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清水病院の赤字問題―過去の赤字累計総額は?      
                        2025年10月14日
                   
「静岡市直営の病院に対し多額の補助金を支出し、市の一般会計に大きな負担を与えており、大変申し訳なく思っています。」(「2025年9月2日市長定例記者会見 資料3」より)
        -・-・-・-・-・-・-

1.赤字の根本原因
2.過去の黒字要因―市民の命より売上げ
3.院内実態を知る重要性
4.今後に向けて―情報公開につきる
5.再掲記事
6.赤字に関する過去記事


                      
1.赤字の根本原因            
 清水病院の赤字問題は今に始まったことではなく、根本的な赤字原因に目をつむっている限り続くでしょう。(→6.赤字に関する過去記事参照)

 被害体験から、赤字の根本原因は、「身の丈に合わない建物を建てた」からだと思っています。ルポライター米本和広氏は以下のように指摘しています。


<清水市立病院はもともとは良心的でこじんまりとした病院だった。それがおかしくなったのは、平成元年(一九八九年)に、今の風光明媚な場所に移転新築してからだ。それまではベッド数は二百五十以下だったが、いきなり五百床の本格的な病院にした。しかし、すぐにバブルは弾け、病院経営は危機を迎える。全国的に話題になっていた自治体病院の赤字問題に、清水市立病院も直面することになったわけだ。当時はたしか市議会でも問題になったはず。
 小坂先生が敏腕ぶりを発揮するようになったのは、このときからだ。医療サービス重視から利益重視路線に切り替えたんだ。>
(別冊宝島452『病院に殺される!』、83頁『内部告発!「危ない」医師たちの巣くう清水市立病院のデタラメ医療』より。HPには「文庫版のための追記」を含む「文庫版」を掲載)


 上記、米本氏のルポ(1999年8月)がきっかけで清水病院が変わったのは、小坂医師が退職し乳がん手術が激減したこと、「職員の綱紀の保持について」と題した院長名の通達書によって隠蔽体質がより強化されたことでした。
 米本氏が院長通達に反論を出しましたが、反応なく、売上に貢献させられた被害者たちは置き去りにされた状態が今につながっています。

 内部改革ではなく、旧清水市とは全く関係のない米本氏のペンの力によって乳がん事件を終息させたことは、市や病院が売上げを優先して市民の命をないがしろにし、人権意識のかけらもないことを露呈し、その無責任さに驚きと残念とで全く情けないことでした。

2.過去の黒字要因―市民の命より売上げ
 私が清水病院と、その後の裁判で体験した市の対応は、「売上のために何が何でもがん患者に仕立て上げること」としか思えず、人権は無視され、平和なはずの日本で考えられない出来事の連続でした。

 旧清水市市民の一主婦が提訴したことに対して、市の代理人はDNAに関する政府委員会の委員単独と知って驚きました。清水病院提出のがん標本のDNAが私と一致せず、鑑定を実施した東京医科歯科大へ説明を聞きに行った際にはがん標本のDNAが欧米人特有のアンダーソンモデルだと知り驚きました。私が鑑定依頼本人だと伝えた途端、鑑定人が椅子から飛び上がって驚き、「日本の公立病院でこんなことが…」と絶句し、同情されました。

 別の国立大学法医学教室の教授からは、「外科医が外国旅行の際、入手したんでしょ、切ればもうかりますから」と、いとも簡単に言われ、外国人のがん標本でがん患者に仕立て上げられることが有り得ることなのだと知りました。

 がん標本が私の物ではないと知って、初診翌日の生検手術(しこりを採る)の意味がわかりました。がん標本を登場させるアリバイ作りのためとしか考えられません。

 証拠(良性のしこり)をとられた患者(?)は、証拠無しでよその病院へ逃げ出すこともできず、セカンドオピニオンを受けることもできません。もし受けたとしても、清水病院のカルテには「乳がん」と書かれているし、DNA鑑定をやらない限りは、外国人のがん標本によってセカンドオピニオン先でも「がん」と診断され、正真正銘のがん患者となってしまいます。

