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会報 No.16-2005/03/25

(1) 常勤麻酔科医について

 常勤麻酔科医がいない現状に対して市民が安全な手術を受けられるように会として要望書を提出しましたが、その後のやりとりは資料をお読みください【資料1】。
 また、そのやりとりを会のホームページでご覧になり、麻酔科医のメーリングリストにご紹介下さった浅山健医師(東京在住)から、我が国の麻酔科医師不足の現状の報告と解決への提案が参考記事と共に届いています【資料2】。
 浅山医師は勤務されていた病院で、常勤麻酔科医14人規模で24時間・年中無休の麻酔科体制を30年近く運営されたご経験があります。また、ご自身が体験された麻酔事故を『患者はこうして殺される』(飛鳥新社)という本に著されるなどして日本の麻酔科医療の改革に取り組んでいらっしゃいます。
 会としては問題提起したことで今後の動向を注視していきたいと思います。

(2) 被害者遺族と示談成立

 すでに新聞等で報道されているとおり、通信No.13でお知らせした医療事故が遺族と示談成立しました【資料3】。被害者遺族からの要請で初期の段階で病院側との話し合いに会が立会いましたが、示談成立までに2年以上を要した病院側の対応に疑問と憤りを禁じ得ません。

(3) 裁判報告

 会設立のきっかけとなった裁判(乳がん手術後、診断に疑問を抱き訴えた)は現在、東京高裁でDNA再鑑定が決定し、鑑定作業が進行中です。

 昨春の静岡地裁判決を受けて原告被告双方が控訴しました。
 控訴審では、原告を癌とする唯一の証拠である病院提出の病理標本の再度のDNA鑑定が認められ、今年2月に鑑定作業に着手しました。
 一審の静岡地裁でもDNA鑑定が実施され、原告の血液と病院提出の癌の標本ではミトコンドリアDNAの塩基配列が一致しませんでした。その結果を受けて病院側は「癌による変異」を主張し、静岡地裁判決では病院側の主張を認めて「原告は癌である」と認定しました。
 控訴審では、地裁判決の事実認定の誤りと、DNA鑑定での塩基配列の不一致の意味することを指摘し、再度のDNA鑑定を申請しました。その結果、昨年7月に再鑑定が認められました。その後、約半年をかけて裁判所(東京高裁)で進行協議(非公開)を重ねて準備し、今年2月に鑑定作業に着手しました。
 鑑定機関については、病院側の「癌による変異」主張を崩すために最新の鑑定技術が求められ、裁判所が選定した鑑定機関単独に決まりました。
 昨年末以来、拉致被害者の横田めぐみさんの遺骨のDNA鑑定でミトコンドリアDNAが使われ、塩基配列が「同一ではないイコール他人である」という鑑定結果をもとに日本と北朝鮮との間でやりとりが交わされています。また、昨年末におきた津波の被害者捜しにもDNA鑑定が使われ、個人特定の手段としてDNA鑑定が世界的に信頼がおけるものとして使われています。
 もし病気(癌)による変異や、汚染(標本作成時、鑑定時等)による変異があるならば、個人特定作業の手段としてDNA鑑定が使われないはずです。
 清水病院が提出した癌の標本と原告の細胞とのDNA鑑定結果にどうぞご注目ください。鑑定結果が出るまで約2ヶ月と聞いています。

(4) 会計報告(2004年3月から2005年2月まで)

収入/年会費と寄付金 支出/通信事務費

109,100円

29,400円

計 109,100円

計 29,400円

収入−支出=79,700円

前年度繰越金△93,535円

今年度繰越残高△13,835円

 昨年度の通信発行は1回でした。今年度も昨年度に引き続き、ホームページでの情報提供を活用していきたいと思います。そのためにホームページを充実させる作業に着手していることをご報告いたします。

 会は皆様からの会費とご寄付で運営されています。年会費及びご寄付を寄せられた皆様、本当にありがとうございます。この場をお借りして心より感謝申し上げます。尚、ご寄付いただいたみなさまのお名前を前年度までイニシャルでご紹介していましたが、ある投稿欄に無断転載されたため、今後は記載いたしませんが、どうぞご了承ください。

(5) 会費納入のお願い

 おかげさまで2000年2月の会設立から丸5年を迎えました。今年度も病院から被害をなくすために会として可能な活動を継続していきます。つきましては活動の基盤となる年会費(1口千円として1口以上)を前年に引き続き、同封の振込み用紙で納入をお願いいたします。
 また、会計報告にもある通り赤字が続いています。今年度はホームページ改訂作業に費用がかかる予定ですので、カンパの方もよろしくお願いいたします。切手のカンパも歓迎いたします。会計年度は毎年3月から翌年2月末までです。

(6) お知らせ

 今年度は会計報告を含む今回の通信をもって総会に代えさせていただきます。

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