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病院との交渉

麻酔科医体制について再々質問/2004年6月22日

静岡市立清水病院
院長 重野幸次 様      2004年6月22日

 麻酔科医の体制についての再質問に対して再回答ありがとうございました。ご苦労がよくわかりますが再回答の中でよくわからないことがありますので再々質問をさせていただきます。

1. 医師の氏名掲示について、「非常勤医師については原則として外来診療を行う者に限っているのが現状」とお答えです。
  麻酔科は小林俊司医師1人の名が掲示されていますが、「原則として」とはどういうことでしょうか。小林医師だけが掲示されていると、患者は小林医師が麻酔を担当して下さると思ってしまいます。他の15名の医師の名前を出せないのであれば小林医師の名前も掲示せず「非常勤医〇名、パート医〇名で対応しています」という掲示の方が患者に対して正しい情報だと思いますがいかがでしょうか。また、小林医師は7月から留学されるようですが後任はどうなりますか。

2.「慶應大学から10名、浜松医科大学からの6名はいずれも各々の大学医局から派遣」「年度中の異動により他の麻酔医と交代することも考えられます」とお答えです。
  お答えから鑑みれば、各々の大学とは個々の医師ではなく「人数枠」で契約していると解釈できるのですが、いかがでしょうか。もしそうであれば、異動があっても交代要員を派遣してもらえればいい、麻酔科医であれば誰でもいい、技量は関係ないということになりますが如何でしょうか。

3.「16名の内の本市内在住医師3名を輪番で有事に備える体制」とお答えです。
  平成14年度の手術件数(静岡市立清水病院年報平成14年度21頁、年度別手術件数)を見ますと、主なもので外科が時間内572件・緊急27件、産婦人科が時間内275件・緊急41件となっています。他科も合わせると手術件数は時間内2,625件・緊急90件でした。平成14年度は常勤麻酔科医が2名いました。
  麻酔科医は24時間365日待機が必要と聞きます。特に出産時の緊急を要する帝王切開術の際、麻酔科医の協力有る無しが母子の生命の危険に大きく関わってくると聞いています。現在の手術件数が平成14年度と大差ないとすると緊急時の対応がとても心配になります。「市内在住医師3名を輪番で」の対応で本当に大丈夫でしょうか。
 ところで、市内在住の3人の医師は、日中はどこかの病院に勤務されている方だと思われます。その3人の方が輪番で有事に備えていらっしゃるということが事実ならば、3日に1回は他の病院での勤務を終えたあと清水病院での有事に備えて自宅でじっと待機し、有事であれば呼び出されて勤務することになります。そして翌日は、休日ではなく他の病院での通常業務です。
  常識的に考えれば、あり得ないことだと思うのです。だから、失礼だとは思いますが、「市内在住医師3名の輪番体制」が事実かどうか疑問を抱かざるを得ないのです。

4.  麻酔科医は手術の時だけ居ればいいという誤った発想が問題だと専門医からは指摘されます。手術の時だけでなく、手術後の痛みの管理、重症患者の管理など、患者の生命に直結した仕事が任されている麻酔科医が誰なのかは市民に知らせるべきだと思います。
  要望書と再質問で麻酔科医の名前を教えて下さいとお願いしましたが小林医師しか名前を教えていただいていません。他の15名の名前を公表できない理由を教えて下さい。

 医療事故調査会第9回シンポジウムが6月13日に大阪で開かれたので行ってきました。清水病院で講演されたこともある森功医師(医療事故調査会代表世話人)が「医療界は事故の海である」と報告されました。今の医療を改善するために出席者の一致したご意見は情報公開につきるというものでした。
 私たち市民が身近な市立病院に安心してかかれるために病院の情報を知りたいという素朴な願いに正確に答えていただけるものと信じております。常勤麻酔科医がいないことに疑問を抱き、現在の麻酔科医の体制について要望書、再質問に続いて再々質問を提出させていただきます。一連のやりとりについては今回で一区切りにしたいと思います。
 安全な医療を市民に提供するための情報提供として7月10日までに回答を下さるようお願いいたします。

「静岡市立清水病院から被害をなくす会」
代表 竹下勇子

 

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