資料
● 静岡新聞2025年10月2日付朝刊16ページ掲載
清水病院 赤字額22億円超
24年度 過去2番目、患者数減主因
静岡市は1日、経営状況の悪化が続く市立清水病院に関し、2024年度の損失が前年度比で9億5700万円増加し、市一般会計からの10億円の補助金を除くと実質22億2100万円の損失だったと明らかにした。17年度に次いで過去2番目の赤字規模。人件費増加や光熱費の高騰に加え、脳神経外科と皮膚科の撤退などで患者数が減少し、5億7100万円の減収になったことが主因だとした。市議会9月定例会厚生委員会で説明した。
脳神経外科の専門医は4人いたが、うち3人が3月に退職。4月以降は別の診療科を担当していた脳神経外科医が1人で診察に当たっている。同院は昨年12月ごろから、医師の退職を見越し、約50人いた患者を転院させていた。皮膚科は3月末までに4人いた医師が全員辞めた。必要に応じて市内の他の病院から応援が入っている。
経営悪化の組織的な要因として、幹部の業務分担ができておらず、経営課題に関する進捗(しんちょく)管理を院長が1人で担う状態が続いていたことも挙げた。本年度からは参与、副院長、診療部長が診療部別に管理担当する体制を導入するなどの改善を図った。
医師確保への取り組みを続けているが、病院経営企画課の鈴木忠裕課長は「7月までの収支は厳しい状況」と説明し、「看護部、薬剤部、事務局などを含め、全体でさらなる経営改善策に取り組む」と述べた。
(政治部・中川琳)
(静岡新聞2025年10月2日朝刊16面)
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