患側に回旋。
理論的根拠:橈骨動脈の脈拍減弱か消失 
          → 斜角筋群や鎖骨下筋などによる鎖骨下動脈の圧迫を示唆する。

過外転テスト(Wright's Test)

検査法:座位 橈骨動脈を触診しながら肩関節過外転させた時の脈拍の変化と再現性をみる。
理論的根拠:橈骨動脈の脈拍減弱か消失 
          → 小胸筋か鳥口突起に付く筋の腋窩動脈の圧迫を示唆する。

三分間挙上負荷テスト(Roos Test)

検査法:座位。両肩90°外転、肘は90°屈曲。
     この肢位を保ちながら手を握ったり開いたりの動作を三分間繰り返す。
理論的根拠:健常者であれば続行が可能。
      早期に上肢の疲労や疼痛が誘発される場合や三分間
耐えられない場合は、
          斜角筋群による鎖骨下動脈の圧迫を示唆する。


肩 関 節

肩関節正常自動関節可動域
屈曲 180°
伸展 50°
外転(側方挙上) 180°
内転
外旋 90°
内旋 90°
水平屈曲 135°
水平伸展 30°

棘上筋腱炎テスト(Supraspinstus Tendiniyis Test)

検査法:肩関節を外転を指示しながら抵抗し棘上筋に負荷をかける(側方挙上90°で抵抗)。
理論的根拠:棘上筋腱付着部に痛みが出た場合、腱炎をあらわす。

アプレー・スクラッチ テスト(Apley Scratch Test)

検査法:腕を持ち上げ、手を後頭部から反対側の肩甲骨上部に触れるよう指示する。
     腕を下げ、手を背中に廻し肩甲骨に下部に触れるよう、反対方向も指示し、この動きを繰り返す。
理論的根拠:肩の痛みが増大するとき、主に棘上筋腱炎を示唆する。

ヤーガソン テスト(Yergason's Tast)

検査法:座位 肘関節90°屈曲、患者の一方の手で固定、
     もう一方の手で手首を外側に押す、患者はこれに抵抗する。
理論的根拠:肩の痛みが出るとき、上腕二頭筋長頭付着部の腱炎を示唆する。

ストレッチ テスト(Arm Stretch Test)

検査法:患者に上腕を持ち、そのまま腕(肩関節)を伸展する。
     肩に痛みが出たら肘を曲げてもらい痛みが消えるか確認する。
理論的根拠:肩の痛みが出るとき、肘の屈曲で痛みが消え伸展で出ると、
         上腕二頭筋短頭付着部の腱炎を示唆する。

ドロップアーム テスト(Drop Arm Test)

検査法:肩に激痛がある場合。座位。他動的に肩関節90°外転。
    手をはなしゆっくり下ろすよう指示。
理論的根拠:腕をゆっくり降ろせなかったり、
      急に落ちるようであれば、腱板の損傷・断裂を意味する。


肘 関 節

肘関節正常自動関節可動域
屈曲 150°
伸展 5°
回外 90°
回内 90°

コーゼン テスト(Cozen's Test)

検査法:座位。肘関節90°屈曲、、肘を固定し、こぶしをつくり肘関節回内、手関節を背屈しこれに抵抗を加える。
理論的根拠:外側周囲の痛みは、肘関節外側上顆炎
     (いわゆるテニス肘)を示唆する。


ゴルフ肘 テスト(Golfer's Elbow Test)

検査法:座位。肘関節90°屈曲、、肘を固定し、手は開いたまま肘関節回外、
     手関節を背屈しながら肘を伸展しこれに抵抗を加える。
理論的根拠:内側周囲の痛みは、肘関節内側上顆炎
     (いわゆるゴルフ肘)を示唆する。


内転ストレス テスト(Abduction Strses Test)

検査法:座位。肘関節0°。肘関節内側を固定し、もう一方の手で、
     前椀の外側からに内転圧力を加える。患者はこれに抵抗する。
理論的根拠:肘の外側に痛みがでた場合、外側側副靭帯の損傷を意味する。

外転ストレス テスト(Abduction Strses Test)

検査法:座位。肘関節0°。肘関節外側を固定し、もう一方の手で、
     前椀の内側からに外転圧力を加える。患者はこれに抵抗する。
理論的根拠:肘の内側に痛みがでた場合、内側側副靭帯の損傷を意味する。