 小坂医師1人が考え出したとは到底思えない巧妙な手口で、被害にあわないためには、清水病院へ行かないことしか防ぎようはありませんでした。

3.院内実態を知る重要性
 米本氏と近藤誠医師によって清水病院の院内実態が明るみに出たのは、倫理観の強い病院関係者複数が米本氏の取材に応じたことと、近藤誠医師は勤務した清水病院でご自身が体験されたことを、裁判所に提出した意見書には小坂医師の手術を、「これほど下手な外科医が日本にいたことに驚いた」と、ご著書には「がん患者を作り出す病院」「医療詐欺のカラクリ」と記して、がん患者を作り出す手口をあばかれました。

 小坂医師の問題は、現在地に清水病院移転新築間もない時点で、元気だった妻まち子さんを亡くされた久保山甲三さんが声を上げていました。しかし、それ以前に「下手な手術」は院内では知られていたのに隠蔽されて外部には伝わらず、市民の命よりも、下手であればあるほど儲かる「売上げ優先」が続き、市や病院は被害を防ぐどころか、下手な外科医にメスを持たせ続けました。

 清水病院で家族を亡くしたり、後遺症を抱えた被害者や被害者家族は、「市でやっている病院」を信じて行ったことを悔い続け、「騙された」思いを抱えながら、今を生きています。現院長・副院長は共に小坂医師の同僚だったので、すべてご存知のはず。決して過去の問題ではありません。

4.今後に向けて―情報公開につきる
 「外科医としての技量を持っていない」(近藤誠意見書)といった命に関わる重要な医師の技量や、過去の医療事故(「医療事故一覧」参照)等、院内情報が隠蔽されたままで、院外の第三者が、清水病院の「経営改善」や「地域医療」を語って、どのような成果が上がるのでしょうか?

 市直営の公立病院の今後を考えるならば、情報公開に尽きると思います。真っ先に過去の赤字累計総額(税金投入総額)を市民(納税者)に知らせるべきだし、過去の黒字要因を検証すべきです。

 市や清水病院が赤字の根本原因をそのままに、被害者の人権回復へのけじめもなく、信頼を損ねた過去から学ぶ姿勢も示さなければ信頼回復は難しく、赤字は底なし沼状態に膨らむと思っています。
 一般書籍に清水病院実名で「医療詐欺」と書かれている市直営の病院に巨額の税金を投入し続けていることは、被害者の人権を重ねて踏みにじる行為です。

5.再掲記事
今後の方向性を考えるために清水病院の実態がわかる資料を再掲します。

◆ルポライター米本和広氏の清水病院ルポ掲載
   ・『いのちジャーナル』1998年11月号
               12月号
               1999年2月号
   ・『別冊宝島・病院に殺される!』1999年8月
   ・文庫版『病院に殺される!』2000年6月
   ・月刊現代『虚像の名医』2003年1月号
   ・会のホームページに、地裁判決文を詳細に解説した
     「竹下裁判『判決の真実』」寄稿

◆清水病院に勤務経験がある近藤誠医師著作
   ・『あなたの癌はがんもどき』(38頁~44頁)
        がん患者を作り出す病院
        「医療詐欺」のカラクリ
   ・『近藤誠の「女性の医学」』(24頁~26頁)
        がん患者を作り出す病院を司法は野放し
   ・日刊ゲンダイ2011年3月1日(28日発行)18頁
        「がん医療の現場で犯罪的な診療行為」
   ・近藤誠意見書
       これほど下手な外科医が日本にいたことに驚いた
       外科医が通常備えているべき技術をもたない

6.赤字関連記事再掲
2003年4月、旧清水市立病院決算と患者数の推移
2016年4月、「赤字膨らむ静岡市立清水病院 医師確保に苦慮」
2018年2月、「清水病院 繰入金28億円超 外来、手術減響く 市議会厚生委」
2024年2月、「「清水病院へ9億円補てん」記事を読んで」
2024年11月、「清水病院経営 見直し示唆 26年度黒字化「達成できず」」 
2025年10月、「清水病院 赤字額22億円超 24年度過去2番目、患者数減主因」



                    竹下勇子(2025年10月14日)

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