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竹下裁判

DNA鑑定申請書

平成16年(ネ)第2435号
控訴人竹下勇子
被控訴人 静岡市 外1名

2004(平成16)年7月21日

控訴人(竹下勇子)訴訟代理人
弁護士渡邉彰悟
弁護士福地直樹

東京高等裁判所 第5民事部 御中

鑑定申請書

第1 立証すべき事実

 控訴人竹下勇子が乳癌ではなかったとの事実を立証する。

第2 鑑定の必要性

  1.  原審において、支倉逸人氏(東京医科歯科大学医学部法医学教室・教授)によるDNA鑑定が実施された。支倉鑑定では、控訴人から採血した静脈血とパラフィン包埋組織標本を鑑定資料とした。組織DNAを対象としたPCR反応では増幅バンドを検出できなかったが、ABO遺伝子型及びミトコンドリア型は増幅バンドが確認できたため、この二つについて型判定が実施された。そしてミトコンドリアDNAについては、いわゆる「HV-1領域」の解析のみが実施された。
     その結果、ABO遺伝子型は両鑑定資料の間で一致をみたものの、ミトコンドリアDNAでは16129番目及び16223番目の塩基が不一致であった。
  2.  この鑑定結果につき、支倉鑑定書は「この成績からパラフィン包埋組織が原告から摘出された組織ではない可能性が疑われた」と記載する一方で、「ミトコンドリアDNAに突然変異が生じた可能性も否定できず、他のシステムによる否定も得られなかったため確定できなかった」と論じた。
  3.  原審判決は、支倉鑑定書の結果を受けて、「型が異なっていたミトコンドリアDNAは突然変異の可能性を排除できず、同DNAの相違から両資料(原告の血液と清水病院保管のパラフィン包埋組織)の同一人由来性を否定することはできない・・・原告が乳癌であったことは否定できないというべきである」と判示した。
  4.  このように、支倉鑑定では組織DNAではなく染色体外遺伝子であるミトコンドリアDNAの増幅バンドしか検出されなかったために上記のような鑑定結果になり、それを原審が上記のように認定したものである。
     しかしながら、DNAの解析技術はまさに日進月歩であり,このわずかの期間に格段の進歩を遂げている。現在においては、STR(Short Tandem Repeat)というDNA鑑定の手法を用いることによって、遺伝子の変異による影響を受けない解析が可能である。しかも、支倉鑑定のように「HV-1領域」だけではなく、「HV-2」領域においても解析を実施することができ、そうすることによって癌細胞による変異を受けないレベルの解析が可能となる。さらには、鑑定資料として多量の組織がなくても解析が可能であるし,正常細胞とがん細胞とを切り離して解析することも可能といわれている。
  5. 以上のような理由により、控訴人はSTRによるDNA鑑定及びミトコンドリアDNA鑑定(HV-1だけに限定しない)を申請するものである。

第3 鑑定人

 鑑定人について、控訴人は裁判所が選任する専門医に委ねる。
 ただし、鑑定人は、STRによる手法及び解析について、十分な知識と技術を持つ医学者(法医学者)であることが必要である。
 ちなみに、上記支倉逸人氏が所属する東京医科歯科大学には、STRを実施するために必要な設備が必ずしも整備されていないので、本鑑定人から除外されるよう希望する。
 また,被控訴人代理人高芝弁護士も委員として所属する厚生労働省の「戦没者遺骨のDNA鑑定に関する検討会」のもとで鑑定機関があり,その名簿として添付のものを厚生労働省から入手したが,かかる大学機関には,相応の専門性と技能が備わっているものと推認されるので,かかる機関も選任対象として参照されたい。かかる機関であれば,客観性もあり,原審で指摘されるような中立上の問題もなく,厚生労働省のいわばお墨付きでもあるので,技能的なレベルでの問題もないものと思料するからである。

第4 鑑定資料

 鑑定資料となる組織標本については、被控訴人が清水市立病院(現・静岡市立清水病院)内に保管しているパラフィン包埋標本または染色してプレパラート状になっている標本(被控訴人が、控訴人の組織であると主張する標本)を使用することを希望する。

第5 鑑定事項

 被控訴人から提出された標本(鑑定資料)は、控訴人から摘出された組織であるといえるか。

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