チネル徴候(Tinel's Sign)

検査法:座位。肘頭突起と内側上顆の間にある溝(尺骨神経溝)を打腱器を用いて叩打する。
理論的根拠:左右差、知覚過敏になっている場合、尺骨神経炎を示唆する。


手 関 節

手関節正常自動関節可動域
掌屈(屈曲) 80°
背屈(伸展) 70°
尺屈(小指側) 30°
橈屈(拇指側) 20°

ファレン テスト(Phalen's Test)

検査法:座位。両手首を掌屈し、手背どうしを密着し押しつける、60秒間保つことを指示。
理論的根拠:左右差、異常感覚が指に放散すれば、手根管症候群正中神経の圧迫を示唆する。

ファインケルスタイン テスト(FinKelstein's Test

検査法:母指を手掌中にしてこぶしをつくり、尺側側に曲げることを指示。母指を過掌屈する。
理論的根拠:橈骨茎状突起部末端の痛みは、
        長母指外転筋と短母指伸筋の狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)を示唆する。

尺側手根管症候群三要素(Ulnar Tunnel Syndrome)

検査法:@尺側手根管上の圧痛。  
     A第四指のかぎづめ変形。
     B小指球の筋萎縮。 
     この三症状を触診して調べる。
理論的根拠:症状があれば、尺骨神経の圧迫を示唆する。

手関節のチネル徴候(Tinel's Wrist Sign)

検査法:手首の内側を打腱器を用いて叩打する。
理論的根拠:放散痛が起これば、手根管症候群を考える。


胸 部

胸腰部正常自動関節可動域
前屈(屈曲) 45°
後屈(伸展) 30°
回旋(捻転)左右 40°
側屈左右 50°

ソート・ホール テスト(Soto-Hail Test)

検査法:仰臥位(あおむけ)。頚部を最大前屈しながら胸椎も前屈する。
理論的根拠:局所痛があれば、靭帯、椎間板、骨など損傷をあらわす。
        患者の膝が立てば、髄膜刺激症状を疑われる。

胸骨圧迫テスト(Stermal Compression Test)

検査法:仰臥位。胸骨上部に両手をのせ下方へ押す。
理論的根拠:局所痛か肋骨側面に痛みがあれば、肋骨骨折を疑われる。

ビーバー徴候(Beevor's Sign)

検査法:仰臥位。両手を頭の後ろに組んでもらい、上体を前屈(上挙)するように指示する。
     腹筋運動のボーズをとってもらう。
理論的根拠:臍が上方に動くとT10〜12の神経根症状が疑われる。
        臍が下方に動くとT7〜10の神経根症状が疑われる。

シュペルマン徴候(Schepelman's Sign)

検査法:座位。上体を側屈すりよう指示する。左右行う。
理論的根拠:曲げた側に痛みがあれば、肋間神経炎の疑い。
        伸ばした側に痛みかあれば、胸膜、筋性の繊維性炎症の疑い。

胸郭拡張テスト(Chest expansion Test)

検査法:座位または立位。乳頭の高さで、メジャーにて、最大呼気時の測定、最大吸気時の測定を行う。
理論的根拠:成人男子の正常拡張差 5.0cm以上。
        成人女性の正常拡張差 3.5cm以上.。
        これ以下のときは、肋椎関節の異常や呼吸器の異常など胸部拡張異常をあらわす。


腰 部

(正常関節可動域は胸部と連動) (股関節を用いてテストを行う場合があります)
胸腰部正常自動関節可動域
前屈(屈曲) 45°
後屈(伸展) 30°
回旋(捻転)左右 40°
側屈左右 50°
股関節正常自動関節可動域
屈曲(前方) 90°
屈曲膝を曲げた状態 125°
伸展(後方) 15°
外転(側方) 45°
内転 30°
外旋 45°
内旋 45°

ケンプ テスト(Kemp's Test)

検査法:座位または立位。腰椎を斜め後方に倒し、そのもま回旋する。左右行う。頚部のスパーリングテストと同じ方法。
理論的根拠:腰椎の局所痛は、椎間板の損傷を疑う。
        神経根性の痛み、放散痛のある場合は、椎間板ヘルニアを疑う。
        曲げた側の痛み → 椎間板外側部の損傷。
        伸ばした側の痛み → 椎間板内側部の痛み。

