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会報 No.13-2003/02/28●新院長になっても病院の医療事故は変わらず 平成14年3月、心疾患を誤診(内科)、男性死亡で、夏に和解(新院長になってから公表されたもので1件目)。平成13年2月、直腸がん手術失血死(外科)で、平成14年8月提訴(2件目)(通信No.12資料4参照)に続いて、平成14年12月30日に、内科で事故が起きました(3件目)。 3件目の事故の被害者の妻である武藤幸子さんから相談を受け、1月10日、15日、22日と、3回行われた病院と家族との話し合いに会が立ち会いました。1回目の話し合いに病院側は、重野院長、坂口副院長、江口事務部長が出席。話し合いは被害者家族がビデオで記録し、カルテコピー、レントゲン写真コピーは1回目の話し合いで要求、入手しました。それらの資料を会員の協力で検証し、それを元に、2回目の話し合いになりました。その日、病院は県への報告と記者会見を行い、事故を公表しました【資料a】。 3回目の話し合いは、重野院長から今後、弁護士を立てるということと、院長名でのいきさつが書かれた文書を提出、読み上げられました。担当医師(山川貴久子医師・竹内悦子医師)からの説明も被害者家族が納得いかないまま一方的に話し合いの場が中断されてしまいました。問題は早い段階で表面化されましたが、家族にとって何ら問題解決されていません。 そこで、「真実を知りたい」という家族の要望を書面で提出しました。その要望書に従って、「質問状その1」を2月19日に重野院長宛提出しました。質問状提出に先立ち、家族が宮城島市長と面談し、事故の経緯と家族の心境を伝え、誠意ある回答を病院側に促すよう求めました。面談後、武藤さんが記者会見を行い、報道されました【資料b】。 通信No.12で紹介した遠藤五郎さんは10月9日に病院で内科医か ら説明がありました。その際、会も同席し、カルテコピーを要求し 即日入手しました。資料を入手したことによって問題検討が可能に なりました。カルテ開示は、平成13年3月1日から開始すると報道 されました(静岡新聞・平成13年2月14日掲載)が、要求しても 開示されなかった会員もいました。今回はなぜか2件のケースとも 入手できました。 昨年8月に「1週間あければできる簡単な手術だから夏休み中にやろう」と言われて、腹腔鏡による胆のう摘出手術(外科)に応じ、初歩的ミスにあった被害者がいます(4件目)。病院は早急に問題を公表し、一刻も早く被害者救済と再発防止に取り組んで欲しいと節に願います。
●病院からの回答 前回通信に掲載した公開質問状に対し、回答期限を守って、院長名で回答が寄せられました。全文を掲載すると誤解を招きかねない内容(医局の問題と医師の出身大学数の問題のすり替え・乳腺外来の実態との相違など)なので、略します。 整形外科の対応について会員が指摘したこと(主治医の短期間での入れ替わり、それに伴う無責任な対応)については回答書で問題の指摘を感謝され、今後、改善策を進めるとのことですが、会から指摘されるまで、問題ある対応をしてきたことが問題なのです。改善策を進める前に、つらい体験をした会員である元患者に対して、病院はどのように考えているのかと疑問に思います。 回答書全文をご希望される方は、会の連絡先までご一報下さい。 昨年12月14(土)〜15日(日)に静岡県立短期大学部を会場に開催された第6回日本健康福祉政策学会学術大会にポスターセッション(会の活動を展示で紹介し、説明と質疑応答)で参加し、多くの参加者に見ていただきました。発表の内容は、被害者が声を上げて、初めて明らかになった清水市立病院の体質を問うものです。 被害者が声を上げるまで20年以上にわたって問題ある医師の医療がいっさい表面に出なかった閉鎖的体質。過去の問題を調べたことによってわかった研修医の問題、リピーター(問題を繰り返す)の問題、医局の問題、医師の短期間での入れ替わりの問題などです。
●厚労省へ指導願い 上記学会参加をきっかけに、当日出席していた厚生労働省の職員から厚生労働省への働き掛けを促され、実態を伝える資料を添付し、安全な医療を提供するための政策作りを担っている厚生労働省医政局総務課医療安全推進室室長あて、指導願いの文書を1月10日付で送付しました【資料c−添付資料については総会時に会場に展示します】。
●報道関係 毎日新聞家庭欄(2002年10月31日付朝刊)に会の活動が紹介されました。月刊『現代』(講談社)1月号に、会設立のきっかけとなった小坂昭夫前副院長を追った米本和広氏のルポ、「虚像の名医・乳癌を切りまくった医師に問う」が、掲載されました。 ●これからの予定 4月に静岡市と清水市が合併することによって、現在、両市にある市立病院は、「静岡市立静岡病院」と「静岡市立清水病院」となる予定です。それに伴い会員の中の静岡病院の被害者と手を携えて動を広げる予定でした。しかし、会の受け皿体制が整わないことと、病院の体制(医局の問題・職員の問題等)の違いから、それぞれの病院が別々に機能する可能性が高いため、当面、会としては現在の活動を継承していきます。会の名前はそのまま行政の移行に追随した病院名を冠します。なお、今までも他の病院の被害者が会員にいますし、会には他の病院の被害者からも相談が寄せられています。今後、それぞれの病院で被害者が立ち上がり、病院が安心してかかれる病院づくりのために被害者から学ぶ姿勢をもつ働き掛けができればと思います。
●裁判報告 現在、係争中は2件(外科)です。昨年提訴された裁判(前述の2件目の事故)は審理が続いています。会員(竹下)の裁判(静岡地裁)は、提訴してから2月で8年目に入りました。今年2月にカルテ書き替えを裏付ける注目すべき筆跡鑑定結果が出されました。今後の被告医師(小坂前副院長)尋問にむけて審理が進められています。●会費納入のお願い おかげさまで2000年2月の会設立から丸3年を迎えました。この1年は、通信11号、病院の体質を問う公開質問状を含む通信12号の発行のほか、会を紹介するパンフレットを完成させることができ、会の存在を広く広報することが可能になりました。静岡市との合併により病院名は変わりますが、被害をなくすために今年度も市や病院への働き掛けなど、会として可能な活動を継続していきます。 今年度の活動の基盤となる年会費(1口千円として1口以上)を前年に引き続き、同封の振込み用紙で納入をお願いいたします。また、会計報告にもある通り、8万円の赤字が続いています。カンパの方もよろしくお願いいたします。 会計年度は毎年3月から翌年2月末までになります。早々に納入いただいた会員の皆様には、ほんとうにありがとうございます。 今年度の総会は5月10日(土)に、静岡市との合併を記念して、現静岡市で開催を予定しています。当日、近藤誠医師(慶應大学医学部放射線科講師)の講演会も予定しています。ぜひ、多くの方々に出席して下さるようお願いいたします。詳細は次回通信でお知らせする予定です。なお、総会の準備会を含む毎月の会合にはどなたでも参加し、意見交換できます。
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