SLR テスト(Straigtht Lag Raising Test)

検査法:仰臥位(あおむけ)。膝を伸ばした状態で、下肢をゆっくり90°か痛みが現れる位置まで挙上(屈曲)する。
理論的根拠:腰部の局所痛は椎間板の損傷を疑う。
        臀部・大腿後側に放散痛がある場合(坐骨神経痛症状)、椎間板ヘルニアを疑う。
        膝の後側のにぶい痛みは、屈曲筋の伸展痛(伸ばした痛み)。

ラセーグ テスト(Lasegue's Test)

検査法:仰臥位.。股関節屈曲、膝関節屈曲し、痛みが現れる位置まで伸展(伸ばす)。
理論的根拠:股関節と膝の両方屈曲時に痛みがなく、
        膝だけを伸ばして痛みが現れた時、陽性を意味する。SLRテストと同じ。

ブラガード テスト(Bragard's Test)

検査法:仰臥位.。SLRテストの肢位で痛みが現れたとき、5°下げて足関節をそらせる(背屈)。
理論的根拠:足関節の背屈は、坐骨神経をけん引することになり、
        大腿後側や下腿に痛みが現れたとき、根性の座骨神経痛を疑う。
        筋肉の伸ばされたにぶい痛みは、神経痛とは異なります。

マイナー徴候(Minor's Sign)

検査法:座位.。立ち上がるよう指示。
理論的根拠:腰痛がある患者は、痛い側を曲げたままの状態で、良い側のみで立ち上がろうとする。
        痛みがある側を無意識に手で押さえたりする。起立時痛(伸展痛)は、根性の坐骨神経痛を疑う。

ミリグラム テスト(Milgram's Test)

検査法:仰臥位.。両足を揃えた状態で、踵を10cm位挙上を指示。
理論的根拠:正常であれば、30秒間以上腰痛を引き起こさずに持続可能。腰椎椎間板ヘルニアでは持続が困難。


仙腸関節(骨盤)

主に股関節の動きにより、仙骨(中央の逆三角の骨)の耳状面を回転軸とし
左右上前腸骨棘(一番外側の出っ張り)を水平軸とし、
最大で±10o(前に1p後に1p)程度可動します(個人差があります)。
角度としては計測不能です。
男性より女性のほうが動きがよく(出産時に広がる)
年齢とともに動きが少なくる傾向があります。
通常、動かないとされ、関節可動域テストでは評価されていません。

支持前屈テスト(Supported Forward Bending Test)

検査法:立位。前屈を指示、次に立位に戻り、
     後方から患者の坐骨を腰で固定し、両手で腸骨を支えながら再度前屈を指示する。
     (骨盤固定ベルトを用いてもよい)
理論的根拠:腰椎の障害はどちらでも痛みがでるが、骨盤を固定した場合、腰椎のみの痛みとなる。
        (骨盤を固定した場合、仙腸関節の痛みが起こらない)

ナクラス テスト(Nachlas Test)

検査法:腹臥位.(うつ伏せ)。患者の下腿を持ち、膝を曲げ、踵を臀部に近づける。
理論的根拠:臀部の痛みは仙腸関節の障害、腰部の痛みは椎間板の障害を意味する。
        (大腿部や膝の痛みは大腿四頭筋が張っているために起こる)

イヨーマン テスト(Yeoman's Test)

検査法:腹臥位..。膝を90°程度曲げたまま、大腿を持ち上げる。
理論的根拠:深部の仙腸関節痛は、前仙腸靭帯の捻挫・障害をあらわす。ナクラステストを強く行う方法。

ヒップ テスト(Hibb's Test)

検査法:腹臥位..。膝を90°程度曲げたまま、外側に回旋する。
理論的根拠:股関節を内旋することで、局所の痛みは異常を意味する。
        股関節の痛みはその部分の異常を意味する。 

仙腸関節ストレッチ テスト(Sasroiliac Stretch Test)

検査法:仰臥位(あおむけ)。検者は腕をクロスさせ、患者の腸骨を両手で押さえ、下方と外方へ押す。
理論的根拠:深い部分の痛みは、前仙腸靭帯の捻挫・障害をあらわす。

骨盤不安定テスト(Pelvic Rock Test) 

検査法:側臥位..。腸骨を下方に強く押し、仙腸関節を圧迫する。両側に実施する。
理論的根拠:痛みが出れば異常を意味する。

仙腸関節外転抵抗テスト(Sacroiliac ResIsted Abduction Test)

検査法:側臥位(横向き)。下側の膝を曲げ。上側の膝は伸ばしたまま、上方に持ち上げを指示。
     検者は手で圧力をかけ抵抗する。
理論的根拠:痛みがでた場合、上側の仙腸関節捻挫・障害をあらわす。

ゲンスレン テスト(Gaenslen's Test)

検査法:診察台の隅にくるよう仰臥位。健側の膝を抱え胸に近づけるよう指示。
     一方の患側の下肢を診察台の外に出し、大腿部を伸展させる。
理論的根拠:局所に、痛みが出れば異常を意味する。


股 関 節

股関節正常自動関節可動域
屈曲(前方) 90°
屈曲膝を曲げた状態 125°
伸展(後方) 15°
外転(側方) 45°
内転 30°
外旋 45°
内旋 45°

アリス テスト(Allis Test)

検査法:仰臥位(あおむけ)。両足をそろえて、両膝を曲げる。
理論的根拠:膝の高さが異なる場合、股関節の異常をあらわす。
        患側(痛い方)が低い(短い)場合、大腿骨骨頭の後方変異を示唆する。

オーベル テスト(Ober's Test) 

検査法:側臥位(横向き)。i膝を伸ばしたまま、一側の下肢を手で持ち上げ(外転)持ち上げた下肢を離す。両側とも行う。
理論的根拠:手を離してもなめらかに落ちない、大腿筋膜張筋、腸脛靭帯(外側の筋)
        の異常を示唆する。

トーマス テスト(Thomas Test)

検査法:仰臥位.。片方ずつ膝を曲げながら、胸に近づける。
理論的根拠:膝をかかえたときに、もう一方の伸ばした側の膝がひとりでに曲がれば(膝が持上がれば)
        股関節屈曲拘縮を示唆する。

フェーバー・パトリック テスト(Faber Patrick Test)

検査法:仰臥位.。一則の下肢をあぐらの形に曲げことを指示。上前腸骨棘と膝を手で押さえて押し広げる。両側とも行う。
理論的根拠:股関節に痛みがあれば、炎症などの異常をあらわす。

トレンデレンブルグ テスト(Trendelenburg Test)  

検査法:立位。後部から両母指で腸骨の上後腸骨棘を押さえ、片足づつ持ち上げを指示する。
理論的根拠:正常であれば、持ち上げた側の中殿筋が緊張してやや引き下がる。反対側はやや持上がる。
        中殿筋の筋力低下があれば、反対側が引き下がる。
        この際、身体のバランスをとろうとして患側に傾けようとする。
        歩行時にこの動きを繰り返す状態を、
        トレンデレンブルグ徴候(Trendelenburg Sign

オルトラニ・クリック テスト(Ortolanl’s Ciick Test)

検査法:仰臥位.。大腿骨小転子(内股付け根の骨の出っ張り)に下方から大腿をつかむよう母指を当て外側に開く。
理論的根拠:開脚したときに、クリック音(ポキッという音)が生ずると股関節の異常を示唆する。
        新生児の先天性股関節脱臼を確認するときに、よく使われるテスト法。

アンビル テスト(Anvil Test)

検査法:仰臥位.。検者は、患者の足首を持ち、
           もう一方の手をこぶしにして踵(かかと)を叩く。
理論的根拠:股関節に痛みが生ずる場合、関節の異常、骨折を疑う。


膝 関 節

膝関節そのものは回旋・側屈運動はできません
(膝関節の動きは下腿の動きと別に分類されています)
膝関節正常関節可動域
屈曲 130°
伸展
下腿の正常自動関節可動域
外旋 20°
内旋 10°

アプレー圧迫テスト(Apley's ConpreRession Test)

検査法:腹臥位.(うつ伏せ)。膝関節を90°曲げ、
     大胆の下方に検者の膝をのせ固定する。
     足を両手でつかみ、膝に向かって圧迫しながら。下腿の内旋・外旋をおこなう。
理論的根拠:膝に痛みが生じた場合、
        内旋時は内側半月板、外旋時は外側半月板の損傷をあらわす。

アプレー牽引テスト(Apley's Distraction Test)

検査法:腹臥位.。膝関節を90°曲げ、
     大胆の下方に検者の膝をのせ固定する。
     足を両手でつかみ、垂直に引き上げ牽引しながら、下腿の内旋・外旋をおこなう。
理論的根拠:膝に痛みが生じた場合、内旋時は外側側副靭帯、外旋時は内側側副靭帯の損傷をあらわす。

マクマレー テスト(Mc Maurray's Test)

検査法:仰臥位(あおむけ)。曲がるところまで、膝を曲げ、ゆっくり伸ばしながら、下腿の内旋・外旋をおこなう。
理論的根拠:膝に痛みが生じた場合、内旋時は外側側副靭帯、
        外旋時は内側側副靭帯の損傷をあらわす。
        クリック音(ポキッポキッという音)が感じられる場合、半月板断裂を疑う。

引き出しテスト(Drawer's Test)

検査法:仰臥位.。足底をつけたまま、膝を90°程度曲げ、
     検者は足を膝などで固定し、曲げた膝を両手でつかみ、前方へ引っ張る、後方にも押す。
理論的根拠:前方へ引っ張ったときに痛みが生じた場合、前十字靭帯の損傷、
        後方にも押したときに痛みが生じた場合、後十字靭帯の損傷をあらわす。
        動きが大きい場合、断裂を疑う。

内転ストレス テスト(Abduction Strses Test)

検査法:仰臥位。真っ直ぐ伸ばした状態。膝関節を固定し、もう一方の手で、外側からに内転圧力を加える。
理論的根拠:膝の外側に痛みがでた場合、外側側副靭帯の損傷を意味する。

外転ストレス テスト(Abduction Strses Test)

検査法:仰臥位。真っ直ぐ伸ばした状態。膝関節を固定し、もう一方の手で、内側からに外転圧力を加える。
理論的根拠:膝の内側に痛みがでた場合、内側側副靭帯の損傷を意味する。

膝蓋骨圧迫テスト(Patella Grinding Test)

検査法:仰臥位。真っ直ぐ伸ばした状態。
     膝蓋骨(お皿)を上から手で強く押さえながら上下左右に動かす。
理論的根拠:膝に痛みが生じた場合、膝蓋骨周囲の炎症をあらわす。

膝蓋骨跳動テスト(Patella Ballottement Test)

検査法:仰臥位。真っ直ぐ伸ばした状態。
     膝蓋骨の上方の大腿部を包み込むよう押さえ、もう一方の手で、膝蓋骨の下方を上方に向かって動かす。
理論的根拠:関節内に、余分な浸出液がある場合、膝蓋骨の上方か膝蓋骨のうら側に溜まり、
        膝蓋骨を押さえると、みずが溜まった感覚が出現する。    


足 関 節

外転・内転運動は下腿と連動
足関節正常関節可動域
背屈(伸展) 20°
底屈(屈曲) 45°
内かえし 30°
外かえし 20°
下腿の正常自動関節可動域
外旋 20°
内旋 10°

シモンズ テスト(Simmonds Test)

検査法:腹臥位.(うつ伏せ)。膝関節を90°位曲げてもらい、後ろからふくらはぎを圧迫する。
理論的根拠:足の底屈(上に動く) が見られないときは、アキレス腱の断裂。

足関節チネル徴候(Tinel's Foot Sign)

検査法:腹臥位.。膝関節を90°位曲げてもらい、後脛骨神経(内くるぶし後方)を打腱器で叩打する。
理論的根拠:痛みが足底まで放散する異常感覚があると、足根菅症候群をうたがう。

外側安定性テスト(Lateral Stability Test) 

検査法:仰臥位(あおむけ)。足をつかみ内かえしに捻る。
理論的根拠:ゆるみがある場合、前距腓靭帯・踵腓靭帯(外くるぶし前方)の両方もしくは、
        どちらか一方の断裂がうたがわれる。

内側安定性テスト(Medial Stability Test) 

検査法:仰臥位.。足をつかみ外かえしに捻る。
理論的根拠:ゆるみがある場合、三角靭帯(内くるぶし下)の断裂がうたがわれる。 


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